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公開日:2006年2月28日
最終更新日:2010年8月11日

社外品を手元でコントロール

ステアリング ホイール スイッチ キット
Steering Wheel Switch Kit
(追加装備)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用

ステアリングホイールスイッチキット
純正ステアリング上のスイッチから社外オーディオを操作できるキットを自作



目次概要キットの仕様費用システム図基本回路部品表愛車での仕様キット製作のノウハウ(考え方と進め方)最後に




概要

2005年9月、走行距離18万6千キロの頃、純正ステアリングに付いているスイッチで、社外オーディオをコントロールすることに成功しました。

管理人のマルチAVシステムはほとんど故障したため、すべて撤去。使い道がなくなっていたステアリング上のスイッチを、社外オーディオのために有効活用すべく、キットを自作しました。

ふつう純正オーディオを社外のものに交換すると、ステアリング上のスイッチは使えなくなってしまいます。しかし、自作キットを組み込むことで、社外オーディオを、まるで純正オーディオのように操作できるようになります。

以下に、純正→社外オーディオ交換後もステアリング上のスイッチが使えることの利点を示します。

●実例がないので珍しがられる。なんと言っても注目度抜群!(?)
●ただの飾りと化していたステアリング上のスイッチが使える→装備の充実
ステアリングから手を離さずに操作できる→安全・快適
●社外オーディオのリモコンは隠せる→車内整理

※当キットは、ステアリングホイールスイッチ受信ユニットの活用例にすぎません。がしかし、社外オーディオをまた別の社外オーディオに交換しても、即対応可能な汎用性に富んだ柔軟なキットですので、十分活用できること間違いありません。このページをご覧の皆さんも、これらを参考にして、アメニティー(快適さ)を”SHIFT”してみてはいかがでしょうか。

※2010年5月、当該キットを愛車から取り外しました。


キットの仕様

●純正ステアリングホイールスイッチで社外オーディオをコントロールする。
●複数の社外オーディオもコントロール可能。
●社外オーディオのメーカー・ブランドに依存しない→汎用性に富む。
●社外オーディオの種類(デッキ、プレーヤー、ナビ、チューナー、アンプなど)を問わない。
●社外オーディオを別のものに交換しても即対応できる→柔軟性を持つ。
●最低限、リモコン対応の社外オーディオであること。


費用


約4,000円〜9,000円

学習リモコンを使うので、その値段によって大きく変わります。管理人は、家にあった学習リモコンを使ったので、実費はリレーとケース代などで1,000円前後でした。


システム図

ステアリングホイールスイッチキット システム図


ステアリングホイールスイッチキット システム図
信号は、ステアリングホイールスイッチ受信ユニットと自作キットを経由して送られる


基本回路

ステアリングホイールスイッチキット 基本回路

この回路図はスイッチ1つ分です。実際は割り当てるスイッチの数だけリレーが必要です。
ダイオードは、リレーのコイルから受信ユニットへのキックバック防止用です。受信ユニットの内部回路がどのようになっているかわかりませんが、一応保護目的で付けると安心できます(管理人は現在未接続です)。
 

部品表

構成部品 説明
学習リモコン
学習リモコン
1

学習リモコンとは、別のリモコンの信号が記憶できる機能を持ったリモコンのこと。これに社外オーディオのリモコン信号を記憶させる。
この学習リモコンで社外オーディオをコントロールするため、社外オーディオから見えるところに置かなければならない。
3,000円〜5,000円。もっと高いのもあるが安いもので十分。

管理人はSONY カードリモートコマンダー RM-KP50U 標準価格:7,700円(1993年購入)を使用。電源は太陽電池。

リレー
リレー
5

ステアリングホイールスイッチ受信ユニットと学習リモコンをつなぐための継電器。割り当てるステアリングスイッチの数だけリレーが必要。DC12V用。小さいもので十分。
1コ250円くらい。

管理人はNAiS HY1Z-12Vを使用。

基板 1

リレーとコードを集中させる基板。
1枚150円くらい。

管理人はユニバーサル基板を使用。

ケース 1

基板を収納するケース。
1コ150円くらい。

管理人は未使用。

ダイオード
ダイオード
5

リレーのコイルに発生する逆起電力からステアリングホイールスイッチ受信ユニットの出力段を保護するための整流器。なくてもよいが、あった方が無難。小信号用ものでよい。
1本10円くらい。

管理人は未使用。


愛車での仕様

管理人は、以下のとおり、現在のオーディオシステムに見合った仕様にしています。いろいろと書いてありますが、とにかくいろんなことができるということです(読み飛ばしてください)。

ステアリング上のスイッチでコントロールする社外オーディオは、以下の3機種。

1.メインユニット carrozzeria FH-P009MD
2.カーナビ carrozzeria AVIC-XH77
3.地上デジタルTVチューナー carrozzeria GEX-P7DTV

どれもパイオニアの製品です。同一ブランドなので、カーナビのリモコンからメインユニットをコントロールできます。また、IP-BUSケーブルで連結しているので、メインユニットから地上デジタルTVチューナーをコントロールできます。

メインユニットは、ソースの切り換え、音量のアップ/ダウン、選局(選曲)ができる。

ステアリング上のスイッチ アクション

「音量▼」

メインユニットの音量ダウン。

「音量▲」

メインユニットの音量アップ。

「FM/AM/短波」

メインユニットの電源ONおよびソースの切り換え(電源OFF→ラジオ→CD(※1)→MD(※1)→External(※2)→AUX(※3)→ラジオ→・・・)。

「選局」

メインユニットでの次局(次曲)

(※1):ディスクが入っていないときはスキップ。
(※2):External(エクスターナルユニット)とは、ソースとしては未対応の同社製品(将来発売される製品など)の基本的な機能をコントロールできるように用意されている特別なソース。
愛車では地上デジタルTVチューナーが該当する。
(※3):AUX(外部機器)は、愛車ではカーナビ(音声のみ)が該当する。

カーナビは、ソースの切り換えができる。

ステアリング上のスイッチ アクション

「TV」

カーナビのソースの切り換え(CD→ミュージックサーバー→TV→[VTR1(※1)]→VTR2→CD→・・・)。

(※1):VTR1には、バックカメラを接続予定。
(※2):VTR2には、地上デジタルTVチューナーをつなげている。

●地上デジタルTVチューナーは、電源ON/OFF、選局ができる。

ステアリング上のスイッチ アクション

「FM/AM/短波」

メインユニットのソースを”External”にすると電源ON。”External”以外では電源はOFF。

「選局」

プリセットされている次の局へ移る(メインユニットのソースが”External”のときのみ)。


キット製作のノウハウ(考え方と進め方)

■どんなことをやりたいか

日頃不便だなぁと感じていることや、できたらいいなぁと思ったことなどをメモしておき、時間のあるときに実現性を探すようにします。
このキットについては、ステアリングホイールスイッチ受信ユニットのコネクタを調べているときに”実現できる!”と確信しました。

■まずは周辺のシステムを知る

光通信システムステアリングホイールスイッチ受信ユニットを見て調べて「スイッチを押すとどうなるか」を理解します。

ステアリング上にあるスイッチを押したときに、そのスイッチに対応するアクションを実行するには、ステアリングホイールスイッチ受信ユニットの出力を調べればわかります。

■どのようにして社外オーディオをコントロールするか

ステアリング上にあるスイッチを押したときに”どのスイッチが押されたか”を知るには、そのスイッチに対応した出力端子に作動させたいものをつなげておきます。スイッチを押すと、受信ユニットの出力端子がアースとつながるので、そのことを前提にして設計するなり接続することになります。

ステアリングホイールスイッチ受信ユニット
ステアリングホイールスイッチ受信ユニット
ここのコードにつなげる

■社外オーディオのどこにつなげればよいか

例えば、「音量▲」スイッチでメインユニットの音量を上げたいときは、メインユニットのボリュームツマミ(またはボリュームアップボタン)を操作したときにアースにつながるポイント探し、ステアリングホイールスイッチ受信ユニットの出力端子とつなげます。ただこの方法は、必ずポイントが見つかるとは限りませんし、メインユニットを壊しかねないので熟練技が必要です。

実際、管理人がメインユニットの接続ポイントを探しましたが見つかりませんでした。細かいところまで分解しなければならず、壊してしまいそうだったので諦めました。

オーディオ(メインユニット)
メインユニットの中身
接続ポイントは見つからなかった

では、どのようにして社外オーディオにアクセスすれば良いのでしょうか。その答えはリモコンにありました。

■リモコンを利用する

社外オーディオにアクセス(操作)する方法として、簡単確実なものに付属のリモコンがあります。リモコンなら、社外オーディオの中身を調べて直結する必要もなく、簡単で間違いもなく、配線も少なくて済みます。

例えば、ステアリング上の「音量▲」スイッチを押したときは、リモコンの「音量▲」ボタンを押したかのように作用させればよいのです。ステアリングホイールスイッチ受信ユニットの端子No.11(青/黄コード)にリレーをつないでおき、リレーが作動したときにリレーの接点でリモコンのボタンを接触させればよいのです。

社外オーディオ付属のリモコン
社外オーディオ付属のリモコン
左から
カーナビ用、メインユニット用、地上デジタルTVチューナー用

ただし、付属のリモコンを改造するのに抵抗があるときや、社外オーディオが複数台ある場合には、それぞれのリモコンにつなげる必要があります。また、配線が複雑になるばかりでなく設置場所にも困ります。そこでオススメしたいのが学習リモコンです。

■学習リモコンを利用する

管理人にとってこの方法は奥の手ではありません。と言うのも、正攻法とは思えないので一番やりたくなかった”ごまかし”の術なのです。しかし、実際にやってみると、自作が簡単になるだけでなく、汎用性・利便性に満ちた抜群の方法(得策)であることがわかりました。

(注意)コントロールできる社外オーディオは、リモコン付きの機器に限られます。

学習リモコンを利用する
リモートコントロールしたい操作ボタンのリモコン信号を
学習リモコンに記憶させる

学習リモコンを利用すると、以下のような利便性があります。

●数台あるリモコンを1つにまとめられる。
●付属のリモコンは改造しなくてもよい。
●オーディオ機器を交換しても、リモコンを学習し直すだけでよい→柔軟性
ステアリング上のスイッチの割り当てを変更するときは、リモコンを学習し直すだけでよい→柔軟性

■学習リモコンをどこに置くか

学習リモコンの送信部は、オーディオ機器から見えるところに置かなければなりません。管理人は、純正カセットデッキ(マルチ用)が入っていたところに設置しました。カセットテープ取り出し口からリモコン信号が送信されます。


センターアームレスト内から送信するようにした


学習リモコンの送信部
学習リモコンはこの中に収納。送信部はツインになっている

■接続キットを作る

割り当てたいスイッチの数だけリレーを用意し、受信ユニットの出力端子から延びているコードにつなげます。

基板
自作した基板。リレーだけである

ステアリングホイールスイッチ受信ユニット

ステアリングホイールスイッチ受信ユニットのコードから分岐

学習リモコンの裏フタを外し、記憶するボタンの両極にリレーの接点をつなげます。このとき、なるべく共通になっている電極をさがし、配線を省く工夫をします。

学習リモコンの基板
学習リモコンの基板(ボタン側)
なるべくボタンとは反対の面で配線した方が再記憶させやすい。

学習リモコンの裏フタを元に戻し、社外オーディオ付属のリモコン信号を記憶させます。管理人は学習リモコンのケースは外したままです。

ステアリングホイールスイッチキットの全貌
当キットの全貌

ステアリングホイールスイッチキットの設置場所
設置したところ

■学習リモコンに記憶させる

管理人は以下のように割り当てています。
 

ステアリング上のスイッチ 学習リモコン上のボタン

学習リモコンに記憶させた社外オーディオリモコン上のボタン

「音量▼」

”2”

メインユニットのリモコンの”VOL−”

「音量▲」

”3”

メインユニットのリモコンの”VOL+”

「TV」

”4”

カーナビのリモコンをNAVIモードにしたときの”S”(ソース切り換えボタン)

「FM/AM/短波」

”5”

カーナビのリモコンをAUDIOモードにしたときの”S”(ソース切り換えボタン)

「選局」

”6”

メインユニットのリモコンの”→”(次ボタン)

ステアリング上の「電源」スイッチは、すでに別の用途(別仕様のサンキューハザード機能)で使っているため、割り当てはありません。

メインユニットのリモコンには、ソースを順繰りに切り換えるボタンがないため、カーナビのリモコンのオーディオコントロール機能を利用して割り当てています。

※地上デジタルTVチューナーのリモコンは割り当てていません。

※管理人は音量スイッチ(「音量▼」、「音量▲」)を普通の選局ボタン(”2”、”3”)に割り当てましたが、音量ボタンに割り当てることでスイッチの連続押しに対応できると思います。連続押しに対応できると、例えば、「音量▲」スイッチを押し続けたときに、どんどん音量が上がっていきます。


■地上デジタルTVチューナーのコントロール

キット完成後に地上デジタルTVチューナーを買いましたが、何の変更もなく即対応できました。学習リモコンのボタン割り当てなどはまったく不要でした。これは、地上デジタルTVチューナーが、IP-BUSケーブルでつなげたメインユニットからコントロールできるからです。すでにメインユニットのコントロールはできるようになっていますので、何の変更もいりませんでした。

愛車で地上デジタルTVを見る手順を以下に示します。

1.「FM/AM/短波」スイッチで、メインユニットのソースを切り換えて”External”にする。これで地上デジタルTVチューナーの電源がONになる。
2.「TV」スイッチで、カーナビのソースを切り換えて”VTR2”(ビデオ入力2)にする。
3.「選局」スイッチで、見たいチャンネルを選ぶ。


最後に

当キットは、2005年9月の秋ヶ瀬公園BBQオフでお披露目するつもりで急いで作ったものです。そのため、あまりキレイな収め方をしていません。学習リモコンの電源などもあまり吟味せずに設置してしまいました。このページをご覧の皆さんが自作するときには、キレイに収まるように作ってください。

マルチAVシステム装着車の場合、CDプレーヤーの操作スイッチも使えずに余っていると思いますので、それらも有効に活用できるように検討してみると面白いでしょう。

CDプレーヤーの操作スイッチ
このスイッチも利用できるのだろうか?


なお、アルパインから「純正ステアリングリモートコントロールキット」(2005年10月時点で新製品)というものが発売されていますが、管理人のキットの方が「メーカーに依存しない」という点で優れています。
また後発の「ステアリングリモコンアダプター」(データシステム)という製品がありますが、作動原理が同じです(メーカーがパクった?)。


関連ページ


基本資料 〜 ステアリング
基本資料 〜 光通信システム
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コネクタ表 〜 ステアリングホイールスイッチ受信ユニット
追加装備 〜 オーディオ(メインユニット)
追加装備 〜 カーナビ

 

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