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公開日:2005年10月26日
最終更新日:2013年9月9日


ステアリングの回転を検出します

転舵角センサー
Steering Sensor
(コネクタ表)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアの
非回転式ステアリングホイールスイッチ装着車に適用

(注)転舵角センサーは電子制御エアサスペンションで使われます。
ホーンやASCD(オートクルーズ)の配線が通っています。


ステアリングホイールの裏側にくっついている

転舵角センサーは、ステアリングセンサーとも呼ばれます。

転舵角センサーは、ステアリングホイールの中立位置(ニュートラル位置)、転舵角を検出します。中立位置とは、ステアリングホイールがちょうどセンターになっている時の位置です。転舵角とは、ステアリングホイールが左右に回転しているかどうかです。

転舵角センサーの取付位置は、ステアリングコラム(ステアリングホイール裏側)です。


転舵角センサーとコネクタ



転舵角センサーは黒い丸いスリット板とセット
(ステアリングホイールの裏側)


周辺配線図


Y31シーマの非回転ステアリングホイール付車(ハンドフリー自動車電話付き)の配線図
(Y31シーマ
タイプII-SやY31セドリック・グロリアは多少異なる)


構造と作動

センサー内には光を出すLED(発光ダイオード)と、光を受けて電気信号に変換するフォトトランジスターがあります。センサーは固定してあり、丸いスリット板が回転して受光したり、遮光したりしてフォトトランジスターがON、OFFします。






スリット板とセンサー部


センサー内には、LED(発光ダイオード)とフォトトランジスターを組み合わせたセンサーが3組入っています。

中立位置は1組のセンサーで検出し、転舵角は2組のセンサーで左旋回か右旋回かを検出します。


転舵角センサーの出力信号

出力信号のズレ方で左旋回か右旋回かが判別できます



転舵角センサーの回路図


なお、転舵角センサーの内部をステアリングホイールのスリップリングに接続された3本の線がそのまま通過しています。その3本は転舵角センサーの内部ではどこにも接続されていません。このように転舵角センサーは送信ユニットの電源線(ホーンスイッチ+)やASCDスイッチの信号線の通り道としても使用されています。


転舵角センサーの中身

3本のコードはホーンスイッチ(+)とASCDスイッチから来ているコード。
ブラックボックスの中を通過してコネクタの端子につながっているだけである。


センサーの使われ方

転舵角センサーは、電子制御エアサスペンションで使われます。
電子制御エアサスペンションでは、旋回またはスラローム時に発生するロールを抑えて車両姿勢の安定と操縦安定性を高めるため、このセンサーを使って急転舵ロールまたは定常ロールかどうかを見ています。
また、電子制御エアサスペンションでは、走行中にステアリングを切ると一時的にエアサスコンプレッサーを停止させているようです(愛車で確認)。

このため、ステアリングホイールを社外品に交換すると、必然的に転舵角センサーが使えなくなりますので、コーナリング時のロール制御やエアサスコンプレッサーの制御が正しく行われなくなったりするなど、不具合の起こる可能性があります。


センサーのチェック

電子制御エアサスペンションの自己診断機能でチェックできます。


コネクタ表


左側のコネクタ(オス)はステアリングコラムのコネクタ(メス)に差し込まれている。
右側の白いコネクタは、そのコネクタ(メス)の裏側に刺さっている。

2   5 7
1 3 4 6 8

 
端子
No.
名称 コード 電圧 内容
太さ
1 IG電源 12V/0V

キースイッチを「ON」にしたとき12V。

車室内のヒューズ#14(電子部品.IG)を通ってくる。

2 アース - 0V 常に0V
3 ステアリングセンサー3
(出力)
5V/0V

エアサスコントロールユニットの端子No.7につながっている。
ステアリングホイールが中立位置(ニュートラル位置)かどうかを検出して出力する。中立位置で5V。ステアリングを約5〜10°以上回転させると0V。

ステアリングホイールを360°転舵すると、中立位置になるため、1回だけ0V-5V変化する。

4 ステアリングセンサー2
(出力)
5V/0V

エアサスコントロールユニットの端子No.16につながっている。
ステアリングホイールが回転しているかどうかを検出して出力する。
ステアリングホイールを90°転舵したときに28回0V-5V変化する。
端子No.5とは、右回転と左回転で電圧の発生するタイミングが異なる。

5 ステアリングセンサー1
(出力)
ピンク 5V/0V

エアサスコントロールユニットの端子No.6につながっている。
ステアリングホイールが回転しているかどうかを検出して出力する。
ステアリングホイールを90°転舵したときに28回0V-5V変化する。
端子No.4とは、右回転と左回転で電圧の発生するタイミングが異なる。

6 ASCDスイッチ
(通過のみ)
RESスイッチ、CANCELスイッチを押したとき約12V

それ以外はOPEN

ASCD(オートクルーズ)のスイッチにつながっている。コード側はASCDコントロールユニットにつながっている。転舵角センサーのブラックボックスの中を通過してコネクタに出てきているだけ。

ASCDスイッチにはSET、RES、CANCELの三つのスイッチがあるが、それぞれのスイッチを押すことで対応する端子が約12Vになる。

ASCDスイッチ/端子 端子No.6 端子No.7
SET  
RES  
CANCEL

表の見方:
SETスイッチを押すと、端子No.7が約12Vになる。
RESスイッチを押すと、端子No.6が約12Vになる。
CANCELスイッチを押すと、端子No.6と端子No.7が約12Vになる。

※端子No.6と端子No.7は、端子No.8(ホーンスイッチ+)から電源を取っているため、アース間に約33Ω以下(約300mA以上)の負荷をつなげていると、SETスイッチやRESスイッチを押したときにホーンが鳴ってしまう(CANCELスイッチは鳴らない)。

7 SETスイッチ、CANCELスイッチを押したとき約12V

それ以外はOPEN
8 ホーンスイッチ(+)
(通過のみ)
- 約12V/0V

BAT電源からホーンリレーのコイルを通って来ているコード。
ステアリングホイールのホーンスイッチのプラス側につながっている。
転舵角センサーのブラックボックスの中を通過してコネクタに出てきているだけ。

ステアリングホイールスイッチ受信ユニットや電話番号インジケータ用変換回路(ハンドフリー自動車付車)の電源としても使われる(実際は定電圧電源回路で5Vに落としてから使用している)。
ホーンを鳴らしている間は電圧は0V。

このコードをアースするとホーンが鳴る。

ステアリングホイールを社外のものに交換した場合、新しいステアリングホイールのホーンコードをここにつなげるとホーンを鳴らせるようになる(こともある)。



ASCDスイッチのないクルマに


ステアリングを社外品に交換するとこのスイッチが利用できなくなるが・・

ステアリングを社外のものに交換すると、ASCDスイッチが無くなるのでオートクルーズが利用できなくなります。このようなときは、次のようにすると利用できるようになります。

基本的には、純正のASCDスイッチのように三つのプッシュONスイッチを用意し、回路図のように接続すれば、純正のように操作できます。この場合、転舵角センサーは必要ありません。必要なのはセンサーにつながっていたコネクタ(コード)です。


※整流器の向きが逆だったので訂正しました(2007年4月)


CANCELスイッチを省略して二つのプッシュONスイッチにするときは、下の図のように結線します。CANCELしたい場合は、SETスイッチとRESスイッチを同時に押します。


ASCDに関係のある端子に約12Vをつなげたり離したりすることで、オートクルーズが利用できます。ただし、クルーズコントロールスイッチ(メインスイッチ)を「ON」にしていることが前提です。以下に操作方法を示します。

■希望車速にセットしたいとき(セット) → 希望車速に到達したときにSETスイッチを押して離す(端子No.7に約12Vをつなげて離す)

■解除したいとき(キャンセル) → CANCELスイッチを押して離す(端子No.6と端子No.7に同時に約12Vをつなげて離す)。または、ブレーキ操作などでも解除できる

■解除後に再び希望車速に戻したいとき(リジューム機能) → RESスイッチを押して離す(端子No.6に約12Vをつなげて離す)

■設定車速を上げたいとき(アクセラレート機能・タップアップ機能) → RESスイッチを押して希望速度まで上がったら離す(端子No.6に約12Vをつなげて希望速度まで上がったら離す)

■設定車速を下げたいとき(タップダウン機能) → SETスイッチを押して希望速度まで下がったら離す(端子No.7に約12Vをつなげて希望速度まで下がったら離す)



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