公開日:2009年5月15日
最終更新日:2016年9月26日

困ったときの車高調整

車高の点検・調整

Vehicle height of inspection and adjustment

カテゴリー : 基本資料

E-FPAY31シーマ、E-PAY31セドリック・グロリア
電子制御エアサスペンション装着車)に適用

概要

電子制御エアサスペンションは、乗車人員などに関わらず基準車高を維持するように、電子制御によって車高調整を自動的に行います。
基準車高が狂い、クルマが右または左に傾いているときや、前後のバランスが悪いときは、下記要領で点検・調整します。
なお、エア漏れしているときは、先に直してからにしてください。

車高の点検

車高の測定

ホイールのセンターからフェンダーまでの距離を測定し、表中の基準値と比較します。基準値より外れているときは、車高の調整が必要です。

項目 部位 車高の基準値(mm)
Y31シーマ Y31セドリック・グロリア
NORMAL状態 フロント 372±10 367±10
リア 346±10 342±10
基準値は、ホイールのセンターからフェンダーまでの距離。
エアサススイッチでHIGH←→NORMALを3回以上繰り返し、NORMAL状態にして約1分間放置してから測ること。
左右差は10mm以内とする。
平らな場所で測ること。
タイヤの空気圧は正常値であること。
空車状態とする(燃料は満タン、スペアタイヤ、工具、ジャッキ搭載)。
エアサスキット装着車は取り外すか無効にしておくこと。

車高調整に要する時間

測定は、表中の操作を空車状態で3回以上行い、その平均値を求め、表中の車高調整に要する時間と比較します。
燃料が満タンのときや外気温が低いときは、表中の時間よりも長くかかりますが、さらに時間がかかる場合はエア漏れなどが考えられます。

操作 車高調整に要する時間(標準)
Y31シーマ Y31セドリック・グロリア
NORMAL → HIGH(アップ) 70秒以内
HIGH → NORMAL(ダウン) 40秒以内
NORMAL → エクストラHIGH(アップ) 160秒以内
エクストラHIGH → NORMAL(ダウン) 70秒以内

車高の調整

左右の車高バランスがおかしいときは、フロントの車高センサーの右あるいは左で調整します。
前後の車高バランスがおかしいときは、フロントの車高センサー(左右)あるいはリアの車高センサーで調整します。
調整後は必ずエアサススイッチで車高の上昇・下降を繰り返してシステムが作動することを確認してください。

フロントの車高調整

車高センサー(フロント右)
車高センサー(フロント左)

車高センサー(フロント右・フロント左)を回転して調整します。1目盛り(5°)で車高が約8mm変化します。
車高センサーの丸い部分がサスペンションメンバーの丸い穴にはまっているため、2本のボルトを同時に緩めても車高センサーの中心がズレることはありません。
車高センサーを取り外す必要のあるときは、元に戻せるよう必ず合いマークを付けておきます。
新品の車高センサーを取り付けるときは、サスペンションメンバーの中心刻印(一番長い線)に合わせます。

車高センサー 車高を下昇させるには 車高を上降させるには
フロント右 反時計方向に回す 時計方向に回す
フロント左 時計方向に回す 反時計方向に回す

※車両前方からセンサーへ向かって見た方向。
※「車高が高い」と認識させると低くなり、「車高が低い」と認識させると高くなる。

リアの車高調整

車高センサー(リア)

車高センサー(リア)のアームとリアスタビライザーをつないでいるコネクティングロッドの長さで調整します(センサーのアジャストナットは緩めてはいけません)。長さ5mmで車高が約20mm変化します。
コネクティングロッドの長さを変えるときは、元に戻せるよう必ずロッドの長さを測っておきます。
コネクティングロッドの長さの基準値は75mm±5mm(Y31シーマ・セドリック・グロリア共通)です。新品の車高センサーを取り付けるときは、この基準値に合わせます。

コネクティングロッド/車高 上昇 下降
リア 短くする 長くする

抵抗による車高調整

エアサスキットを使わず、車高センサーもいじらずに車高調整する方法もあります。詳しくは抵抗による車高調整をご覧ください。