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公開日:2004年5月31日
最終更新日:2014年1月13日

エコ運転を手助けするための仕掛け

燃料流量インジケータ
Fuel Flow Indicator
(追加装備)

Y31シーマのVG30DET(ターボエンジン)搭載車に適用


自作です

※2014年1月、どのくらいで燃料増量するかわかったので撤去しました。



仕様

エンジンの要求燃料流量が増加したとき(つまりフューエルタンクからエンジンに送られる燃料の流量が増加したとき)に、コンビネーションメーター内の黄色いフューエル警告灯を点滅させる。


これが点滅します

解説

目的は、インジケータで注意を促し、ドライバーの意志で燃料セーブすること。
目標は、リッター8km(通勤)の大台に乗せること。


燃費の良し悪しは運転次第で大きく変わることに注目し、ドライバーに対して、エコロジー運転を手助けするための仕掛け(表だった装備はなく、既存のパーツを使っているのでこう呼ぶのが相応しい)を考案してみました。

フューエルタンクからポンプを使って流れる燃料の流量は2段階あります。

暖機後のアイドリング時や通常の走行状態では基本の流量で、冷機時のエンジン始動直後や急加速時には流量が増加します。

この装備を装着すると、燃料が増加したときにインジケータが点滅するので、視覚的に「燃料を食ってる」ことが分かります。
これによりドライバーに意識的にアクセルワークをさせることで、増大する燃料消費を運転方法でカバーすることを狙ったエコロジー装備です。

なかなかGOODです。



効果を期待して

視覚的には、急加速をした時にメーター内の黄色いフューエルワーニングランプ(フューエル警告灯)が点滅するので、面白いです。ただ、面白がって点灯させているとかえって燃費の悪化を招いてしまいます。

それと、再始動したときにエンジンが冷えていれば(それとも外気温が低い場合に?)始動時増量が行われるため、30秒間だけ点滅します。この時ばかりはアクセペダルを踏んでいなくても点滅してしまいます。


インジケータを付けても、運転方法を改めないと何の効果もありません。

全く点滅させないで運転するには無理があるので、いかに点滅しないように運転するかが燃料セーブのポイントとなります。



流量が増加しても無駄ではないが

流量とは、単にフューエルタンクからポンプで送り出される燃料の量なので、それがそのままエンジンで消費される量とは結びつきません。 それに、流量が増加して圧力が上がり過ぎた場合にはプレッシャーレギュレーターから燃料タンクへ戻ってくるようですので、流量が増加してもそれがそのまま無駄になっているわけではありません。

しかし、燃料消費量の一つの目安になることには間違いないでしょう。
インジケータで確認できるようにしたことで、ドライバーの運転テクニックで2段階ある流量をコントロールすることが可能になるのです。この装備はこのような効果を期待して考え出したものです。



作動原理

簡単一発作動原理確認配線図

 

開発と言ったようなことはせず、流量センサーもインジケータも既存のパーツを流用するので簡単です。
流量情報はフューエルポンプから得て、インジケータはコンビネーションメーターのフューエル警告灯を使います。

具体的には、フューエルポンプはマイナス側の電圧を2段階に変化させて流量をコントロールしています。流量が増加しているときのマイナス側の端子電圧は0V(アースしているのと同じ状態)になります。 ・・・ということで、フューエルポンプのマイナス側の電圧を計れば流量が増加したかどうかがわかるのです。
また、インジケータとして流用するフューエル警告灯は、ランプのマイナス側の端子をアースすると点灯します。

まとめますと、入力として使用するフューエルポンプも、出力として使用するフューエル警告灯もマイナスコントロールで作動するということです。

感のいい方はもう分かったと思いますが、単純にフューエルポンプとフューエル警告灯の両者のマイナス端子をつなぐだけでもすぐに実現できてしまうのです。これが作動原理です。


それぞれのコードから分岐してつなげてみた


でも、フューエルポンプからフューエル警告灯まで長い距離を配線しなければならないとお思いでしょうが、そんな心配は不要です。 フューエル警告灯の既存のセンサーはフューエルポンプと一緒のユニットに納められていますので、フューエル警告灯のマイナスラインはトランクまで来ています。
幸いなことに、フューエルポンプのコードとフューエル警告灯のコードは黒いビニールテープで束ねてありますので、テープをめくって両者をつなげるだけで済みます。

そうです、たった数センチの細いコード1本で原理的には実現できてしまうのです。

しかし、このままでは次の不具合が生じてしまいます。


不具合1.基本流量時にフューエル警告灯が薄く点灯してしまう

基本流量時のフューエルポンプのマイナス側の端子電圧は結構低い電圧なので、バッテリー電圧から端子電圧を引いた電圧差がフューエル警告灯に加わるためです。これは抵抗器などを挿入することでいくらか解消できます。


不具合2.燃料残量が少なくなると流量が増加したままになる(予想)

作動原理とは逆の作用で不具合が生じてしまいます。

フューエルタンク内の燃料が少なくなると、残量センサーのスイッチがONになるため、フューエル警告灯のマイナスラインがアースされ、フューエル警告灯が点灯します。これは標準の動作ですが、つなげたフューエルポンプのマイナス端子もアース状態(0V)になるため、常に流量が増加してしまいます。
これは整流器を挿入して電流の逆流を防止すれば解消できます。


不具合3.第3者にはフューエルセンサーが故障したと思われてしまう

タンクの燃料はまだたくさんあるのに、フューエル警告灯が点灯すると、サービス員などの第3者には「フューエルセンサーが故障したのでは?」と思われてしまう欠点があります。
これはフューエル警告灯を点滅させるなど表示形態の差別化を図り、別の意味を持たせることで解決できます。


不具合の解消へ

 


簡単不具合解消基本配線図

整流器は、残量センサーのスイッチがONになったときに
フューエルポンプからアースに流れなくするための逆流防止用。
Rは、基本流量時にフューエル警告灯が薄く点灯してしまうので
電圧をさげるための分圧用。
 

最終採用回路


配線図(最終採用版)

回路の説明

R:470Ωは、基本流量時にリレーが作動しなくするための抵抗器。

Rの抵抗値は、自動点滅LEDと12Vリレーの定格電流で変わってくるため、カットアンドトライで決定。

フューエルポンプの両端電圧が、流量増加時に12V以上、基本流量時は9V以下と仮定し、リレーが12V以上で確実にONとなり、9V以下で確実にOFFになる抵抗値を探し出す。

Cは、リレーの接点がやや高速(約2Hz)でON/OFFするため、リレーの接点とフューエル警告灯のフィラメント保護用。これはなくてもOKだが、あった方が無難。

フューエルポンプの+Bは、バッテリーからエンジンルーム内のヒューズ#39(F.PUMP)とフューエルポンプリレー(R-3)を通って来る。

フューエル警告灯の+Bは、バッテリーからIGNリレー(R-19)と車室内のヒューズ#6(メータ)を通って来る。
 

 

リレーを使うことの利点

上記の不具合を解消すべく、電気回路を考えてみました。トランジスタなどで無接点制御をしてみようと思っていましたが、基本流量時のフューエルポンプのマイナス側には中途半端な電圧が出ているので、リレーでキッチリとON/OFF制御することにしました。

リレーを使うことの利点は、入力側と出力側を電気的に分離できるのでお互いに干渉し合うことがないことです。また、回路が簡単になり、ON/OFF動作が明瞭になるため、応用(拡張などの発展や変更)が楽にできることも挙げられます。例えば、インジケータの代わりに既存のチャイムを鳴らすことも簡単です。


警告灯の点滅方法

これには自動点滅LEDを使います。自動点滅LEDは、外見は普通の発光ダイオードと変わりありませんが、点滅機能を内蔵したLEDなので、電源をつなぐだけで点滅します。

自動点滅LEDを回路に直列に接続することで、そこの回路がON/OFFします。回路にリレーが入っていれば、リレーがON/OFFするわけで、これで必要な動作がいとも簡単に手に入れることができるのです。

一般に電球を点滅させるにはトランジスタやタイマーICで回路を組んだりしなければなりませんが、自動点滅LEDを使えば簡単に実現できてしまうのです。しかし、使用する自動点滅LEDの電気的特性や、回路を流れる電流の量によっては、点滅しない場合もあります。たとえば、実際にフューエル警告灯と直列に接続しても点滅しませんでした。


ついに完成!



トランク左側に来ている黄/黒コード(+B)と黄/緑コード(F/P(-))、青コード(フューエル警告灯)から分岐したところ


車検点検時に故障だと思われないようにシールを貼ってみました

 

走行してみて

アクセルを一定に保ったまま上り坂にさしかかると、エンジンの負荷が増えるため、インジケータの点滅が始まることがあります。こんな時にODスイッチをOFFにしたり、2速に落としたりしてエンジン回転数を上げてからアクセルペダルを少しだけ戻せば、インジケータは消灯します。
やはりエンジンの得意とする回転域を選んで走るのが、流量を増やさずに済むようです。これでいままで実践していたことが正しいと証明できました

だた、人間というのは不思議なモノで、インジケータはあると便利なのですが、点滅する一歩手前で走ろうとするので、かえって燃費が悪くなってしまうかもしれません。
本当のことを言えば、インジケータに頼らず頭の中で流量をイメージしながら運転すると、きっとすばらしい燃費データが記録されると思います。



おまけ:燃料増量カット

「いっそのこと流量が増加しないように改造した方が燃費が良くなるかも?」と思ってやってみました。

そもそも増量しても余った燃料はタンクに戻ってくるのだろうから無駄はないはずで、増量を止めたところで燃費が良くなるはずもなく、むしろ増量が必要な状態のときに増量が行われないと動力性能が悪くなって燃費悪化につながりかねません。

それでもやってみたら、ふつうに走れました。不思議なことに、重荷がなくなって軽快さが増した感じです。急加速もできますし、登板道もふつうに走れます。
燃料増量カットするとフューエルポンプの電力消費も抑えられるので、その効果もあるのだろうと思います。

燃料流量カットするには、フューエルポンプコントロールモジュレーターのコネクタを引き抜くだけでOKです。 しかし、エンジンがかかりにくくなるという、魔の副作用があります(笑)。




関連ページ

基本資料 〜 燃料系統
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