押したらここに送られます
ステアリング ホイール スイッチ受信ユニット
Steering Wheel Switch Receive Unit (コネクタ表)
Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用
ステアリングホイールスイッチ受信ユニット(STRG SW RECEIVER)
概要
ステアリングホイールスイッチレシーバーともいいます。略称は受信ユニット、レシーバーです。
この受信ユニットは、光通信システムの構成部品の一つで、ステアリングホイールスイッチの送信ユニットからヘッドアンプを通って来た信号を受けて解析し、オーディオや電話、エアコンを駆動させます。
オーディオやエアコンの電源ON/OFFに関わらず、押されたスイッチに対応する端子がアースとつながります。
ACC電源で作動します。このため、キースイッチが「Acc」か「ON」の位置でないと作動できません。また送信ユニット側がホーン回路を通っ
たBAT電源で作動するため、ホーンを鳴らしている最中は信号の送受信はできません。
この受信ユニットは、ダッシュサイド左側に設置されています。ECCSコントロールユニットの後ろ側、エアサスコントロールユニットの左側です。
非回転式用と回転式用の受信ユニットは、入力信号に互換性がありません(未確認)。
受信ユニットの内部
システム図
入力された信号は変換回路で解析して振り分けられます。
タイプII-S以外(前期)のシステム図
コネクタ表
Y31シーマ タイプII-S以外(前期/後期)、Y31セドリック/グロリア(前期/後期)
1 |
3 |
5 |
7 |
9 |
11 |
13 |
15 |
2 |
4 |
6 |
8 |
10 |
12 |
14 |
|
(注)端子No.13〜15はエアコンスイッチ付車のみ
Y31シーマ
タイプII-S(前期/後期)
(注)端子No.10はマルチAVシステム付車(後期)のみ
端子No. |
名称 |
コード |
電圧 |
内容 |
色 |
帯 |
太さ |
1 |
電源 |
水 |
黒 |
中 |
12V/0V |
電源入力。キースイッチを「Acc」にすると12V。 |
2 |
アース |
黒 |
白/灰1 |
中 |
0V |
常に0V。 |
3 |
信号 |
赤 |
黒 |
中 |
5.5V/4.2V/0V |
信号入力。
光通信システムのヘッドアンプから信号が送られてくる。
キースイッチを「Acc」にすると5.5V。
いずれかのスイッチを押下すると4.2V。 |
4 |
同期信号 |
茶 |
- |
中 |
4.8V/0V |
オプションのハンドフリー自動車電話用出力。
(タイプII-S以外のみ)
ハンドフリー自動車電話を装着していない車両でもハーネスは存在する。
ハーネスは車両右側のテレホンハーネスコネクタまでつながっているが、そのコネクタには何もつながっていない。 |
キースイッチを「Acc」にすると4.8V。
いずれかのスイッチを押下しても変化なし。 アース間の抵抗は680Ω。 |
5 |
データ |
青 |
- |
中 |
(0V) |
愛車ではハンドフリー自動車電話未装着のため測定不可。 アース間の抵抗は150Ω。どのスイッチを押しても0Ωになる。 |
6 |
割込信号 |
黄 |
- |
中 |
(0V) |
7 |
電源 |
赤 |
- |
中 |
(0V)
(抵抗の変化のみで電圧は発生していない) |
純正オーディオ用出力。
愛車ではマルチAVシステム取り外しのため作動せず。
それぞれのスイッチを押すと対応する端子がアースにつながる。 |
オーディオの電源ON/OFF
アース間の抵抗は150Ω。「電源」スイッチを押すと0Ω。
愛車ではここにサンキューハザードをつなげている。 |
8 |
AM/FM (マルチAVシステム付車は短波も) |
黄 |
赤 |
中 |
AM/FMの切り換え
アース間の抵抗は150Ω。「FM/AM/短波」スイッチを押すと0Ω。 |
9 |
選局 |
緑 |
黒 |
中 |
オートチューニング
アース間の抵抗は185Ω。「選局」スイッチを押すと0Ω。 |
10 |
TV (マルチAVシステム付車のみ) |
ピンク |
黒 |
中 |
アース間の抵抗は150Ω。「TV」スイッチを押すと0Ω。 |
11 |
音量▲ |
青 |
黄 |
中 |
音量アップ
アース間の抵抗は150Ω。「音量▲」スイッチを押すと0Ω。 |
12 |
音量▼ |
茶 |
白 |
中 |
音量ダウン
アース間の抵抗は150Ω。「音量▼」スイッチを押すと0Ω。 |
13 |
REC |
ピンク |
- |
中 |
4.5V/0V |
エアコン用出力。
それぞれのスイッチを押すと対応する端子がアースにつながる。 |
REC/AUTOの切り換え
キースイッチを「ON」にすると4.5V。
外気導入ボタンを押している間0V。 アース間の抵抗は150Ω。「外気導入」スイッチを押すと0Ω。 |
14 |
温度▲ |
橙 |
青 |
中 |
4.5V/0V |
吹出風温度アップ
キースイッチを「ON」にすると4.5V。 アース間の抵抗は150Ω。「温度▲」スイッチを押すと0Ω。 |
15 |
温度▼ |
青 |
赤 |
中 |
4.5V/0V |
吹出風温度ダウン
キースイッチを「ON」にすると4.5V。 アース間の抵抗は150Ω。「温度▲」スイッチを押すと0Ω。 |
他の用途に利用するには・・
純正オーディオを社外のものに交換すると、ステアリングホイールスイッチ(オーディオ系のスイッチ)はタダの飾りになってしまいます。使えなくなったスイッチを他の電装品で利用してみましょう。
ここで少し復習しますが、ステアリングホイールスイッチ(ボタン)の数はいくつあっても光通信システムの送信ユニットで1本の信号線にまとめられてしまいます。この信号は光通信でヘッドアンプへ送られ、そして受信ユニットに有線で届きます。 この信号を解読するのは困難極まりないので、解析は受信ユニットに任せましょう。受信ユニットでは変換回路によって押したスイッチに対応する端子に出力されます。このため受信ユニットの出力だけを見れば「どのスイッチが押されたか」は明白にわかります。
例えば「電源」スイッチを押すと、端子No.7がアースとつながります。リレーのマイナス側を端子No.7につなげておくと、「電源」スイッチを押したときにリレーを作動できます。
また、アースにつなげると作動するような電装品があれば、スイッチを押したときに作動できます。例えばトランクオープナースイッチコネクタの紫コードとつなげておくと、「電源」スイッチを押したときにトランクが開きます。
接続例
接続例の整流器は、リレーのコイルに発生する逆起電力を吸収するためのダイオードです。なくてもリレーは作動しますが、受信ユニットの出力回路の保護用に入れておきます。整流器はシリコンダイオード1S1588などの小信号用でOKです。
このように、「あるスイッチを押したときに何かをさせたい」というときは、この受信ユニットに電装品をつなげることで簡単に実現できます。
ただし、出力端子につなげる負荷は小容量のものに限ります。出力中は端子に電流が流入することになりますので、あまり大きな電流では受信ユニットが壊れます。リレーをつなげる場合は小型の物に限ります。
実例
愛車では「電源」スイッチ(端子No.7)は、ミラーサポートシステムのサンキューハザード出力につなげています。「電源」スイッチを1回押すと2回ハザード点滅します。2回連続して押すと5分間ハザードが作動します。この作動中にもう1回押すと停止します。リバース連動ハザード機能の解除遅延中に1回押すと強制解除します。これらの機能はすべてミラーサポートシステムが行っていることで、受信ユニットが行っているのは、「端子No.7(電源スイッチに対応している端子)をアースにつなげる」ということだけです。
この他には、極めつけのステアリングホイールスイッチキットを自作し、社外オーディオ(メインユニット&地上デジタルTVチューナー)や社外ナビをリモート操作できるようにシステムアップしています。まるで純正オーディオのようにステアリング上から操作できるので、この上なく安全で快適です。
ステアリングホイールスイッチキットの詳細はこちら
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