概要
電子制御エアサスペンションは、乗車人員などに関わらず基準車高を維持するように、電子制御によって車高調整を自動的に行います。
基準車高が狂い、クルマが右または左に傾いているときや、前後のバランスが悪いときは、下記要領で点検・調整します。
なお、エア漏れしているときは、先に直してからにしてください。
車高の点検
ホイールのセンターからフェンダーまでの距離を測定し、表中の基準値と比較します。基準値より外れているときは、車高の調整が必要です。
項目 | 部位 | 車高の基準値(mm) | |
---|---|---|---|
Y31シーマ | Y31セドリック・グロリア | ||
NORMAL状態 | フロント | 372±10 | 367±10 |
リア | 346±10 | 342±10 | |
基準値は、ホイールのセンターからフェンダーまでの距離。 エアサススイッチでHIGH←→NORMALを3回以上繰り返し、NORMAL状態にして約1分間放置してから測ること。 左右差は10mm以内とする。 平らな場所で測ること。 タイヤの空気圧は正常値であること。 空車状態とする(燃料は満タン、スペアタイヤ、工具、ジャッキ搭載)。 エアサスキット装着車は取り外すか無効にしておくこと。 |
車高調整に要する時間
測定は、表中の操作を空車状態で3回以上行い、その平均値を求め、表中の車高調整に要する時間と比較します。
燃料が満タンのときや外気温が低いときは、表中の時間よりも長くかかりますが、さらに時間がかかる場合はエア漏れなどが考えられます。
操作 | 車高調整に要する時間(標準) | |
---|---|---|
Y31シーマ | Y31セドリック・グロリア | |
NORMAL → HIGH(アップ) | 70秒以内 | |
HIGH → NORMAL(ダウン) | 40秒以内 | |
NORMAL → エクストラHIGH(アップ) | 160秒以内 | |
エクストラHIGH → NORMAL(ダウン) | 70秒以内 |
車高の調整
左右の車高バランスがおかしいときは、フロントの車高センサーの右あるいは左で調整します。
前後の車高バランスがおかしいときは、フロントの車高センサー(左右)あるいはリアの車高センサーで調整します。
調整後は必ずエアサススイッチで車高の上昇・下降を繰り返してシステムが作動することを確認してください。
フロントの車高調整
車高センサー(フロント右・フロント左)を回転して調整します。1目盛り(5°)で車高が約8mm変化します。
車高センサーの丸い部分がサスペンションメンバーの丸い穴にはまっているため、2本のボルトを同時に緩めても車高センサーの中心がズレることはありません。
車高センサーを取り外す必要のあるときは、元に戻せるよう必ず合いマークを付けておきます。
新品の車高センサーを取り付けるときは、サスペンションメンバーの中心刻印(一番長い線)に合わせます。
車高センサー | 車高を下昇させるには | 車高を上降させるには |
---|---|---|
フロント右 | 反時計方向に回す | 時計方向に回す |
フロント左 | 時計方向に回す | 反時計方向に回す |
※車両前方からセンサーへ向かって見た方向。
※「車高が高い」と認識させると低くなり、「車高が低い」と認識させると高くなる。
リアの車高調整
車高センサー(リア)のアームとリアスタビライザーをつないでいるコネクティングロッドの長さで調整します(センサーのアジャストナットは緩めてはいけません)。長さ5mmで車高が約20mm変化します。
コネクティングロッドの長さを変えるときは、元に戻せるよう必ずロッドの長さを測っておきます。
コネクティングロッドの長さの基準値は75mm±5mm(Y31シーマ・セドリック・グロリア共通)です。新品の車高センサーを取り付けるときは、この基準値に合わせます。
コネクティングロッド/車高 | 上昇 | 下降 |
---|---|---|
リア | 短くする | 長くする |