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公開日:2005年2月13日
最終更新日:2015年1月20日

アナログ式のサスコン

エアサス キット
Airsus Kit
(追加装備)

E-FPAY31シーマ、E-PAY31セドリック・グロリア
電子制御エアサスペンション装着車)に適用可能


フィールド技研 エアサスキット AH-2 1994年〜現在も愛用中

エアサスコントローラ(略称:サスコン)とも呼びますが、ここではエアサスキット(略称:サスキット)という呼び方で統一します。


解説

1.電子制御エアサスペンションの必需品といえばこのエアサスキットでしょう。電子制御で自由自在に車高が変えられるのですから、これなくしてエアサスの面白さは味わえません!。

2.エアサス仕様車標準装備のエアサススイッチではフロント・リアの車高をアップさせることができてもダウンさせることはできませんので、このエアサスキットが必要になるのです。

3.エアサスキットのモニターランプが普段と異なる表示をしたときは、エアサスが故障したとみてほぼ間違いないでしょう(エアサスキットの故障もあり得ます。なお、ここで紹介しているエアサスキットは一度故障しています)。

愛車に装着のエアサスキットは、FIELDフィールド技研のACTIVE HEIGHT CONTROLLER AH-2(No.209101)です。クルマを購入した当時に入手したのでかなり古いタイプのエアサスキットです。

品名 車種 グレード 形式 定価 購入価格
AH-2 セドリック/グロリア エアサス仕様車 V30ブロアムVIP Y31 58,000円 29,800円
シーマ エアサス仕様車 タイプU、タイプUリミテッド FY31


コントローラの仕様


1.前後独立多段階車高調整(FRONT×3DOWN(-約60mm)、REAR×6DOWN・UP(-約60mm・+約30mm)の車高調整が可能)

2.日産電子制御エアサスペンション仕様車に取付、フロント3段階・リア3段階の車高調整(LOW DOWN)ができる。さらにリアにはUP機能をプラスし、日産エアサス車特有の後下がりの姿勢を平行な状態にすることが可能。

3.本体にエアサス調整時やショックアブソーバーの減衰力の状態が一目でわかるモニターを備えている。


管理人の追加仕様

1.改造して車高調整幅を拡大。


構成図


完全に無効にしたいときはエアサスキット本体裏のコネクタを抜くだけでよい
(※機種によって異なります)

 

使い道は

あまり低い姿勢で長く走り続けているとエアー漏れを起こしやすくなりそうな気がするし、乗り心地も悪いので、ほとんどノーマル車高で乗っています。写真撮影時に少し下げる程度です。一番役に立つのは林道などの悪路走行で、リアが純正以上にアップできること。
燃費的にもノーマルが一番良いように感じます。


車高調整幅の拡大


エアサスキットを使っても安全範囲内の車高にしかなりません。ではどうすればもっと落ちるようになるのでしょうか?。

エアサス用コンプレッサーを作動しなくすれば確実に下がると思いますが、ベタベタになってとても走れる状態ではなくなります。

簡単なのはエアサスキットを改造することです。エアサスは電子制御なので得意の電気で何とかなると思ってやってみました。

エアサスキット AH-2はアナログ式でしたので改造は簡単でした。


基板を覗いて見ると大した部品は使っていなかったので、基板から実体配線図を書き起こして回路を解読してみました。すると、エアサスコントロールユニットとどのようなやりとりをしているかが少しずつわかってきました。
また、車高を調節するロータリースイッチ周りはただ抵抗を切り替えるだけの単純な回路でした。 こんな単純な方法でエアサスが騙されているなんて思うとちょっと複雑な気持ちです。


エアサスキット AH-2の内部




エアサスキット AH-2の基板から書き起こした実体配線図(1995年1月作成)


ロータリースイッチの3段目の(リアは2段目も)抵抗を交換し、車高変化量を変えることにしました。

計算上はフロント車高調整幅は最大-60mmが-70mmに、リア車高調整幅は最大-60mmが-100mm、最大+30mmが+40mmになりますが、サスペンションにそれほどまでストロークがあるともは思えないし、これ以上の改造は、ローロックという言葉が頭をよぎって控えました。

実際の変化量は表のとおりです。思っていたよりもダウンしていないのは、エアサスキットのカタログ上の公称値に偽りがあるからでしょうか。マイナス3段目で大幅にダウンしているのは改造の成果と言えます。

エアサススイッチとエアサスキットによる車高の変化量
モード フロント リア 備考
エアサススイッチ エアサスキット
NORMAL/SPORTY - 基準 基準 標準の車高。これを基準とする
NORMAL/SPORTY FRONT -1段、REAR -1段 -7mm -2mm  
NORMAL/SPORTY FRONT -2段、REAR -2段 -23mm -9mm  
NORMAL/SPORTY FRONT -3段、REAR -3段 -49mm -26mm (改)
NORMAL/SPORTY REAR +1段 ±0mm +3mm  
NORMAL/SPORTY REAR +2段 ±0mm +8mm  
NORMAL/SPORTY REAR +3段 ±0mm +10mm (改)
HIGH - +13mm +9mm 悪路走行などで使うモード
HIGH REAR +1段 +13mm +16mm  
HIGH REAR +2段 +13mm +22mm  
HIGH REAR +3段 +13mm +27mm (改)
EXTRA-HIGH - +16mm +65mm タイヤチェーン脱着時に使うモード
EXTRA-HIGH REAR +1段 +16mm (※2)  
EXTRA-HIGH REAR +2段 +16mm (※2)  
EXTRA-HIGH REAR +3段 +16mm (※2) (改)
※一度しか測定していないので誤差があると思いますので参考まで。
(※2)は、測定中にロック状態?となったため中止。 後でコネクタと基板の間で全端子接触不良が起きていたことが判明。
(改)は、改造の効果が現れるモード。


エアサスキットによる車高の変化量
(※2009年4月測定)
エアサスキットの設定 フロント リア 備考
測定値
(mm)
変化量
(mm)
測定値
(mm)
変化量
(mm)
測定値
(mm)
変化量
(mm)
- 668 - 663 - 648 - 標準の車高
FRONT -1段、REAR -1段 661 -7 654 -9 643 -5  
FRONT -2段、REAR -2段 648 -20 653 -10 630 -18  
FRONT -3段、REAR -3段 625 -43 618 -45 615 -33 (改)
愛車のフロントの車高センサーは調子が悪い感じがするので参考程度に。
※一度しか測定していないため誤差があると思われるので参考程度に。
※(改)は、改造の効果が現れるモード。
※エアサススイッチはすべてNORMAL時に測定。




ディーラーで診断してもらう時の注意


エアサスが不調になりディーラーで故障診断してもらう場合、ディーラーによってはエアサスキットが付いているとわかると、そのせいにしてまったく対応してくれない店もあります。自分が「コネクタを抜いているから完全に無効になっています」と主張してもぜんぜん信じてもらえない店もありました。
ディーラーにクルマを持ち込む時は、エアサスキットは外しておきましょう。



エアサスキット AH-2のコネクタ表

 

14 13 12 11 10 - 8 7 6 5 4 3 2 1

コネクタ色:白
コネクタ:JST 2A 14P

このコネクタはエアサスキットの背面にあります。

これらのコードはエアサスコントロールユニットの対応するコネクタ端子に
ワンタッチカプラーでつながっています。配線はすべて分岐のみです。

 
端子
No.
名称 コード 電圧 内容
(右欄はエアサスコントロールユニット対応コネクタ端子No.)
太さ
1 フロントサブタンク供給バルブ(右)端子No.2
(NOT電源)
-/- 12V/0V フロントサスのエアーを入れたり出したりしていて、かつエアサスキットのモニターランプが点灯しているときに0V。
その他はキーを抜いても12V。

ただし、モニターランプ点灯と電圧OFFは完全には一致しない(モニターランプはフロントサスだけでなくリアサスの状態も表示するため)。

このコードが切れるとエアサスキットのモニターランプが常に点いたままになる(キー「ON」時)。
27
2 フロントサブタンク供給バルブ(左)端子No.2(NOT電源) -/- 12V/0V フロントサスのエアーを入れたり出したりしていて、かつエアサスキットのモニターランプが点灯しているときに0V。
その他はキーを抜いても12V。

リアサスには無関係。

走行中はフロントサスの車高調整はあまりやっていないようで、モニターランプが点灯していてもOFFにならない。このことから走行中は特にリアサスを調整していることがわかる。
35
3 IG電源 -/- 12V/0V IG電源。キースイッチが「ON」の位置で12V。「Acc」以下の位置では0V。
フロント&リアサスのエアーの出し入れに無関係。
エクストラハイなど、いろいろな操作をしても無関係。
2
4 アース -/- 0V 常に0V。
(ほんの少し電圧がでている)
25
5 リアサブタンク供給バルブ(右)端子No.2
(NOT電源)
-/- 12V/0V リアサスのエアーを入れたり出したりしていて、かつエアサスキットのモニターランプが点灯しているときに0V。
その他はキーを抜いても12V。
28
6 リアサブタンク供給バルブ(左)端子No.2
(NOT電源)
-/- 12V/0V エアサスキットのモニターランプが点灯しているときは0V、消灯しているときは12V(完全に一致している)。
キーを抜いても12Vのまま。
36
7 フロントストラット(前右、端子No.3) ピンク -/- 1.5V/4.8V
/5.0V/0V
(エン回)
ショックアブソーバーの減衰力センサー(”S”)出力信号

エアサスキットのHARDインジケータ(赤)が点灯しているときは4.8V(エンジン回転中)。MID・SOFTインジケータが点灯しているときは0V。

エンジンを停止していてキースイッチを「ON」の位置にすると5.0V。
「Acc」以下およびキーを抜いた状態では1.5V。

このコードのみ断線すると次のようにな症状になる。
・右フロントストラットの減衰力がミディアムになったときに、当キットのHARDインジケーターランプ(赤)が点灯する(正常ならMIDインジケーターランプ(黄)が点灯する)。
・右フロントストラットの減衰力がソフトになったときに、当キットのHARDインジケーターランプ(赤)が点灯し、SOFTインジケーターランプ(緑)が薄く点灯する(正常ならSOFTインジケーターランプ(緑)のみ点灯する)。
37
8  フロントストラット(前右、端子No.4) -/- 4.8V/0V
(エン回)
ショックアブソーバーの減衰力センサー(”H”)出力信号

エアサスキットのSOFTインジケータ(緑)が点灯しているときは4.8V(エンジン回転中)。HARD・MIDインジケータが点灯しているときは0V。

端子No.8と端子No.7がどちらもOFFの時は、MIDショック(MIDインジケータ(黄)点灯)となる。
38
9

(空き)

           
10 車高センサー(前右:端子No.2)

-/- 約2.0V〜2.8V
(エン回)
フロント(右)車高制御電圧(入出力)

フロント車高調整用ロータリースイッチを回すと、約2.0V〜2.8Vの間で電圧が変化する(エンジン回転時に測定)。
キーを抜いても電圧は出ている。
リア車高調整用ロータリースイッチには無関係。
ロータリースイッチ 電圧 端子No.11との
抵抗値(→改造)
NORMAL




LOW
基準 2.03V
-1段 2.24V R24=9090Ω
-2段 2.46V R21=3920Ω
-3段 2.80V R25=2000Ω
(→1.5kΩ)

この電圧は車高によって変化する。車高が低い時は電圧も低く、車高が高い時は電圧も高い。表中の電圧は、エアサススイッチの「NORMAL」と「HIGH」を交互に数回押して車高を安定させてから測定したため、これが
愛車の基準電圧である。

★ココが重要!
端子No.11と抵抗器で結び、抵抗値が低いほど電圧が上がりフロント右の車高が下がる。逆のような感じもするが、電圧を上げると「車高が高くなっている」と認識されるため、その結果、車高が低くなるように制御される。
車高制御後の電圧は基準の電圧となる。エアサスは常に基準の電圧になるように監視し制御している。
詳しくは
抵抗による車高調整を参照されたい。
23
11 車高センサー(共通:端子No.1) -/- 4.5V/0V フロント&リア車高基準電圧(入力)

キースイッチが「ON」の位置で4.5V。走行中は常に4.5V。「Acc」以下では0V。
フロント車高調整ロータリースイッチを回すと0.1V程度変化するが誤差の範囲内。
車高やサスの堅さが変わっても電圧は変化しない。
22
12 車高センサー(共通:端子No.3) 黒1/- 0V 常に0V。完全にゼロ電圧。ただ、スイッチにより無接続状態になるのでGNDアースとは言えない。
エアサスキットのREAR UPスイッチをLOW側にすると無接続状態になる。
30
13 車高センサー(前左:端子No.2) -/- 約2.0V〜2.9V
(エン回)
フロント車高調整用ロータリースイッチを回すと、約2.0V〜2.9Vの間で電圧が変化する(エンジン回転時に測定)。
キーを抜いても電圧は出ている。
リア車高調整用ロータリースイッチには無関係。
ロータリースイッチ 電圧 端子No.11との
抵抗値(→改造)
NORMAL




LOW
  2.05V
-1段 2.28V R26=9090Ω
-2段 2.50V R22=3920Ω
-3段 2.9V R27=2000Ω
(→1.5kΩ)

端子No.10との違いは、左サスか右サスかの違い。電圧の違いはほとんど誤差の範囲内。この差が大きいと左右の車高バランスに影響する。

この電圧は車高によって変化する。車高が低い時は電圧も低く、車高が高い時は電圧も高い。表中の電圧は、エアサススイッチの「NORMAL」と「HIGH」を交互に数回押して車高を安定させてから測定したため、これが愛車の基準電圧である。

★ココが重要!
端子No.11と抵抗器で結び、抵抗値が低いほど電圧が上がりフロント左の車高が下がる。逆のような感じもするが、電圧を上げると「車高が高くなっている」と認識されるため、その結果、車高が低くなるように制御される。
車高制御後の電圧は基準の電圧となる。エアサスは常に基準の電圧になるように監視し制御している。
詳しくは
抵抗による車高調整を参照されたい。

31
14 車高センサー(後:端子No.2) 赤1/- 約1.9V〜2.5V
(エン回)
リア車高調整用ロータリースイッチを回すと、約1.9V〜2.5Vの間で電圧が変化する(エンジン回転時に測定)。
キーを抜いても電圧は出ている。
フロント車高調整用ロータリースイッチを回して車高を下げると0.1V程度電圧が下がるが誤差の範囲内。
REAR UPスイッチ=LOW(リアダウン)
ロータリースイッチ 電圧 端子No.11との
抵抗値(→改造)
NORMAL




LOW
  2.18V
-1段 2.28V R28=18000Ω
-2段 2.38V R23=9090Ω
(→6.8kΩ)
-3段 2.45V R29=8110Ω
(→3.6kΩ)

★ココが重要!端子No.11と抵抗器で結び、抵抗値が低いほど端子No.14の電圧が上がり、リアの車高が下がる。

REAR UPスイッチ=HI(リアアップ)
ロータリースイッチ 電圧 端子No.12との
抵抗値(→改造)
NORMAL




HI
  2.18V
+1段 2.08V R28=18000Ω
+2段 2.00V R23=9090Ω
(→6.8kΩ)
+3段 1.93V R29=8110Ω
(→3.6kΩ)

★ココが重要!端子No.12と抵抗器で結び、抵抗値が低いほど端子No.14の電圧が下がり、リアの車高が上がる。

詳しくは
抵抗による車高調整を参照されたい。

24

 

減衰力インジケーターの配線図

減衰力インジケーターはマイナス制御。プラス側は抵抗R3を通ってくるが回路図は省いてある



補修・変更メモ

・R25、R27を2kΩ→1.5kΩに交換。フロント車高-3段時の変化量アップ(1995年1月)

・R29を8110Ω→6.8kΩに交換。リア車高±3段時の変化量アップ(1995年1月)

・LED4(REAR UPインジケーター)を2色LEDに交換。REAR UP=ONで緑点灯、OFFで赤点灯(1995年頃)→緑LEDに交換(REAR UP=ONで点灯)(2014年5月)

・R3を820Ω→680Ωに交換。LED1(HARDインジケーター)、LED2(MIDインジケーター)、LED3(SOFTインジケーター)の光量アップ。電源電圧13.5V時の電流は16mA→25mAになり電流オーバーぎみ(1995年1月)→1kΩに交換。電流は14mA(2014年5月)

・R30を820Ω→680Ωに交換。LED4(REAR UPインジケーター)の光量アップ。電源電圧13.5V時の電流は15mA→25mAになりオーバーぎみ(1995年1月)→1kΩに交換。電流は14mA(2014年5月)

・R31、R32を820Ω→680Ωに交換。LED5(RSW1の照明)、LED6(RSW2の照明)の光量アップ。電源電圧13.5V時の電流は16mA→25mAになりオーバーぎみ(1995年1月)→1kΩに交換。電流は14mA(2014年5月)

・RSW2(リア車高調整用ロータリースイッチ)のハンダ割れ補修。ついでにRSW1(フロント車高調整用ロータリースイッチ)も補修(2010年9月)

・ケース外側がベトベトしてきたので磨いてツルツルにした。表面のベトベトは環境洗剤シンプルグリーンで除去し、その後ピカールで磨いた(2010年9月)

・減衰力のモニターが正しく表示されない不具合が発生。端子No.7のピンクコードがコネクタのところで切れてしまっていたので、基板からコードを這わして単独でつなげた。使ったのはエーモンの接続コネクターITEM No.2824(2014年5月)

・モニターランプが点きっぱなしになる不具合が発生。端子No.1の水色コードがコネクタのところで切れてしまっていたので、基板からコードを這わして単独でつなげた。使ったのはエーモンの接続コネクターITEM No.2824(2015年1月)


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