公開日:2007年7月19日
最終更新日:2016年1月21日

ECCSの自己診断システム(前期)

Self-diagnosis System of the ECCS(Early Type)

カテゴリー : 基本資料

Y31シーマ・Y31セドリック・グロリアの前期型に適用

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概要

ECCSには整備性を向上させるための自己診断システムが備わっています。

ECCSの信号系統に起因する不具合の場合この機能を利用すると不具合系統を絞り込めます。

診断結果はECCSコントロールユニットのモニター&チェックランプ(赤ランプと緑ランプ)およびオイルプレッシャーランプに表示(点灯、点滅)されます。

診断モード

ECCSの自己診断システム(前期)には5つの診断モードがあります。

モード番号 診断モード 用途および機能
モード1 バックアップ表示モード 通常はキー「ON」でかならずこのモードになる。

異常が発生してECCSコントロールユニットがバックアップモードになった場合は赤ランプ(およびオイルプレッシャーランプ) が点滅する。
モード2 空燃比フィードバック表示モード 緑ランプで空燃比のリーン、リッチを表示し、これでO2センサーの機能を確認する(モード1でも緑ランプは表示する)。
赤ランプでフィードバック係数を表示する。
この赤ランプと緑ランプの点滅状態で空燃比の制御状態を確認する。
モード3 通常自己診断表示モード 過去に記憶している不具合を赤ランプと緑ランプの点滅でコードを表示する。
モード4 スイッチON-OFF診断表示モード スタートスイッチ、スロットルバルブスイッチ、車速センサーの作動を運転しながらその場で確認する。
モード5 リアルタイム診断表示モード クランク角センサー、点火信号、エアフローメータ信号を運転しながら診断し、異常発生時にその場で知らせる。

使い方

自己診断システムはECCS構成部品個々の診断を行うものではなく回路の信号を診断するもので、これにより不具合系統を絞り込むものです。

いままでにどんな異常が起きていたかは通常自己診断表示モードで確認します。表示されたコードが現在も発生している不具合なのか現在の不具合と関係があるのかを見極めることが大切です。
いま現在、信号系統に不具合が発生しているかどうかはリアルタイム診断表示モードスイッチON-OFF診断表示モードで確認します。
また不具合が再現できるときは一度記憶消去してから再度、自己診断すると有効です。

通常自己診断表示モードでは誤診断を防ぐためある程度検出感度を下げています。不具合が発生していても検出できない場合があります。このようなときはリアルタイム診断表示モードで不具合信号系統を絞り込んでいきます。

通常自己診断表示モードで表示された不具合系統をリアルタイム診断表示モードで確認するのも効果的です。

スロットルバルブスイッチなどのON-OFF信号が実際に入力されているかどうかは、スイッチON-OFF診断表示モードでアクセル操作しながら確認します。

ECCSコントロールユニットの赤ランプとオイルプレッシャーランプは連動するため、赤ランプが点灯するときはオイルプレッシャーランプも同期して点灯します。


診断モードの切換方法

※アイドル制御回転調整ボリュームを回して切り換えるため、回す前の位置を覚えておいてください。

  • キースイッチを「ON」にするとかならずバックアップ表示モードになります。この状態(エンジン停止中)では赤ランプ、緑ランプとも点灯します。
  • ECCSコントロールユニット側面のアイドル制御回転調整ボリュームを右回り(時計方向)に止まるまで回します(マイナスドライバー使用)。この状態で約2秒以上経過すると次々にモードが切り換わります。その時々のモードは赤ランプ、緑ランプの点滅回数でモード番号を表します。例えば空燃比フィードバック表示モード(モード2)の場合は赤ランプ、緑ランプが同期して2回点滅します。
赤ランプ、緑ランプと調整ボリューム
  • 診断モードはモード1→2→3→4→5→1→2・・・と切り換わります。各モードは1サイクル毎です。
  • 診断モードを固定するには希望するモードの点滅を確認後1秒以内に調整ボリュームを左回り(反時計方向)に回します。
  • 診断モードに関係なくキー「OFF」後に約6秒以上経過後再びキー「ON」にするとバックアップ表示モード(モード1)に戻ります。

なお診断モード切換中はAACバルブが全閉になるため、冷機時やエアコンON負荷時などではエンストしやすくなります。

診断モードの詳細

各モードごとに参照してください。


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