公開日:2004年10月24日
最終更新日:2017年12月11日

エアサスの保守点検改造等に

エアサス コントロール ユニット

Airsus Control Unit

カテゴリー : コネクタ表

E-FPAY31シーマ、E-PAY31セドリック・グロリア
(電子制御エアサスペンション装着車)に適用

エアサスコントロールユニットは、助手席足元左側の奥、ECCSコントロールユニットの後にあります。

エアサスコントロールユニットの取付位置

車種による互換性

Y31シーマ後期とそれ以外(Y31シーマ前期、Y31セドリック/グロリア前期・後期)とでは、エアサスコントロールユニットの互換性はありません。
これはエアサスコントロールユニットにパワーステアリングの操舵力制御回路が組み込まれていて、なおかつパワーステアリングの操舵力制御方式が異なるからです。

ちなみにY31シーマ前期用のエアサスコントロールユニットをY31シーマ後期に取り付けると、ステアリングが重くなる症状が現れます。
後期用を前期に取り付けても同じ症状が現れます。

サスペンションによる互換性

エアサスからバネサスに構造変更するなどしてエアサスコントロールユニットを取り外す場合には、代わりにEPSコントロールユニット(パワステコントロールユニット)を取り付ける必要があります。
そうしなければ車速による最適な操舵力が得られなくなります。

周辺回路図

この回路図はY31シーマの前期・後期、Y31セドリック・グロリアの前期・後期に共通です。

エアサスコントロールユニットの配線図
(注)A/S:エアサス

コネクタ表

20Pコネクタ

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

(コネクタ色:黒)
(このコネクタはデジパネの20Pコネクタと形状が同じ)

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
1 BAT電源 12V キーに関係なく常に12V。
車室内のヒューズ#22(電子部品.B)につながっている。
エンジンを切って停車中でもBAT電源を少し消費しているが、ユニットが発熱するほどではない。機能停止していても暗電流はなくならない。
2 IG電源 12V/0V キースイッチを「ON」にしたときに12V。
車室内のヒューズ#14(電子部品.IG)につながっている。
3 スピードメーター出力車速信号入力 - 約1V以下←→5Vまたは2.5~3V コンビネーションメーターで生成される2パルスの車速信号の入力。
4 ストップランプスイッチ信号入力 - 12V/0V ブレーキペダルを踏んだとき12V。
踏んでいないとき0V。
5 ドアスイッチ信号入力 - 12V/0V すべてのドアが閉まっているとき0V。
それ以外のとき12V。
6 ステアリングセンサー(5)入力 1.7V/
約0V←→5V
ステアリングの回転検出信号

ステアリングセンサーの端子No.5につながっている。

キーがなし、またはキースイッチが「OFF」、 「Acc」のときは1.7V。
時間が経過 すると0Vになることもある。

キー「ON」のとき(エンジンをかけてもかけなくても)ステアリングを回転させると0V←→5V変化する。
ステアリングを回転を止めている時は0Vの時もあれば5Vの時もある。

端子No.16との違いは端子No.6が5Vのときは端子No.16は0Vとなる(右回転と左回転で電圧の変化するタイミングが異なる)。
7 ステアリングセンサー(3)入力 1.7V/
約0V←→5V
ステアリングのセンター検出信号

ステアリングセンサーの端子No.3につながっている。

キーがなし、またはキースイッチが「OFF」、 「Acc」のときは1.7V。
時間が経過すると0Vになることもある。

キー「ON」のとき(エンジンをかけてもかけなくても)ステアリングの回転位置が中立位置で5V。
ステアリングを約5~10°以上回転させる と0V。

これはあくまでもステアリングの中立位置(センター)を検出するための信号で、ステアリングをちょうど1回転させた場合でも中立位置となる点に注意されたい。
つまりこれはタイヤの操舵角ではないということである。
8 SPORTYインジケータ出力 ?V/0V エアサススイッチの端子No.3につながっている。
エアサススイッチの内部では、SPORTYインジケータのマイナス側につながっている。
SPORTYインジケータ点灯中 は0V。
エアサススイッチのどのボタンが選択されているかは、このインジケータ出力で検出できる。
例えば、端子No.8が0Vのときは、「SPORTY」が選択されていることを示している。
9 NORMALインジケータ出力 ?V/0V エアサススイッチの端子No.4につながっている。
エアサススイッチの内部では、NORMALインジケータのマイナス側につながっている。
NORMALインジケータ点灯中 は0V。
10 HIGHインジケータ出力 ?V/0V エアサススイッチの端子No.2につながっている。
エアサススイッチの内部では、HIGHインジケータのマイナス側につながっている。
HIGHインジケータ点灯中 は0V。
11 アース 常に0V アース
12 パーキングブレーキスイッチ入力 12V/0V ブレーキをかけたとき0V。
戻したとき12V。
13 インヒビタースイッチ信号入力 約8V/0V N&Pリレー(ニュートラル&パーキングリレー)につながっている。
A/TセレクトレバーがN,Pの位置 で0V。
それ以外は約8V。
14 スロットルバルブスイッチ入力 - 約8~10V/0V アクセルペダルを踏んだとき0V。
踏んでいないとき約8~10V。
A/Tコントロールユニット経由で(?)スロットルバルブスイッチにつながっている。
15 4Pチェックコネクタ
16 ステアリングセンサー(4)入力 1.7V/
約0V←→5V
ステアリングセンサーの端子No.4につながっている。

ステアリングの回転検出信号

キーがなし、またはキースイッチが「OFF」、「Acc」のときは1.7V。
時間が経過すると0Vになることもある。

キー「ON」のとき(エンジンをかけてもかけなくても)ステアリングを回転させると0V←→5V変化する。
ステアリングを回転を止めている時は0Vの時もあれば5Vの時もある。

端子No.6との違いは端子No.16が5Vのときは端子No.6は0Vとなる(右回転と左回転で電圧の変化するタイミングが異なる)。
17 車高インジケータ出力 オープン/0V 車高インジケータにつながっている。
車高インジケータ点灯中は0V。

この端子をアースすると点灯する。このことを利用するとエアサスのエア供給インジケータエアサスのエア排出インジケータが作れる。
18 SPORTYスイッチ入力 約5V/0V エアサススイッチの端子No.9につながっている。
エアサススイッチの「SPORTY」ボタンを押している時に0V(アース)となる。指を離すと約5Vとなる。
スイッチ入力信号は、ボタンを押している間だけ0Vとなるため、エアサススイッチのどのボタンが選択されているかは、これらの端子からは検出できない。
19 NORMALスイッチ入力 約5V/0V エアサススイッチの端子No.10につながっている。
エアサススイッチの「NORMAL」ボタンを押している時に0V(アース)となる。指を離すと約5Vとなる。
20 HIGHスイッチ入力 - 約5V/0V エアサススイッチの端子No.8につながっている。
エアサススイッチの「HIGH」ボタンを押している時に0V(アース)となる。指を離すと約5Vとなる。

ステアリングを社外のものに交換するとステアリングセンサーからの信号が途絶え、カーブでのロール制御や、カーブ走行中のエアサスコンプレッサー作動禁止制御が正しく行われなくなる可能性があります。

16Pコネクタ

21 22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 32 33 34 35 36

(コネクタ色:黒)

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
21 EPSソレノイドバルブ(パワステソレノイドバルブ) 常に0V EPSソレノイドバルブ(パワステソレノイドバルブ)につながっている。

電子制御エアサスペンション付車の場合、パワーステアリングの制御機能がこのコントロールユニット内に組み込まれているため、こんなところにつながっている。

常に0V。ユニット内部で端子No.25のアースとつながっている。
22 車高センサー(共通:センサー端子No.1) 約5V 3つの車高センサー(前左、前右、後)の共通端子。
それぞれのセンサーの端子No.1につながっている。
愛車は約4.5V。
23 車高センサー(前右:センサー端子No.2) 約2.0V~2.8V 前右の車高センサーの端子No.2につながっている。
前右の車高の検知出力。 車高が高いと電圧は高い。
車高が低いと電圧は低い。

故意に電圧を上げるとフロント右の車高が下がり、電圧を下げると車高が上がる。
24 車高センサー(後:センサー端子No.2) 約1.9V~2.5V 後の車高センサーの端子No.2につながっている。
後の車高の検知出力。 車高が高いと電圧は高い。
車高が低いと電圧は低い。

故意に電圧を上げるとリアの車高が下がり、電圧を下げると車高が上がる。

キーを差し込まなくても常に電圧が出ている。ただし、エアサスの機能を停止しているときはキースイッチが「ON」以上のときのみ電圧が出る。
25 アース - 常に0V ボデーアース
26 カットバルブリレー制御出力 12V/0V カットバルブリレーのマイナス側につながっている。
カットバルブリレーを作動させるとき(つまりバネ定数をソフトにするとき)に0Vとなる。
ただしアースと同電位ではないようである(この0Vを使って新設のリレーを制御しようとしたがうまく作動しなかった)。

ここのコードをカットすると常にバネ定数がハードになる。

アース間の抵抗は、ソフト時0Ω、ハード時7kΩ(コードをカットして測定した場合)。
アース間の電圧は常に0V(コードをカットして測定した場合)
コードをカットしてカットバルブリレー側の電圧はキー「ON」時に12V(IG電源からカットバルブリレーのコイルを通って流れている)。
27 フロントサブタンク供給バルブ(右)端子No.2 12V/0V フロント右にあるサブタンクの供給バルブの端子No.2につながっている。
供給バルブ作動中 は0V。
28 リアサブタンク供給バルブ(右)端子No.2 12V/0V リア右にあるサブタンクの供給バルブの端子No.2につながっている。
供給バルブ作動中は0V。
29 パワステソレノイドバルブ(+) 停車時で約5V/0V EPSソレノイドバルブ(パワステソレノイドバルブ)につながっている。

電子制御エアサスペンション付車の場合、パワーステアリングの制御機能がこのコントロールユニット内に組み込まれているため、こんなところにつながっている。

キースイッチが「Acc」以下 で0V。
キースイッチが「ON」で5V。
エンジン回転中、ステアリングを回転させても5V。

※Y31シーマ後期型とそれ以外(Y31シーマ前期、Y31セドリック/グロリア前期後期)とではパワーステアリングの操舵力制御方式が異なるため互換性がない。

電圧は車速によって変化する。その変化の仕方は下表のように車種によって異なる。
Y31シーマ(前期)
Y31セドリック/グロリア(前期・後期)(車速感応型のみ)
Y31シーマ(後期)
ソレノイドバルブ単体抵抗 8~15Ω 4~6Ω
0km/h時 1~1.8V 4.4~6.6V
100km/h時 3~3.8V 1.5~2.2V
フェイルセーフ時 2.1~2.7V
30 車高センサー(共通:センサー端子No.3) 黄緑 0V 3つの車高センサー(前左、前右、後)の共通端子。
それぞれのセンサーの端子No.3につながっている。
31 車高センサー(前左:センサー端子No.2) 約2.0V~2.9V 前左の車高センサーの端子No.2につながっている。
前左の車高の検知出力。車高が高いと電圧は高い。
車高が低いと電圧は低い。

故意に電圧を上げるとフロント左の車高が下がり、電圧を下げると車高が上がる。
32 ECCSコントロールユニット エンジン回転信号。
33 エアサスコンプレッサー制御出力 オープン/0V 圧力スイッチ(端子No.2)につながっていて、さらにその先はコンプレッサーリレーにつながっている。
通常、圧力スイッチはONになっていて、この制御出力が0Vのときにコンプレッサーリレーが作動する。
34 排出バルブ(端子No.2) 約12V/0V 排出バルブの端子No.2(マイナス側)につながっている。
通常は約12V。
エア排出中(車高を下げているとき)は0V。
35 フロントサブタンク供給バルブ(左)端子No.2 12V/0V フロント左にあるサブタンクの供給バルブの端子No.2につながっている。
供給バルブ作動中は0V。
36 リアサブタンク供給バルブ(左)端子No.2 12V/0V リア左にあるサブタンクの供給バルブの端子No.2につながっている。
供給バルブ作動中は0V。

車高センサーの電圧を変化させると車高が変化しますが、車高センサーは単なる車高調節のための部品ではなく、路面の状態を把握するためのセンサーでもあります。むやみに車高を変えると乗り心地が変わってしまいます。

12Pコネクタ

37 38 39 40 41 42
43 44 45 46 47 48

(コネクタ色:黒)

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
37 フロントストラット(右、端子No.3) - 約5V/0V 前右のショックアブソーバーの端子No.3(減衰力センサーの”S-M”端子)につながっている。
38 フロントストラット(右、端子No.4) 約5V/0V 前右のショックアブソーバーの端子No.4(減衰力センサーの”H-M”端子)につながっている。
39 リアショックアブソーバー(右、端子No.3) 約5V/0V 後右のショックアブソーバーの端子No.3(減衰力センサーの”S-M”端子)につながっている。
40 リアショックアブソーバー(右、端子No.4) 約5V/0V 後右のショックアブソーバーの端子No.4(減衰力センサーの”H-M”端子)につながっている。
41 フロントストラット(右、端子No.1) 約12V/オープン 前右のショックアブソーバーの端子No.1(モーターのプラス端子)につながっている。
42 リアショックアブソーバー(右、端子No.1) 約12V/オープン 後右のショックアブソーバーの端子No.1(モーターのプラス端子)につながっている。
43 フロントストラット(左、端子No.3) - 約5V/0V 前左のショックアブソーバーの端子No.3(減衰力センサーの”S-M”端子)につながっている。
44 フロントストラット(左、端子No.4) 約5V/0V 前左のショックアブソーバーの端子No.4(減衰力センサーの”H-M”端子)につながっている。
45 リアショックアブソーバー(左、端子No.3) 約5V/0V 後左のショックアブソーバーの端子No.3(減衰力センサーの”S-M”端子)につながっている。
46 リアショックアブソーバー(左、端子No.4) - 約5V/0V 後左のショックアブソーバーの端子No.4(減衰力センサーの”H-M”端子)につながっている。
47 フロントストラット(左、端子No.1) 約12V/オープン 前左のショックアブソーバーの端子No.1(モーターのプラス端子)につながっている。
48 リアショックアブソーバー(左、端子No.1) 約12V/オープン 後左のショックアブソーバーの端子No.1(モーターのプラス端子)につながっている。

ショックアブソーバーの減衰力センサーの電圧は約5Vですが、改造等でリレーをつなげると電圧降下が激しいため (約1Vまで降下する)、リレーが作動しないばかりか、減衰力の制御が正しく行われなくなりますので注意してください。

ご注意ください

  • 使用中はユニットが発熱します。周囲に吸音材などを詰めると高温になり、ユニット故障の原因となることがあります。

  • ユニットを交換すると車高が変わることがあります。