公開日:2016年5月29日
最終更新日:2017年5月27日

壁温センサーと水温センサーにつながっています

壁温センサー ハーネス

Wall temperature sensor harness

カテゴリー : 基本資料

Y31シーマ全車、Y31セドリック・グロリアVG20DETに適用

壁温センサーハーネス 24079-0P015 HARNESS EGI SUB

壁温センサーハーネスとは

壁温センサー水温センサーECCSコントロールユニットを結ぶ「EGIサブハーネス」のことです。日産発行の配線図では「ECCSサブハーネスNo.2」となっています。「EGIサブハーネス」とか「ECCSサブハーネス」とか言ってもピンとこないので、当サイトでは整備要領書で使われている「壁温センサーハーネス」という名称で統一します。
取付場所はクランク角センサーの向かって右横から始まり、タイミングベルトカバーのフロントアッパーカバーの前を通ってから2つに分岐し、壁温センサー水温センサーにつながっています。
向かって右側のフロントアッパーカバーに2本のビスで固定されています。

Y31セドリック・グロリアVG20E、VG30E、VG30ETは前期/後期共にこのサブハーネスは無く、メインハーネスだけでECCSコントロールユニットとつながっています。

壁温センサーハーネスは途中で分岐して壁温センサー水温センサーにつながっている(VG30DETエンジン)
壁温センサーと壁温センサーハーネス(VG30DETエンジン)

コネクタ表

ここではメインハーネス側のコネクタを紹介しています。壁温センサーに直にはめ込むコネクタについては壁温センサーのページをご覧ください。

壁温センサーの電圧を測るにはこの壁温センサーハーネスコネクタはつなげたままで、端子No.23とアース間で測ります。
壁温センサーの抵抗を測るにはこの壁温センサーハーネスコネクタを外して、端子No.23と端子No.49間で測ります。
壁温センサーを直に測らずにこの壁温センサーハーネスコネクタで測るのはただ単に測りやすいからです。
ここで測ってわかる抵抗値には壁温センサーコネクタの接触抵抗も含まれます(接触抵抗がある場合ですが)。壁温センサー単体で抵抗を測るには壁温センサーコネクタを外して直に測ります。

壁温センサーハーネスコネクタ(VG30DETエンジン)
23 49
71 -

この端子配置図は端子側から見た図です。コネクタ記号は、A-79です。

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
23 壁温センサー信号 緑2/- 抵抗変化

3.5V(20℃時)
1.0V(80℃時)
ECCSコントロールユニットの端子No.23につながっている(前期)。
ECCSコントロールユニットの端子No.28につながっている(後期)。

壁温(冷却水温)が低いと電圧は高く、壁温(冷却水温)が高いと電圧は低くなる。
電圧値はアース間の電圧。端子No.49間の電圧ではない。
ここの電圧を測るには、このコネクタをつなげたままアース間電圧を測る(信号アース間ではない)。

壁温センサーの抵抗を測るには、このコネクタを外して端子No.49間で測る。
49 壁温センサー信号アース -/- 常に0V? ECCSコントロールユニットの端子No.26とエアフローメーターの端子No.26につながっている(Y31シーマ前期、Y31セドリック・グロリアVG20DET前期/後期)。
ECCSコントロールユニットの端子No.30につながっている(Y31シーマ後期)。

壁温センサーの抵抗を測るには、このコネクタを外して端子No.23間で測る。
71 水温センサー信号 -/茶 抵抗変化 コンビネーションメーターの端子No.a3-31につながっている。
デジタルメーターの場合は端子No.d1-17(水温センサー)につながっている。
壁温(冷却水温)対電圧特性グラフ

断線・ショートするとどうなるか

断線(コネクタ抜けを含む)または短絡(ショート)してもECCSコントロールユニットのフェイルセーフ機能によって通常走行できるようになります。ただし、ECCSコントロールユニットが想定している水温と実際の水温に差がある場合は何らかの不具合が生じます(試したことはありません)。
ECCSの自己診断システムでコード番号13(壁温センサーの異常)を表示した場合、信号系の断線または短絡(ショート)です。前期は通常自己診断(モード3)、後期は自己診断モード(モード2)で診断します。

交換について

壁温センサーのコネクタのロックがしっかりしていて簡単に外れるようなことがなく、他に異常がなければハーネスの交換は必要ないでしょう。

壁温センサーハーネスの黄色いコネクタがボロボロに砕けてロックピンが外れている場合は、コネクタが抜けやすくなっています。壁温センサーのコネクタを軽く引いて簡単に外れるようなら交換した方が良さそうです。放っておくとコネクタ抜けや端子の腐食が進行しやすくなるでしょう。

壁温センサーはエンジンの壁面に固定されていても黄色いコネクタ部分はクルクル回転します(固着していなければですが)。作業しやすい方向へ回してロックピンを抜いてからコネクタを外します。
壁温センサーからコネクタを外すにはロックピンを抜かなければなりませんが、これがやっかいです。マイナスドライバーではうまく抜けません。先端が曲がっているピックアップツールなどがあると便利です。ロックピンに引っ掛けて引き起こして抜きます。空間が狭いので短いツールの方が使いやすいです。

水温センサーのコネクタは簡単に脱着できます。

小さいマイナスドライバーだと中央の突起に引っかかってロックピンが持ち上がらない
用意したピックアップツール。実はこれ、ICソケットからICを引き抜くICリムーバーの片側
ピックアップツールを差し込んだところ
ピックアップツールを起こしたところ。狭いところなので短いピックアップツールでないとこのように起こせない
ピックアップツールを引いてロックピンを抜く

部品番号と価格

壁温センサーハーネス(EGIサブハーネス)  部品番号:24079-0P015 HARNESS EGI SUB
税込み 4,255円(2016年3月時価)
壁温センサー側のコネクタにゴムブーツ履いてませんでした。