公開日:2008年6月6日
最終更新日:2017年1月1日

ヒューズが切れるとどうなるか

エンジンルーム内のヒューズ

Fuse in the Engine Room

カテゴリー : ヒューズ表

エンジンルーム内のヒューズボックス 24384-10V00

このヒューズボックス(ヒューズブロック・F/Lホルダー・リレーホルダー)は、ボンネットフードを開けてエンジンルームの向かって左側(車両右側)にあります。

ヒューズとリレーの配置図

N&P RELAY
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LPG SOL. RELAY 2
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INHIBIT RELAY
A.SUSP RELAY
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TAIL LAMP RELAY
SPARE FUSE 4本
P.WINDOW RELAY
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IGN COIL RELAY
FL#2 FL 30A
4W ANTI SKID
FL#1 FL 25A ECCS
#40 GLOW PLUG 10A
CRT 15A FL#3 FL 30A
A.SUSP.
F.PUMP RELAY
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LPG RELAY 2
#39 F.PUMP 10A
F.PUMP(CIMA) (15A)
RR AIR CON 15A
#38 電話 3A FL#4 FL 25A
RAD.FAN
TAXI (ACC) 5A
#37 電話 3A FL#5 FL 30A
P.WINDOW
P.SEAT
TAXI (IG) 5A
ECCS RELAY
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LPG RELAY 1
#36 電話 10A
TAXI (B) 10A FL#6 FL 30A
IGN.SW.
#35 A.SUSP. 15A
TAXI (ILL) 5A
#34 A.SUSP 10A
HORN RELAY #33 TRUNK OPENER 20A
#32 H.LAMP LH 15A FL#8 FL 100A
GLOW PLUG
#31 H.LAMP RH 15A

FL(ヒュージブルリンク)表

ヒュージブルリンク(75A)はこちら

ヒュージブルリンクNo. 名称 アンペア(表記) 電源 内容
FL#1 ECCS FL 25A バッテリー直 ECCS系統のヒュージブルリンク。

下記の部位につながっている。
  • インジェクターのプラス側(前期型)
  • ドロッピングレジスタを通ってからインジェクタのプラス側(後期型)
  • イグニッションコイルリレーのコイルのプラス側
  • ECCSリレーのコイルのプラス側
  • ECCSリレーの接点
  • ECCSコントロールユニットの端子No.109(前期型)
  • ECCSコントロールユニットの端子No.58と端子No.109(後期型)
  • ACCバルブ(後期型)
ECCSリレーの接点を通ってさらに下記の部位につながっている。
FL#2 4W ANTI SKID FL 30A 4WASアクチュエーターのアクチュエーターリレーの接点およびモーターリレーの接点につながっている。
4WASモジュールからの制御で、アクチュエーターリレーやモーターリレーがが作動して接点が閉じて電源が供給される。

このヒュージブルリンクが切れると、
  • 4WASアクチュエーターが作動しなくなる(4WASシステムが異常を検出してフェイルセーフが働き、通常ブレーキになる)
  • ANTI-LOCK警告灯が薄く点灯する
FL#3 A.SUSP. FL 30A エアサスコンプレッサーリレーの接点につながっている。
エアサスコントロールユニットからの制御でエアサスコンプレッサーリレーが作動して接点が閉じると、エアサスコンプレッサーが作動する。
エアサスコンプレッサーの作動電流は約15A~20Aで、平均すると約18A(管理人の愛車にて測定)。

このヒュージブルリンクが切れると、
  • エアサスコンプレッサーが作動しなくなる(車高が上がらなくなる)
FL#4 RAD.FAN FL 25A ラジエーターファンモーターリレーの接点につながっている。
水温スイッチおよびECCSコントロールユニットからの制御で、ラジエーターファンモーターリレーが作動して接点が閉じ、ラジエーターファンモーターが作動する。

このヒュージブルリンクが切れると、
  • ラジエーターファンモーター(電動ファン)が作動しなくなる
FL#5 P.WINDOW
P.SEAT
FL 30A C/B1(サーキットブレーカ1)を通って下記につながっている C/B2(サーキットブレーカ2)を通って下記につながっている
  • パワーシートコントロールユニット(メモリー付運転席)の端子No.12
  • パワーシートコントロールユニット(運転席)の端子No.1
  • パワーシートコントロールユニット(助手席)の端子No.1
  • リアパワーシート(分割式・左)のリレー端子No.7と端子No.6
  • リアパワーシート(分割式・右)のリレー端子No.7と端子No.6
  • サンルーフリレーのスイッチ接点
このヒュージブルリンクが切れると、
  • パワーウィンドウが動かなくなる
  • パワーシートが動かなくなる
  • ドアロックが動かなくなる
  • カードエントリーシステム装備車は、ドアのロック/アンロックもできなくなる
  • サンルーフ装備車は、サンルーフが動かなくなる
パワーウィンドウとパワーシート、ドアロックがいっぺんに動かなくなった場合は、このヒュージブルリンクが切れた可能性が非常に高い。
FL#6 IGN.SW FL 30A キースイッチにつながっている。

キースイッチが「Acc」位置のときは、下記に電源が供給される。 キースイッチが「ON」位置のときは、下記に電源が供給される。 キースイッチが「START」位置のときは、下記に電源が供給される。 キースイッチがOFFのときは、このヒュージブルリンクからは電源はどこにも供給されない。

このヒュージブルリンクが切れると、
  • キーを回してもまったく変化がない(完全に無反応)
  • ACC電源系統が全滅する
  • IG電源系統が全滅する
  • キースイッチを「ON」にしてもバルブチェック機能が作動せず、警告灯類は点灯しない
  • スターターモーターが作動しなくなる(エンジンがかからなくなる)
FL#8 GLOW PLUG FL 100A Y31セドリック/グロリア(RD28エンジン)のグローリレー1と2の接点につながっている。

平型ヒューズ

平型ヒューズの電流の流れる方向は、車両前方から向かって左から右です。つまり左側が電源で、右側は負荷です。
市販の電源取り出しコードを取り付ける場合は、取り出すコード側を左にします。
ヒューズを差したままテスターの電圧計でヒューズ切れをチェックする場合は、右側で検電します。

※名称が2段になっているのは、仕様によって用途が異なるためです。

ヒューズNo. 名称 アンペア(表記) 電源 内容
#31 H.LAMP RH 15A BAT電源 ヘッドランプ右側用の電源。

下記につながっている このヒューズが切れると、
  • ヘッドライト右側が点かなくなる
  • コンビネーションメーターのハイビームパイロットランプが点かなくなる
  • コーナリングランプ(左右)が点かなくなる
  • コーナリングランプリレーが作動しなくなる
#32 H.LAMP LH 15A BAT電源 ヘッドランプ左側用の電源。

下記につながっている このヒューズが切れると、
  • ヘッドライト左側が点かなくなる
#33 TRUNK OPENER 20A BAT電源 下記につながっている
  • トランク・フューエルリッドオープナーリレーのコイルのプラス側と接点
  • フューエルリッドオープナースイッチ
サービス周報には「ドアロックアクチュエーター」も書いてあるが未確認。
#34 A.SUSP. 10A BAT電源 下記につながっている
  • 各輪のエアサス供給バルブ(端子No.1)
  • エアサス排出バルブのプラス側(端子No.1)
  • チェックコネクタ(4P)(前期のみ?)
供給バルブは全輪の各サブタンクに取り付けられている。
#35 A.SUSP. 15A BAT電源 エアサスカットバルブリレーの接点につながっている。
リレーの2つの接点を直列に通って全輪の各サブタンクに取り付けられているカットバルブのプラス側につながっている。
エアサスコントロールユニットからの制御でエアサスカットバルブリレーが作動して接点が閉じ、4つのカットバルブが作動する。

このヒューズが切れると、
  • エアサスカットバルブが作動しなくなる。これにより、エアサスのバネ定数がハードに固定される。→エアサスのハード固定参照
TAXI (ILL) 5A
#36 電話 15A BAT電源 ハンドフリー自動車電話装着車は無線機につながっている。

このヒューズが切れると、
TAXI (B) 5A
#37 電話 10A IG電源 ハンドフリー自動車電話装着車は無線機につながっている。

このヒューズが切れると、 車室内のヒューズ#25(ターンシグナル)が切れると、ここのヒューズに電源が来なくなる。
TAXI (IG) 10A
#38 電話 3A ACC電源 このヒューズが切れると 、 車室内のヒューズ#7(ピュアトロン・リアエアコン)が切れると、ここのヒューズに電源が来なくなる。
TAXI (ACC) 5A
#39 F.PUMP 10A BAT電源 フューエルポンプリレーの接点につながっている。
接点の先は、フューエルポンプのプラス側につながっている。
Y31シーマのVG30DET(ターボエンジン)搭載車は、さらにフューエルポンプコントロールモジュレータ(FPCM)の端子No.5にもつながっている。

ECCSコントロールユニットからの制御でフューエルポンプリレーが作動して接点が閉じ、フューエルポンプが作動する。

実測で4.0A(これはバッテリー電圧に影響される。エンジンを始動していないときは3.8A)。
フューエルポンプコントロールモジュレータ(FPCM)によってポンプが高回転になっているときは約6~7A(VG30DET)。

このヒューズが切れると、フューエルポンプが止まり、数秒~数十秒後にエンストする。 しかし、フューエルポンプが完全に停止していても、ホース内に残っている燃料の熱膨張&気化ガスによって再びエンジンが始動できる場合がある。実験ではヒューズを抜いてから5分くらいの間隔を置いて10回ほどエンジン始動できた。すぐにエンストしたのは3回ほどで、あとは数秒から30秒くらい持続したこともあった。これならフューエルポンプの故障で立ち往生しても少しの距離なら自走ができそうだ。
F.PUMP(CIMA) 15A
RR AIR CON 15A

Y31セドリック/グロリアのリアエアコンのリアブロアファンモーターのプラス側につながっている。

#40 GLOW PLUG 10A BAT電源

Y31セドリック/グロリア(RD28エンジン)のエンジンコントロールユニット(端子No.22)につながっている。

バッテリーからエンジンルーム内のヒューズFL#8→グローリレー1の接点→このヒューズを通ってエンジンコントロールユニットに電源が供給される。このタイミングはグロープラグに電源が供給されるのと同じである。

CRT 15A マルチAVシステムのAVカットリレーの接点につながっている。
AVコントロールユニットからの制御でAVカットリレーが作動して接点が閉じ、マルチ関係の各ユニットにACC電源が供給される。

AVカットリレーは下記の各ユニットにつながっている このヒューズが切れると、
  • AVカットリレーにつながっているすべてのユニットが作動しなくなる。
AVカットリレーの電源は車室内のヒューズ#27(ミラー)を通って来るため 、そのヒューズが切れても同じ症状になる。
バッテリー電圧の低下でマルチAVシステムが自動的にACC電源を切ったときも(AVカット機能)、このヒューズが切れたときと同じ状態になる。
AV仕様ではない車種およびマルチAVシステムを完全撤去した場合は、このヒューズを抜いても影響はない。
当サイトではAVカットリレーから供給されるACC電源のことをECON-ACCと呼んでいる。