公開日:2007年7月19日
最終更新日:2019年4月8日

ECCSの自己診断システム(前期)
モード3 - 通常自己診断表示モード

Self-diagnosis System of the ECCS(Early Type)
Mode-3 : Usually self-diagnosis display mode

カテゴリー : 基本資料

Y31シーマ・Y31セドリック・グロリア・F31レパードの前期型に適用

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概要

ECCSの自己診断システムは異常が起きた信号系統を記憶し、そのコード番号を点検者に知らせることができます。
このモードでは過去に記憶された不具合を赤ランプと緑ランプの点滅でコード番号を示します。
オイルプレッシャーランプも赤ランプに同期して表示されます。

このモードは誤診断を防ぐためある程度検出感度を下げているので、不具合が発生しても検出できない場合があります。このような場合はモード5 - リアルタイム診断表示モードで不具合信号系統を絞り込みます。

不具合のある信号系統のコード番号を調べる

まずは不具合が発生している信号系統のコード番号を調べます。コード番号はランプの点灯パターンでわかります。
点灯パターンとコード番号および信号系統の関係は次表のとおりです。
表中の"●"一つはランプの1点灯を示しています。"●●"は2回点灯です。
赤ランプの点灯数でコード番号の十の位を、緑ランプの点灯数でコード番号の一の位を表しています。
例えば赤ランプが1回点灯して緑ランプが2回点灯したら12です。コード番号12は表からエアフローメーター信号系統だとわかります。

点灯パターン(繰り返す) コード番号 信号系統
全体12秒
消灯 赤ランプ
点灯
消灯 緑ランプ
点灯
4.8秒 2.4秒 2.4秒 2.4秒
11 クランク角センサー信号系統
●● 12 エアフローメーター信号系統
●●● 13 壁温センサー信号系統
●● 21 イグニッション信号系統
●● ●● 22 フューエルポンプ信号系統(F31レパード前期のみ)
●●● ●●●● 34 ノックセンサー信号系統
●●●● ●●● 43 プレッシャーセンサー信号系統(F31レパード前期VG20E・Tジェットターボ仕様のみ)
●●●● ●●●● 44 異常なし(正常)

信号系統の状態を知る

コード番号に対応する信号系統とその状態およびフェイルセーフ機能は次表のとおりです。
なおコード番号11と12が表示された場合は先にコード番号11のクランク角センサー信号系統を点検してください。

コード番号 信号系統 異常(コード番号)が表示される状態 フェイルセーフ機能
11 クランク角センサー信号系統
  • エンジンを始動しても1°信号または120°信号が入力されない。
  • 信号に歯抜けがある。
  • 点火時期固定
  • オイルプレッシャーランプを3秒間隔で点滅
    (VG30DET、VG20DETを除く)
12 エアフローメーター信号系統
13 壁温センサー信号系統
  • 始動時は20℃と見なす
  • 始動後は80℃と見なす
  • 始動時~始動後へは徐々に移行する
21 イグニッション信号系統
  • エンジンを始動しても、点火信号が発生しない。
22 フューエルポンプ信号系統
(F31レパード前期のみ)
   
34 ノックセンサー信号系統
  • ノックセンサー信号系統の断線、または短絡。
  • ノックコントロール領域内で一定量(5°)遅角する
43 プレッシャーセンサー信号系統
(F31レパード前期VG20E・Tジェットターボ仕様のみ)
   
44 異常なし(正常)
  • 以上の各系統に異常が見つからない場合。

診断方法

手順 操作 ランプ表示 内容の解説
1

〔ランプのチェック〕


ECCSコントロールユニットの調整ボリュームが左回し状態(ラベルの自己診断以外の位置)にあることを確認し、 キースイッチを「ON」にする(エンジンは停止状態または始動のどちらでもよい)。
赤ランプ・緑ランプ点灯 球切れおよびECCSコントロールユニットの電源を確認する。
バックアップシステムが作動中は赤ランプが点滅して警報を行う。
2

〔通常の自己診断の表示〕


調整ボリュームでモード3 - 通常自己診断表示モードにする。
コード番号表示 この状態で表示されるコード番号は、過去に異常を検出して記憶されている項目である。
異常がない場合はコード番号44が表示される。
3

〔記憶消去〕


異常箇所の点検、修理が終了したら、調整ボリュームでモード3に2秒置いた後、モード4に切り替えて診断結果の記憶を消去する。

自己診断結果の記憶消去について

通常自己診断表示モード(モード3)に約2秒置いた後、調整ボリュームによるモード切換操作により、次のスイッチON-OFF診断表示モードに移行したときに記憶が消去されます。

古い診断結果をいつまでも記憶し続けると故障診断時に誤認する可能性があるため、診断結果はある期間記憶した後、自動的に消去されます。

記憶保持の期間はスタータースイッチの信号を用い、異常を検出してからスタータースイッチが50回ONするまでは故障の記憶を保持し、50回ごとに記憶が自動的に消去されます。

バックアップ表示モード | 空燃比フィードバック表示モード

通常自己診断表示モード | スイッチON-OFF診断表示モード

リアルタイム診断表示モード

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