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公開日:2004年5月30日
最終更新日:2012年9月27日

燃料の流量を制御しています

フューエル ポンプ コントロール モジュレーター
Fuel Pump Control Modulator : FPCM
(コネクタ表)

Y31シーマのVG30DET(ターボエンジン)搭載車に適用


FPCMの外観と内部


このフューエルポンプコントロールモジュレータ(FPCM)はトランクルーム左側のパワーアンテナ付近にあります。ただし、VG30DEエンジン搭載車(ノンターボ車)には装着されていません。



フューエルポンプとFPCMについて

VG30DET(ターボエンジン)搭載車は、流量の大きな燃料ポンプが使われていて、アイドリング時や低速時などの流量が少なくてすむ場合には、ポンプの作動音と電力消費を抑えるためにポンプの回転を落としています。

燃料流量(ポンプの作動)は、基本流量(低速回転)と最大流量(高速回転)の2段階あります。

フューエルポンプ(F/P)はマイナスコントロールによって作動します。

このモジュレーターは、ECCSコントロールユニットから送られた流量切換信号を基に、フューエルポンプのマイナス端子の電圧を切り換えることで流量をコントロールしています。
ECCSコントロールユニットは様々な情報から計算して流量を決めているのでインジェクターに限ったことではありませんが、インジェクターだけに着目すると、開弁時間がおよそ6.0ms以上になったときに最大流量となり、およそ4.0ms以下になったときに基本流量に戻ります。

また、基本流量時の燃料流量(ポンプの作動量)は、ドロッピングレジスタによって決まります。

フューエルポンプは、残量計用および残量警告灯用の2種類のセンサーと共に、フューエルゲージユニットとしてフューエルタンク内に納められています。



このコネクタを抜くと・・・(燃料ポンプ制御カット)

このコネクタを抜くと、フューエルポンプが高速で回転しなくなり、常に基本流量となりますが、特に問題なく走行できます。気のせいだとは思いますが、重荷を捨ててクルマが軽くなった感じがします。ただし、エンジン回転を上げるとブーンという風にエンジンがいつもより大きな音がします。また、この状態では始動時に燃圧が上がらないため(?)、エンジンがかかりにくくなります。一応通常通り、キーON時に5秒間だけ燃料ポンプは微かに作動します(作動音で確認)。



コネクタ表


6 8
3 5

コネクタ色:白/黄

端子
No.
名称 コード 電圧 内容
太さ

3

流量切換信号(入力)

白2/銀2 約0V/OPEN
7.7V、8.0〜9.0V
(対アース、直流計)

ディーラーで見せてもらった整備要項書追補版IIによると、

キースイッチが「ON」のときは12V。
クランキング時は約0V。
エンジン回転時で冷機時は約0V。
エンジン回転時で暖機後は12V。

ということである。

ここにミニパトスキャナーSQ155を接続して確認した結果、キースイッチを「ON」にすると約30秒後にスキャナー点灯、走行中は点灯、ただしアクセルペダルを多めに踏み込んだときに消灯、アクセルペダルを戻せば点灯。

キースイッチを「Acc」以下にすると約6秒後に消灯することが判明。


キースイッチが「Acc」以下ではOPEN。ただし、キースイッチを「ON」から「Acc」に戻したときはすぐにはOPENにならない。

キースイッチを「ON」にすると(エンジンはかけない)ずっと7.7V。キースイッチを「Acc」に戻すと6秒後にOPEN(OPENになるときにエンジンルームから小さな音がする)。

冷機時にエンジンをかけると暖機モードに入るため30秒間OPEN。その後8.0〜9.0V。

走行中にアクセルペダルを多めに踏み込むとOPEN。アクセルペダルを戻せば8.0〜9.0V。

キースイッチを「Acc」に戻してエンジンを切ると一瞬OPENになるがまた8.0V〜9.0V。その6秒後にOPEN。

走行中に2速に落としてエンジンブレーキをかけても無関係。

コネクタを抜いて電圧測定すると、電圧がでているときは12Vが発生している。このことから実際は12Vがモジュレーターに入力されているが、モジュレーター内の負荷で電圧降下が起きているようである。

このコードをカットすると、フューエルポンプが高速で回転し、燃料の流量が増加したままになる。
コネクタからこのコードを引っこ抜き、12Vを入力すると基本流量となり、入力を止めると(OPENにすると)最大流量となる。12Vをスイッチで切り換えれば意図的に流量を切り換えることが可能である。

5

電源
F/P(+)(入出力)

緑2/-
"AVS-2"のマーキングあり

12V/0V(OPEN?)
(対アース、直流計)

キースイッチが「Acc」以下では0V。

キースイッチを「ON」にすると6秒間12V。その後0V。
これは燃圧を上げて始動性を向上させるために6秒間だけポンプを作動させている。

このコードはフューエルゲージユニットのヒューエルポンプ(F/P)のプラス端子につながっていて、ECCSコントロールユニットからフューエルポンプリレーを介してコントロールされたIG電源。

エンジンがかかっている状態では常に12V。

主にこのモジュレーターの電源用で、このコードが切れてもヒューエルポンプにはあまり影響がない。

6

アース

-/-
"AVS-2"のマーキングあり

0V

常に0V。

燃料流量が増加しているときはフューエルポンプを流れる電流はこのコードを通ってアースに落ちる。

8

F/P(-)
(出力)

緑2/-

4.8V/0V
(対アース、直流計)

キースイッチが「Acc」以下では0V。ただし、キースイッチを「ON」から「Acc」に戻したときはすぐには0Vにならない場合がある。

キースイッチを「ON」にすると(エンジンはかけない)4.8V。キースイッチを「Acc」に戻すとすぐに0V。

冷機時にエンジンをかけると暖機モードに入るため30秒間0V。その後4.8V。

走行中にアクセルペダルを多めに踏み込むと0V。アクセルペダルを戻せば4.8V。

状態 アースとの電圧差
基本流量時 4.8V
最大流量時 0V

キースイッチを「Acc」に戻してエンジンを切ると6秒後に0V。

フューエルゲージユニットのフューエルポンプ(F/P)のマイナス端子につながっている。

燃料流量が増加しているときは端子No.6のアースとほぼ同電位になる。

この端子をアースすると、フューエルポンプが高速回転する。

走行中に2速に落としてエンジンブレーキをかけても電圧は変化なし。

DIYで燃料流量を検出するにはこの端子を利用するのが最も手っ取り早い方法である。

8.2V〜8.4V
/12V/0V(OPEN?)
(対端子No.5の電源、直流計、端子No.5をプラス端子)

テスターのプラス端子を端子No.5の電源に、マイナス端子を端子No.8のF/P(-)につなげて直流電圧を測ったところ、以下のようになった。

キースイッチが「Acc」以下では0V。

キースイッチを「ON」にすると(エンジンはかけない)6秒間12V。その後0V。

一度OFFにしてから6秒経過(この時にエンジンルームからコン!と小さな音がする)しないと、再びキースイッチを「ON」にしても12Vにはならない。(暖機が終わっているときは12Vではなく、8.2V〜8.4Vになる)。

冷機時にエンジンをかけると暖機モードに入るため30秒間12V。その後8.2V〜8.4V。

走行中にアクセルペダルを多めに踏み込むと12V。アクセルペダルを戻せば8.2V〜8.4V。停車中に空ぶかし(5000rpm程度)しても8.2V〜8.4Vのまま。

状態 F/Pにかかる電圧
基本流量時 8.2V〜8.4V
最大流量時 12V

キースイッチを「Acc」に戻してエンジンを切るとすぐに0V。

 

おまけ:エンジン始動時の暖機モードをカット(?)

通常、寒い日にエンジンをかけると30秒間の暖機モードに入り、その間は燃料の流量が増加します。
この暖機モードに入るのを止めるには、エンジンをかけるときのキー操作できるようですが、ハッキリした確証はありません。

キースイッチを「ON」の位置で一旦止め、2.5〜3秒後(これが実にびみょー)に「START」にしてエンジン始動すると暖機モードに入りにくくなるようです。

これは、燃圧が上がっているときの燃料漏れが激しいときに有効な防御手段だとは思いますが、実際に始動時増量しているかどうかは燃料流量インジケータを付けていないと確認できませんのであしからず。



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