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公開日:2004年6月26日
最終更新日:2011年1月4日


診断機能もあります


ドライブガイドのオプション機能
(基本資料)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアの後期型で
マルチAVシステム装着車に適用


ドライブガイドキーボード


マルチAVシステムのドライブガイドには、診断と調整を容易にするためのオプション機能が備わっています。マルチAVシステムの自己診断機能よりも多機能ですので、いままで見たこともないような画面がいっぱい出てきます(画像は用意していませんので、各自愛車で確認してください)。

Y31の真髄に触れるとも言える画期的な資料なのですが、システム全体を撤去してしまった管理人にとってはすばらしきムダ知識となっています。

(※)クルマの移動を伴いますので、十分注意して行ってください。また、安易な気持ちで実施すると誤った補正をしてしまうおそれがありますので、心して実行してください。

このページはブックマークを多用していますので、元に戻るにはブラウザの”戻る”ボタンが便利です。

 

診断・調整項目

診断・調整項目 診断・調整内容

1.結線チェック

インヒビタースイッチの「R」,「D」、ライトスイッチ、方位センサー、車輪回転センサーの結線状態を診断する

2.センサー調整

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正

ユニット交換時、センサー交換時、タイヤ交換時およびドライブガイドの誤差が大きい時に調整する

2-2.方位補正

2-3.タイヤ交換時補正

2-4.距離微調整

3.故障診断

3-1.方位センサー確認

各センサーおよびスイッチからの入力信号を表示する

3-2.車速センサー確認

3-3.ナビスイッチ、ブザーチェック

3-4.CRTチェック

CRTディスプレイにカラーバーを表示する

3-5.チェックリスト

ドライブガイドコントロールユニットのデータを表示する

 

操作要領

準備

オプション機能に切り換える前に次の操作をします。

オプション機能に入る前の準備
●空いている広い駐車場など、安全な場所にクルマを止める。
●エンジンが停止している場合は始動しておく。

オプション機能に切り換える

ノーマルモードからオプション機能に切り換えるには、ドライブガイドキーボードの「地図」ボタンと「回転」ボタンを同時に3秒以上押します。

オプション機能メニュー画面

オプション機能に切り換えると、オプション機能メニュー画面が表示されます。”結線チェック”、”センサー調整”、”故障診断”の3つのモードがあります。各モードの切り換えは、「↑」、「↓」、「←」、「→」のボタンで選択し、「セット」ボタンを押します。

オプション機能からノーマルモードに切り換えるには、キースイッチを「OFF」にします(未確認)。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 


1.結線チェックモード

オプション機能メニュー画面で”結線チェック”を選択して「セット」ボタンを押すとこのモードになります。

結線チェックモードに切り換えると、画面に”結線チェック”と操作指示が表示されるので、その通り操作すれば結線チェックができます。

右前進での結線チェックにおいては、ヘッドライトをつけ、A/Tセレクトレバーを「D」に入れて右前進し、停車し、そのままの状態で「セット」ボタンを押します。

左後進での結線チェックにおいては、ヘッドライトを消し、A/Tセレクトレバーを「R」に入れて左後退し、停車し、そのままの状態で「セット」ボタンを押します。

結線チェックが終了すると、結果は”(変化)”の欄に”あり”、”なし”で表示されます。この”変化”というのは、結線チェックモードに切り換えてから各信号が変化したかどうかを示しています。

チェック信号名 内容 結果(変化)
車両信号 R インヒビタースイッチの「R」(リバース)信号

それぞれ”あり”
または
”なし”を表示

D インヒビタースイッチの「D」(ドライブ)信号
L ライトスイッチ信号
方位センサー X 方位センサーのX軸信号
Y 方位センサーのY軸信号
車速センサー 車輪回転センサー(右)信号
車輪回転センサー(左)信号

変化”あり”が表示されていればその信号は結線されている(正常)と判断できます。
変化”なし”が表示された場合は、結線されていない(断線している)か、または操作を怠ったと判断できます。

車速センサーの欄に”×”が表示されることがありますが、これは前進操作時に車輪回転センサーが左折していると判断したことを示しています。

結果が表示されている時に「リターン」ボタンを押すと、前画面に戻ります。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

2.センサー調整モード

オプション機能メニュー画面で”センサー調整”を選択して「セット」ボタンを押すとこのモードになります。

まずは言い訳がましいことから・・・

ドライブガイドコントロールユニットでは、天井中央に取り付けられている方位センサーで求まる方向と、前輪の左右の回転差から求まる方向と、タイヤの回転から求まる移動距離からクルマの移動を計算しています。

方位センサーは、少なからず車体の影響を受けます。この影響の度合いはクルマ毎に異なり、理論的に算出するのは困難です。また、前輪の左右の回転差は、タイヤの製造バラツキや前輪荷重のバラツキにより、本来直進時に回転差が0であるべきところで誤差が出てしまいます。

このような理由により、ユニット交換時、方位センサー交換時、タイヤ交換時、およびドライブガイドの誤差が大きい時にはセンサー調整をする必要があるのです。

センサー調整メニュー画面

センサー調整モードに切り換わると、この画面が表示されます。画面には”センサー調整”が表示され、下表の4つの調整機能が選択できます。機能の選択は、「↑」、「↓」、「←」、「→」のボタンで行い、「セット」ボタンを押します。なお、「リターン」ボタンを押すと、前画面に戻ります。

各機能は表のように調整内容が組み合わさっています。調整内容が重複している部分はブックマークを貼って省略してあります。

センサー調整機能 調整内容 備考
2-1.工場出荷時
ユニット交換時補正

車両情報設定左右車輪速センサー補正車体磁気補正車体磁気歪み分補正

ユニット交換時、方位センサー交換時、ドライブガイドの誤差が大きい時に補正する
2-2.方位補正 車両情報設定、左右車輪速センサー補正、車体磁気補正 ドライブガイドの誤差が大きい時に補正する
2-3.タイヤ交換時補正 車両情報設定、左右車輪速センサー補正 タイヤ交換時に補正する
2-4.距離微調整 距離微調整 方向は正しいが距離の誤差が大きい時に補正する

 

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正

ユニット交換時、方位センサー交換時、ドライブガイドの誤差が大きい時に補正します。

この補正はクルマを正確に東西南北に向ける必要があるので、正確にセットできる広い場所で行う必要があります。また直線走行やクルマを360°旋回させる必要もありますので場所を選ぶ必要があります。

センサー調整メニュー画面で”工場出荷時、ユニット交換時補正”を選択するとこの補正機能が開始されます。

車両情報設定画面

最初にこの画面が表示されるので、車種・サンルーフ有無を選択して「セット」ボタンを押します。

左右車輪速センサー補正画面

次にこの画面が表示されます。傾斜がなく、タイヤスリップの原因となる砂などのない直線道路に移動してから「セット」ボタンを押し、500m直線走行します。500m以内でカーブにさしかかるなどして直線走行できなくなる場合は、直進できなくなる前に「セット」ボタンを押して一時中断し、再び直進できるようになってから「セット」ボタンを押せば再開できます。この一時中断は何度でも繰り返すことができ、直線走行の合計が500mを越えると補正が終了します。

入力データに異常がある場合には、”異常データが入力されています”が表示されるので、この画面の最初からもう一度行います。ここで「リターン」ボタンを押すとセンサー調整メニュー画面に戻ります。

”補正終了”が表示されたら、「セット」を押して次の補正画面に進みます。「回転」ボタンを押すと中断するので現在位置の設定をします。

車体磁気補正画面

次に車体磁気補正画面が表示されます。約20m四方にビルや他車などのない所にクルマを移動し、「セット」ボタンを押してから5〜10km/hで360°旋回させます。このとき、CRTディスプレイにセンサーのデータが表示されるので、この形状が円か楕円であることを確認します。形状が角ばっていたり、一部へこんでいたりする場合には、場所を変えてもう一度実施する必要があります。

データが正常な時は、”補正を終了しました”と”中心座標値(n,n)”、”方位円半径 n”が表示されます。方位円半径は通常50〜150です。「セット」を押すと次の補正画面に進みます。

データが異常な時は、”方位円環境悪し”と表示されるので、場所を移し、この補正画面の最初からもう一度実施します。ここで中止するには「リターン」ボタンを押します。

車体磁気歪み分補正画面

あらかじめ、約10m四方にビルや他車などのない所に、地磁気の東西南北の4方向にラインを正確(誤差1°以内)に描いておきます。

クルマをラインに沿って東に向けて「セット」ボタンを押します。すると、補正値が表示されます。同様にラインに沿って北、西、南の順に向けてそれぞれ「セット」ボタンを押します。

データが正常な時は、”補正を終了しました”と新補正値と旧補正値(センサー調整する以前の値)が表示されるので、一応メモしておきます。ここで「セット」ボタンを押すと終了画面が表示されます。

補正値の正常値
355°〜5°
85°〜95°
西 175°〜185°
265°〜275°

データが異常な時は、”方位の関連性不良”と新補正値と旧補正値(センサー調整する以前の値)が表示されるので、「セット」ボタンを押してもう一度実施します。ここで中止するには「リターン」ボタンを押します。

工場出荷時補正終了画面

”[OK]”と”全補正を終了しました”が表示されます。ここで「セット」ボタンを押すと工場出荷時の現在位置設定の場所(日産栃木工場)が表示されるので、「現在地」ボタンを押して正しい現在位置の設定を行います。

2-2.方位補正

ドライブガイドの誤差が大きい時に補正します。

この補正は直線走行やクルマを360°旋回させる必要がありますので広い場所で行う必要があります。

センサー調整メニュー画面で”方位補正”を選択するとこの補正機能が開始されます。

車両情報設定画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の車両情報設定画面と同じです。

左右車輪速センサー補正画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の左右車輪速センサー補正画面と同じです。

車体磁気補正画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の車体磁気補正画面と同じです。

方位センサー補正終了画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の工場出荷時補正終了画面と同じです。



2-3.タイヤ交換時補正

タイヤ交換時に補正します。

この補正は500m直線走行させる必要があります。

センサー調整メニュー画面で”タイヤ交換時補正”を選択するとこの補正機能が開始されます。

車両情報設定画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の車両情報設定画面と同じです。

タイヤサイズ設定画面

”215/60 R15”、”205/65 R15”などと対応する参考車種名が表示されるので、該当するサイズを選択して「セット」ボタンを押します。

左右車輪速センサー補正画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の左右車輪速センサー補正画面と同じです。

タイヤ交換時補正終了画面

2-1.工場出荷時、ユニット交換時補正機能の工場出荷時補正終了画面と同じです。

2-4.距離微調整

方向は正しいけれど距離の誤差が大きい時に補正します。

この補正は走行させる必要はありません。

センサー調整メニュー画面で”距離微調整”を選択するとこの補正機能が開始されます。

距離微調整画面

バーグラフで-6%〜0〜+6%が表示されるので、「↑」、「↓」、「←」、「→」のボタンでカーソルを左右に動かします。実際の走行距離に比べて表示が大きい時はマイナス側へ、小さい時はプラス側へ動かします。調整したら「セット」ボタンを押します。

 

◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

3.故障診断モード

オプション機能メニュー画面で”故障診断”を選択して「セット」ボタンを押すとこのモードになります。故障診断には5つのモードがあり、ユニットの入力信号の点検などを行うことができます。

診断名 診断内容
3-1.方位センサー確認 方位センサーX軸信号とY軸信号を表示する
3-2.車速センサー確認 前輪左右の車輪回転センサーの信号を基に、前輪左右の車輪速および積算距離を表示する
3-3.ナビスイッチ、ブザーチェック ドライブガイドキーボードぼボタンを押したかどうか表示する
3-4.CRTチェック CRTディスプレイにカラーバーを表示する
3-5.チェックリスト ドライブガイドコントロールユニットのデータを表示する

故障診断メニュー画面

故障診断モードに切り換わると、故障診断メニュー画面が表示されます。画面には”故障診断”が表示され、下表の5つの診断機能が選択できます。機能の選択は、「↑」、「↓」、「←」、「→」のボタンで選択し、「セット」ボタンを押します。

3-1.方位センサー確認

故障診断メニュー画面で”方位センサー”を選ぶと、この画面が表示されます。方位センサーのX軸信号とY軸信号の値とグラフが表示されるので、次の作動を確認することで、方位センサーが正常かどうか診断できます。

正常判定基準
●クルマの向きを変えると、X軸信号とY軸信号の値が変化すること。
●クルマを右旋回すると、グラフ表示が時計方向に動くこと。
●約20m四方にビルや他車などがない所(磁気の影響を受けないところ)でクルマを旋回させると、グラフ表示が円または楕円を描くこと。
●X軸信号の値が、クルマが西向き<北向き、クルマが南向き<東向きであること。
●Y軸信号の値が、クルマが南向き<東向き、クルマが西向き<北向きであること。

「リターン」ボタンを押すと、故障診断メニュー画面に戻ります。

3-2.車速センサー確認

故障診断メニュー画面で”車速センサー”を選ぶと、この画面が表示されます。「セット」ボタンを押すと積算を開始します。

車輪回転センサーの信号を基に前輪左右の車輪速(L,R)と積算距離(L,R)が表示されるので、次の作動を確認することで、車輪回転センサーが正常かどうか診断できます。

正常判定基準
●クルマを走行させると、車速に比例して車輪速の値が大きくなること。
●クルマを走行させ、実走行距離と表示される積算距離がほぼ等しいこと。
●クルマを右旋回させると、左車輪速の値が右車輪速の値よりも大きいこと。
●クルマを左旋回させると、右車輪速の値が左車輪速の値よりも大きいこと。

「リターン」ボタンを押すと、故障診断メニュー画面に戻ります。

3-3.ナビスイッチ、ブザーチェック

故障診断メニュー画面で”ナビSW、ブザー”を選ぶと、この画面が表示されます。

ドライブガイドキーボードと同じ配列が表示されるので、次の順にボタンを押し、ブザー音の確認と各ボタンに対応した表示がブルーに変化するのを確認することで、キーボードが正常かどうかチェックできます。なお、「OFF」ボタンを押した時に一旦表示が消えますが、「地図」ボタンを押せば表示が戻ります。

ボタン操作順序
「OFF」→「地図」→「案内」→「↑、↓、←、→」(どの順でも良い)→「登録値」→「目的地」→「現在地」→「回転」→「広域」→「詳細」→「セット」→「リターン」

「リターン」ボタンを押すと、”R”の表示がブルーに変化し、故障診断メニュー画面に戻ります。

3-4.CRTチェック

故障診断メニュー画面で”CRT”を選ぶと、この画面が表示されます。CRTディスプレイにカラーバーが表示されるので、次の項目をチェックします。

正常判定基準
●色相に相違がないこと。
●各色間に色にじみがないこと。

「リターン」ボタンを押すと、故障診断メニュー画面に戻ります。

3-5.チェックリスト

故障診断メニュー画面で”チェックリスト”を選ぶと、この画面が表示されます。

この画面にはドライブガイドコントロールユニットのデータが表示されます。6桁の数字がコード番号で、その右の数字が対応するコードの回数です。「↑」、「↓」ボタンでスクロールできます。

「リターン」ボタンを押すと、故障診断メニュー画面に戻ります。

赤および黄色のコードの回数をメモしておき、一旦ノーマルモードに戻した後、もう一度チェックリストを表示させ、前回のものと比較して、回数が増えていればドライブガイドコントロールユニットの不良と判定できます。



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