応用編1 車速感知式マフラー
このページの先頭へ

仕様:車速感知でバルブ全開
ノーマルはエンジン回転数に応じてマフラーバルブを開閉するのに対し、車速感知式ではクルマが停車しているか走っているかを感知してそれに応じてマフラーバルブを自動的に開閉します。これにより停車中(アイドリング中)の消音性と、走行中は常に排気効率アップが望めるようになります。
車速 |
マフラーバルブ |
特徴 |
なし |
閉じる |
消音性重視 |
あり |
開ける |
出力重視 |
解説
これまでのテスト走行により、バルブを開いておくと体感的に高出力が望めることがわかっています。このため常にバルブを全開にしておきたいのですが、契約している駐車場が住宅街のど真ん中にあるので排気音には気を使います。せめてアイドリング中くらいは静かにしようと思い、車速感知式に改良しました。
どのように改良するか
改良の基本は、マフラーバルブやアクチュエーターはそのままで、コントロールユニットだけすり替える方法をとります。
この車速感知式仕様はマフラーコントロールユニット(改)と車速感知アダプターの構成で成り立ちます。
純正のコントロールユニットを取り外し、代わりにコントロールユニット(改)を取り付けます。
走行中か停車中かを知るには、車速感知アダプターを使います。アダプターの出力は[停車中12V]と[走行中12V]がありますが、この装備では[走行中12V]を使います。これなら最悪断線してもマフラーバルブが閉じた状態になるので、ノーマルの状態が維持できます。
構成図

クリープ現象から車速感知
改良後は、ブレーキペダルから足を放すとクリープ現象の段階から車速を感知してマフラーバルブが全開になるので、アクセルペダルを踏み込んだ瞬間から瞬発力が感じられます。
停車状態ならどんなにアクセルペダルを踏んでも排気音と排出ガスはノーマルのときと変わらないので検査にも適応するでしょう。
なお、車速感知アダプターを使っている都合で、停車してからマフラーバルブが閉じるまでに2〜3秒の時間差があります。
仕様 |
エンジン回転数との関係 |
車速との関係 |
キースイッチを[ON]の位置にしたとき |
キースイッチを[START]の位置にしたとき |
ノーマル |
4,600回転以上でマフラーバルブを全開。4,500回転以下で全閉。ほか。 |
なし |
3秒間マフラーバルブを全閉にするリセット動作が行われる。※この3秒間とはバルブに動作命令を送り続ける時間で、実際にバルブが動作する時間は1秒程度。 |
マフラーバルブを全開にするセット動作が行われる。効果的にエンジンを始動できる。 |
改良後 |
なし |
車速を感知するとマフラーバルブを全開。
停車を感知してから2〜3秒後に全閉。※この2〜3秒とは車速感知アダプターの仕様。 |
なし |
なし
※ただし、コントロール入力にST信号(START電源)を接続した場合は、ノーマル仕様と同じ。 |
改良後はどうか
ノーマルの場合はA/T特有の滑るような感じで加速するので、スイッチのON/OFFのような単調なアクセルペダル操作で走行できますが、改良後はアクセルペダルを少し踏んだだけでも過敏に反応するので、マニュアル車のようなキビキビした走りができます。
例えば、ノーマルで60km/hの走行が心地良いとするなら、改良後は60km/hでは物足りなく、プラス20km/hくらいで走りたくなります。
・・・というよりは、知らないうちにプラス20km/hくらい出てしまいます。
どちらかというと、登板道はノーマルの方がトルクの強さが感じられます。
加速時の排気音は若干大きくなりますが、定速走行時の音はノーマルより静かに感じます。これは、低回転で走るようになったことと排気音が低音寄りになったため聞こえにくいのだと思います。
暖機運転中は排気が抜けすぎる感じがして思うように走りませんので、このときにノーマルに戻せるような改良が必要です。
モニターランプで作動確認

自作モニターランプ
マフラーバルブの作動状態は自作GPSアンテナ風のモニターランプで確認できるようにしました。キースイッチが「Acc」以上で黄色LEDが高速点滅し、
キースイッチが「ON」以上でかつマフラーバルブの全開動作中は緑色LED(後に青色LED化)、全閉動作中は赤色LEDが点灯します。
|