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公開日:2004年6月13日
最終更新日:2014年1月22日

理解して燃費向上に役立てよう

フューエル カット
Fuel Cut
(基本資料)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用


燃費の向上と排気ガスの抑制、および安全保護(いわゆるリミッター)などの目的でフューエルカット制御が行われています。

ECCSコントロールユニットにつながれているスロットルバルブスイッチ、車速センサー、クランク角センサー、壁温センサーの各信号に基づき、フューエルカットが必要と判断された場合にフューエルインジェクターの燃料噴射をカットします。

燃料噴射の停止方法は、3気筒カットと6気筒カットがあります。
3気筒カットはAグループ(インジェクターNo.1、2、3)とBグループ(インジェクターNo.4、5、6)に分かれてカットが行われます。


減速時フューエルカット

走行中にアクセルペダルを戻すと、エンジン回転数が高いままスロットルバルブが閉じるため、不完全燃焼で炭化水素(HC)が排出されてしまいますので、これを抑制するのが減速時フューエルカットです。
これは燃費向上にも大いに貢献しています。

Y31シーマの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●車速が約30km/h以上、かつエンジン回転数が約1,450rpm以上(※)で、アイドルスイッチがOFFからONになった時。
●車速が約30km/h以下、かつアイドルスイッチがONの状態で、エンジン回転数が約2,200rpm以上まで上昇した時。
●アイドルスイッチがOFFになった時。
●車速が約30km/h以上ではエンジン回転数が約1,400rpm以下(※)になった時。
●車速が約30km/h以下ではエンジン回転数が約2,000rpm以下(※)になった時。

 

Y31セドリック・グロリアの場合

エンジン仕様 トランスミッション フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
仕様 シフト位置 アイドル
スイッチ
エンジン回転数
(rpm)
アイドル
スイッチ
エンジン回転数
(rpm)
VG20E M/T 1,2,3速 ON 約2,200以上 ON 約2,000以上
4,5速 OFF→ON 約1,550以上(※) ON 約1,300以上(※)
A/T - OFF→ON 約1,250以上(※) ON 約1,200以上(※)
VG20DET A/T - OFF→ON 約1,700以上(※) ON 約1,500以上(※)
VG30E
VG30ET
A/T - OFF→ON 約1,450以上(※) ON 約1,400以上(※)
- - - - - OFF -

(※)この値は暖機後の条件です。冷却水温度が低い場合は、高いエンジン回転数になります。

  

高回転時フューエルカット(回転リミッター)

これは走行時=車速が0km/h以外のときの条件です。

Y31シーマの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●アイドルスイッチがOFFで、エンジン回転数が約6,750rpm〜7,000rpmになった時(3気筒カット)。
●エンジン回転数がさらに約7,000rpm以上になった時(6気筒カット)。
●エンジン回転数が約6,700以下になった時。

 

Y31セドリック・グロリアの場合

エンジン仕様 フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
VG20E エンジン回転数が6,800rpm以上になった時 エンジン回転数が6,100rpm以下になった時
VG20DET エンジン回転数が7,700rpm以上になった時 エンジン回転数が7,000rpm以下になった時
VG30E
VG30ET
エンジン回転数が6,500rpm以上になった時 エンジン回転数が5,800rpm以下になった時

 

 

高速時フューエルカット(スピードリミッター)

Y31シーマの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●アイドルスイッチがOFFで、車速が約180km/hになった時(運転条件により、3気筒カットまたは6気筒カット)。 ●車速が約175km/h以下になった時。

 

Y31セドリック・グロリアの場合

エンジン仕様 フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
VG20E
VG20DET

VG30E
VG30ET
車速が180km/h以上になった時 車速が160km/h以下になった時

 

 

停車時フューエルカット

Y31シーマの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●車速が0km/hで、かつエンジン回転数が約4,400rpm以上が一定時間経過した時(6気筒カット)。 ●エンジン回転数が約3,900以下になった時。

 

Y31セドリック・グロリアの場合

エンジン仕様 フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
VG20E エンジン回転数が5,400rpm以上になった時 エンジン回転数が4,900rpm以下になった時
VG20DET エンジン回転数が4,700rpm以上になった時 エンジン回転数が4,200rpm以下になった時
VG30E
VG30ET
エンジン回転数が4,000rpm以上になった時 エンジン回転数が3,500rpm以下になった時

 

 

異常時フューエルカット

フェイルセーフ機能が働いた時に必要に応じてフューエルカットを行います。

フェイルセーフ機能とは
、エンジンを取り巻くシステムの構成部品が、万一異常となった場合でも応急的な走行ができるようにする機能です。
例えば、センサーから正常な信号が来なくなった場合に、ECCSコントロールユニットはそのセンサーの信号は使わず、あらかじめ用意してある基本データを使って制御し、走行を可能にしています。

なお、ECCSコントロールユニット内部回路や主要なセンサーに異常がある場合にはバックアップ機能が働き、この場合でも応急的な走行ができるようになっています。
例えば、ECCSコントロールユニットの頭脳にあたるCPUの機能が果たさなくなった場合に、あらかじめ用意してある制御内容での走行を可能にしています。バックアップ時は、オイルプレッシャーランプが点滅します。

ここでいう応急的な走行とは、最寄りの整備工場までの走行のことです。


Y31シーマの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●アイドル回転フィードバック制御時にエンジン回転数が目標値に対し700rpm(目標値+700rpm)以上になり、その状態が約1秒以上続いた時(フェイルセーフ機能) ●エンジン回転数が目標値に対し550rpm(目標値+550rpm)以下になった時
エアフローメーターからの吸入空気量信号が断線していて、エンジン回転数が約2,000rpmになった時(フェイルセーフ機能) ●正常になった時
●(AACバルブ関連)アイドルスイッチがON、ニュートラルスイッチがON、車速が8km/h以下のアイドル条件時に、エンジン回転数が異常に高い(目標値+700rpm以上)時(フェイルセーフ機能) ●正常になった時(正常になるまでフューエルカットと通常噴射を繰り返す)


Y31セドリック・グロリアの場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
エアフローメーターからの吸入空気量信号が断線していて、エンジン回転数が約2,000rpmになった時(フェイルセーフ機能) ●正常になった時
●(AACバルブ関連)アイドルスイッチがON、ニュートラルスイッチがON、車速が8km/h以下のアイドル条件時に、エンジン回転数が異常に高い(目標値+700rpm以上)時(フェイルセーフ機能) ●正常になった時(正常になるまでフューエルカットと通常噴射を繰り返す)


その他のフューエルカット

Y31シーマの場合
Y31セドリック・グロリア(VG20DETのみ)の場合

フューエルカットに入る条件 通常噴射に戻る条件
●過給圧が異常に上昇した時 ●過給圧が正常になった時。
※過給圧が異常上昇して噴射量信号が規定以上になるとフューエルカットする。

 

 

おまけ:こんなのが欲しい

フューエルカットインジケータ

フューエルカット状態になるとインジケータを点灯させたいと思っています。
ただ、フューエルカットするかどうかはECCSコントロールユニット内部で判断するものですし、フューエルカット状態かどうかという信号もありそうにないので、各インジェクター制御信号から検出しないと実現は無理かもしれません。

※TRUSTインテリジェントインフォメータータッチのインジェクター表示を見ているとフューエルカットしたことがわかります。(2012年3月)

 

関連ページ

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