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公開日:2006年1月30日

光で伝達しています

光通信システム
Optical Communication System
(基本資料)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用


ステアリングホイールスイッチは光通信を採用

※この画像はしいぼーさんのY31シーマ後期型です。
上段のスイッチはハンドフリー自動車電話用です

光通信システムとは

光通信システムとは、多重通信システムの一種であり、電圧のパルスではなく光のパルスを用いて、大気中を伝達するものです。

Y31型系車で採用されている光通信システムは、基本的に従来と同じですが、ラジオだけでなくハンドフリー自動車電話の操作にも採用しています。

Y31シーマ(タイプII-Sを除く)はエアコンの操作にも光通信システムを採用しています。

Y31型系車のマルチAVシステム装着車(タイプII-Sを除く)はテレビの操作にも光通信システムを採用しています。

回転式ステアリングホイールスイッチ付車であるY31シーマ タイプII-Sは、伝送路に光導リングを採用しています。

Y31シーマ タイプU-Sのステアリング
Y31シーマ タイプII-Sステアリング

※この画像はひろさんのY31シーマタイプII-S後期型です。
マルチAV仕様なので”TV”のスイッチがあります


なお、ASCD(オートクルーズ)の操作は光通信システムを用いず、スリップリングを介した直接接続です。


システム図

前期型のシステム図ですが、後期型でも変更はないと思います。
後期型からはマルチAVシステム用のステアリングホイールスイッチが新たに設けられました(システム図はありません)。

●Y31シーマ(前期型)

非回転式ステアリングホイール付車(ハンドフリー自動車電話付き)

光通信システム Y31シーマ(前期) 非回転式

●Y31シーマ(前期型)

回転式ステアリングホイール付車(
タイプII-S

光通信システム Y31シーマ(前期) 回転式


●Y31セドリック・グロリア(前期型)

非回転式ステアリングホイール付車(ハンドフリー自動車電話付き)

光通信システム Y31セドリック/グロリア(前期)


●F31レパード(前期型) (参考)

光通信システム F31レパード(前期)


●Y32シーマ(前期型)(参考)

光通信システム Y32シーマ(前期)

構成部品

●電話スイッチ(ハンドフリー自動車電話付車のみ)

15種類の操作を、9種類の信号を組み合わせて送信ユニットに送ります。また、電話番号インジケータ用にLED(発光ダイオード)を10個組み込み、送信ユニットからの信号によって、押した番号に対応するインジケータを順次点灯させています。

●送信ユニット(ラジオスイッチ組込)

ラジオスイッチの信号と電話スイッチから送られてきた信号を、電圧のパルス信号に変換し、さらに光信号に変換してヘッドアンプに送信します。

LED(発光ダイオード)は4個組み付け、どのLEDも同じように点滅し(同じ信号送り)、ステアリングホイールを回転させても、最低どれか1個はホイールのスポークに隠れずに送信できるようになっています。
送信ユニットと電話スイッチの電源には5V電源を使用しており、5V電源を作る定電圧電源回路は送信ユニット内に組み込まれています。

送信ユニット
白くて丸い4個が送信に使われるLED(発光ダイオード)

(注)定電圧電源回路に供給する電源(約12V)はホーンリレーのコイルのマイナス側から取っているため、ホーンスイッチを押している間は電源は供給されません。したがってホーンを鳴らしている最中はラジオ、電話、エアコン、ASCDの各スイッチは使えません。

ステアリング上で電源が必要な場合は、送信ユニットに供給される電源(約12V)や、定電圧電源回路から出力される電源(5V)が利用できます。例えば「ステアリングホイールスイッチの裏側から光をあてて夜間にスイッチの輪郭がわかるようにしたい」ときは、LEDの電源をここから得ます。ただし、消費電流は定電圧電源回路と併せて約200mA以内にしてください。約300mA以上流すとホーンが鳴ることがあります。



●スリップリング

スリップリングは送信ユニット内の定電圧電源回路への電源供給を行うとともに、ホーン回路の一部にもなっています。またステアリングホイールのスポーク部に組み付けられたASCDスイッチにも接続されており、信号を接触伝達します。

スリップリング

スリップリング
スリップリングは、回転部の表と裏の2カ所に取り付けられている

転舵角センサー

スリップリングに接続された3本の線は、転舵角センサーのケース内部をそのまま通過しています。転舵角センサーのケース内部ではどこにも接続されておらず、転舵角センサーは送信ユニットの電源線やASCDスイッチの信号線の通り道として使用されているだけです。

(注)転舵角センサー電子制御エアサスペンションで使われます。

転舵角センサー
丸いスリット板とセンサーでステアリングの回転を検出する

●ヘッドアンプ

フォトトランジスターで受信した光信号を電圧のパルス信号に変換して受信ユニットへ送ります。フォトトランジスターは送信ユニットのLEDに正対する場所に2個取り付けられ、最低どちらか1個のフォトトランジスターで受信できるようになっています。
ヘッドアンプはACC電源で作動します。
ヘッドアンプは、コンビネーションスイッチベースに取り付けられています。

ヘッドアンプ
ヘッドアンプ

受信ユニット

ステアリングホイールスイッチレシーバーともいいます。
ヘッドアンプから送られてきた信号を解析し、電子チューナーラジオや電話、エアコンを駆動させます。
受信ユニットは、ダッシュサイド左側に設置されています。

※ステアリングホイールスイッチで社外オーディオなどを駆動させるには、この受信ユニットにつなげます。

社外オーディオをコントロールする方法はこちら
(ステアリングホイールスイッチキット)

受信ユニットのコネクタ表はこちら

ステアリングホイールスイッチ受信ユニット
ステアリングホイールスイッチ受信ユニット(ステアリングスイッチレシーバー)

●光導リング

回転式ステアリングホイールスイッチ付車のみ存在します。
スリップリングASSYに組み込まれた非接触で信号伝達するための機能部品です。


メンテナンスの参考に

ボタンを押すとオートアンプから「ピッ!」と音が鳴ります。なお、複数ボタンの同時押しは受け付けません。

 

ステアリングホイールスイッチ基板の配線パターン

 

ピン1

ピン2 ピン3 ピン4 ピン5 ピン6 ピン7

電源

音量▲

音量▼

TV

FM・AM・短波

選局

温度▲

温度▼

内気循環

※例:電源ボタンを押すとピン1とピン7が通電する

 
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