車速に応じた操舵力を確保する
EPSコントロール ユニット
EPS Control Unit (パワステ コントロール ユニット)
Power Steering Control Unit (コネクタ表)
Y31シーマ、Y31セドリック・グロリアに適用 (ただし電子制御エアサスサスペンション付車を除く)
注:電子制御エアサスペンション付車は、ステアリングの制御機能がエアサスコントロールユニット内に組み込まれているので、当コントロールユニットは存在しません。
ただし、構造変更する場合には当コントロールユニットが必要になります。
概要
EPSとは、電子制御パワーステアリングの略です(たぶん)。
取付位置は、ダッシュサイド左のECCSコントロールユニットの後ろです。
車速センサーからの信号によりパワーステアリングのソレノイドバルブを作動させ、オイル供給量を制御します。
これにより、車速に応じた適切な操舵力を確保します。
Y31シーマは、前期と後期でパワーステアリングの制御機能が異なるため、コントロールユニットの呼び名が異なります。
Y31シーマ |
コントロールユニット名称 |
パワステシステム名称 |
後期 |
EPSコントロールユニット |
車速感応式電子制御パワーステアリングシステム |
前期 |
パワステコントロールユニット |
車速感応型電子制御オイルポンプ |
前期と後期の互換性はありません。
前期/後期の区別がないものについては、単に”コントロールユニット”と記します。
配線図
■Y31シーマ後期
■Y31シーマ前期
■Y31セドリック/グロリア前期/後期(車速感応型のみ)
※図中の"ブレーキSW"は"ストップランプスイッチ"の誤り(ブレーキSWはASCDオートクルーズ用)
正誤表参照 → サービス周報(セドグロ)
サービス周報(シーマ)
整備要領書
コネクタ表
■Y31シーマ後期
端子No. |
名称 |
コード |
電圧 |
内容 |
対応するエアサスコントロールユニットの端子No. |
色 |
帯 |
太さ |
1 |
IG電源 |
黄 |
青 |
|
12V/0V |
キースイッチを「ON」にしたときに12V。
車室内のヒューズ#14(電子部品.IG)を通って来る。 |
2 |
2 |
アース |
黒 |
- |
|
0V |
常に0V。 |
25 |
3 |
車速信号(2パルス) |
橙 |
- |
|
|
コンビネーションメーターで生成される2パルスの車速信号の入力。 |
3 |
4 |
ストップランプスイッチ |
茶 |
- |
|
12V/0V |
キースイッチに関係なくブレーキペダルを踏んでいるとき12V。
車室内のヒューズ#3(ストップランプ)を通って来る。 |
4 |
5 |
N・Pリレー |
薄緑 |
黒 |
|
OPEN/0V |
A/Tセレクトレバーを「P」か「N」にしたときに0V(アース)。
インヒビタースイッチを通ってくる。 |
13 |
6 |
パーキングブレーキスイッチ |
灰 |
青 |
|
約12V/0V |
パーキングブレーキをかけているとき0V(アース)。
それ以外は若干の電圧が出ている。
車室内のヒューズ#6(メーター)からパーキングブレーキランプを通って来る。 |
12 |
7 |
EPSソレノイドバルブ(+) |
緑 |
橙 |
|
端子間電圧
0km/h時: 約4.4V〜6.6V
100km/h時: 約1.5V〜2.2V
フェイルセーフ制御時:
約1.5V〜2.2V |
車速信号(端子No.3)に応じてEPSソレノイドバルブへの供給電力を変化させる(電流制御)。 車速が速いほど出力電流が少なくなり、操舵力は重くなる。 出力電流が0.45A〜0.35Aのときは、ソレノイドバルブはほぼ全開となり、1A〜1.2Aのときは全閉となる。
端子No.7は診断コネクタ(”PS”端子)につながっており、確認しやすくなっている。
端子No7〜端子No.8間の抵抗値は、4〜6Ωが正常値。
|
29 |
8 |
EPSソレノイドバルブ |
青 |
白 |
|
21 |
■Y31シーマ前期
■Y31セドリック/グロリア前期/後期(車速感応型のみ)
端子No. |
名称 |
コード |
電圧 |
内容 |
対応するエアサスコントロールユニットの端子No. |
色 |
帯 |
太さ |
1 |
IG電源 |
黄 |
青 |
|
12V/0V |
キースイッチを「ON」にしたときに12V。 車室内のヒューズ#14(電子部品.IG)を通って来る。 |
2 |
2 |
アース |
黒 |
- |
|
0V |
常に0V。 |
25 |
3 |
車速信号(2パルス) |
橙 |
- |
|
|
コンビネーションメーターで生成される2パルスの車速信号の入力。 |
3 |
4 |
ストップランプスイッチ |
茶 |
- |
|
12V/0V |
キースイッチに関係なくブレーキペダルを踏んでいるとき12V。 車室内のヒューズ#3(ストップランプ)を通って来る。 |
4 |
5 |
N・Pリレー |
薄緑 |
黒 |
|
OPEN/0V |
A/Tセレクトレバーを「P」か「N」にしたときに0V(アース)。 インヒビタースイッチを通ってくる。 |
13 |
6 |
パーキングブレーキスイッチ |
灰 |
青 |
|
約12VV/0V |
パーキングブレーキをかけているとき0V(アース)。
それ以外は若干の電圧が出ている。
車室内のヒューズ#6(メーター)からパーキングブレーキランプを通って来る。 |
12 |
7 |
パワステソレノイドバルブ(+) |
赤 |
- |
|
端子間電圧
0km/h時: 約1.0V〜1.8V
100km/h時: 約3.0V〜3.8V
フェイルセーフ制御時:
約2.1V〜2.7V |
車速信号(端子No.3)に応じてパワステソレノイドバルブへの供給電力を変化させる(電流制御)。 車速が速いほど出力電流が多くなり、操舵力は重くなる。
端子No.7はチェックコネクタの端子No.11(端子記号:j)につながっており、確認しやすくなっている。
端子No7〜端子No.8間の抵抗値は、8〜15Ωが正常値。
|
29 |
8 |
パワステソレノイドバルブ |
青 |
白 |
|
21 |
エアサスからバネサスへ変更するときは
パワステとサスペンションは関係ないと思われがちですが、電子制御エアサスペンション付車は、ステアリングの制御機能がエアサスコントロールユニット内に組み込まれていますので、バネサス(車高調など)に構造変更すると以下の不具合が生じます。
●ステアリングが重くなる。
●ステアリングが軽くなる。
車種によって症状が異なりますが、どちらにしても車速に応じた操舵力が得られなくなることに違いはありません。
この原因として、エアサスコントロールユニットを取り外してしまったか、または、取り外してはいないがフェイルセーフ機能が作動してしまっている可能性があります。
対処方法は、標準のバネサス車用のEPSコントロールユニット(パワステコントロールユニット)を取り付ければ難を逃れると思います(未確認)。
こうすればエアサスコントロールユニットは不要になります。
エアサスコントロールユニットにつながっていた配線をEPSコントロールユニット(パワステコントロールユニット)につなぎ替えるには、上記コネクタ表の「対応するエアサスコントロールユニットの端子No.」の項を参考にしてください。
関連ページ
基本資料 〜
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メンテナンス 〜 トーの調整
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