初代シーマに乗ろう サイトマップ

ホーム > 排気系統 > デュアルモードマフラー > マフラーコントロールユニット(改)

公開日:2004年6月8日
最終更新日:2013年12月14日


独自のタイミングでマフラー制御できる


マフラーコントロールユニット(改)
追加装備

Y31シーマ全車および
Y31セドリック・グロリアのVG20DET搭載車に適用

標準装備のデュアルモードマフラーはこちらをご覧ください

マフラーコントロールユニット(改)
純正の部品をリサイクルして製作した新しいコントロールユニット

仕様

マフラーに取り付けられているバルブを独自のタイミングでコントロールできるようにします。これにより思い通りの排気特性にできます。

※この装備は単品では作動しません。入力次第で自動制御が可能です。

コントロール入力に基づく電子制御で純正デュアルモードマフラーのバルブを開閉可能
コントロール入力 マフラーバルブの状態 期待できる効果
12V 開く 排気効率の改善。パワー重視。
OPEN(12V入力なし) 閉じる 静粛性の確保。トルク重視。

なお、任意の開度(途中)でバルブを固定することはできません(ノーマルの場合もできません)。

この装備はオリジナルですが、日産が考えそうな名称で言うと「電子制御可変マフラーバルブタイミングコントロールシステム」(VEMTCS:Variable Muffler Valve Timing Control System)となります。


解説

Y31シーマではエンジン回転数やスロットル開度に応じてマフラーバルブを開閉させ、消音性と排気効率アップの相反する機能の両立を図っていますが、穏やかな運転程度の通常の使用範囲ではバルブが開くことはありません。

そこで、自分が意図したタイミングでマフラーバルブをコントロールできないものかと考えて製作したのが本装備です。

この装備を装着すると、コントロール入力に電源をつなげるだけで簡単にマフラーバルブを開閉できるようになります。

この改良はデュアルモードマフラーを持つ他車種にも応用できると思いますので参考にしてみてください。


バルブを開けるとどうなるか

バルブを開けて走行してみると、エンジンが低回転で走ろうとするので音は静かになります。しかし、加速するときに低回転からのスタートとなるので少々もたつき気味で、アクセルペダルを踏んでも速度が追いついてこない場合もあります。アクセルペダルを踏んでも回転が上がりにくくなるのでこのような症状になるのでしょう(暖機中は特にこのようになります)。

ただ、積極的にエンジンが得意とする回転域を使って走る分には、気持ちよい走りができます。

走行中にアクセルペダルから足を離したときの減速感はほとんどありません。このため、停車するかなり手前からアクセルペダルを踏まないようにすれば、燃費が向上することは間違いないでしょう。

ODスイッチをOFFにしてもエンジンブレーキの効きが弱く、エンジンブレーキを必要とする場面では慣れないと非常に危険です。平地ではODスイッチをOFFにしておくと普通に走れます。

登り坂では排気が抜けすぎるためか排気音が大きくトルクは感じられません。このような時はODスイッチをOFFにするか、急坂では2速にシフトダウンするなどして、エンジン回転数の高い部分を使う必要があります。


製作

本装備はコントロール入力に応じてデュアルモードマフラーのアクチュエーターに内蔵されているモーターを回転させます。
モーターを正回転させるとマフラーバルブが開き、反対に逆回転させると閉じます。

モーターの駆動には純正のマフラーコントロールユニットに組み込まれていたTOSHIBAのモータードライバーIC「TA8050P」を使います。
これは、1.5AまでのDCモーター用ドライバーICで、正回転、逆回転、停止、ブレーキの4つの機能を持っています。ロボットなどに使う電子部品です。


回路図

マフラーコントロールユニット(改)回路図

 

実体配線図

マフラーコントロールユニット(改)実体配線図

入出力表

IG電源を得る場所によってはエンジン始動時にバッテリー電圧が下がることがあります。純正のコントロールユニットコネクタの端子No.2(IG電源)は、エンジン始動時に約8Vまで降下します。

電圧が下がるとコントロールユニット内部の充電電圧との間に差が生じ、モーターの両極に電圧がかかるような症状が起こりますが特に問題はありません。

端子名称 入出力 内容
IG電源 入力 純正のマフラーコントロールユニットに接続されていた緑地に白ラインのコードか、キーが[ON]で12Vが出るコードに接続する。
コントロール入力 入力 バルブを開けたいときは12Vを入力する。バルブを閉じたいときは12V入力を止める。
例えば、車速感知式マフラー仕様にする場合は、車速感知アダプターの[走行中12V電源]に接続する。
さらに、エンジンをかけるとき(セルモータ作動中)にバルブを開けたいときは、ST信号(START電源)を接続す る。
入力に複数接続する場合は、逆流防止ダイオードを接続すること。
バルブオープン信号 出力 純正のマフラーコントロールユニットに接続されていた赤地に白ラインのコードか、マフラーアクチュエーターの同コードに接続する。
バルブクローズ信号 出力 純正のマフラーコントロールユニットに接続されていた赤地に青ラインのコードか、マフラーアクチュエーターの同コードに接続する。
アース - 純正のマフラーコントロールユニットに接続されていた黒地のコードか、バッテリーのマイナス端子やボデーに接続する。

※詳しくは、コネクタ表を参照してください。


パーツリスト


部品は必要最小限の構成です。製作中に、モーター(または負荷)の種類によってはICが誤作動や発振して、AMラジオに影響があることを確認しています。車両のモーターでも時々影響があります。特に問題はありませんが、気になるようであれば、何らかのノイズ対策が必要になります。

写真のマッチ棒は大きさ比較のために入れました。

構成部品 数量 説明
IC
1 TOSHIBAのTA8050P。ブレーキ機能付き1.5A直流モータードライバー。

サーマルシャットダウンなどの保護回路内蔵。

純正のマフラーコントロールユニットから取り外したものを使用。

このICを使うと、モーターへの電源供給をカットしたときに、自動的にブレーキがかかるため、反動でモーターが回り続けることはない。

価格はわからないが、それほど高くないと思う。おそらく電気街までの往復の交通費の方が高く付くだろう。
リレー
1 12Vで作動する2回路リレー。超小型。300円程度。

写真のMATSUSHITA DF2-DC12Vを使用したが、小さいものなら何でも良い。

大きなリレーは、それ自体の消費電力と何よりも動作音が気になるので使用は避ける。
電解コンデンサー 2 10μF/25V。50円程度。

モーターの作動時間をこの部品で決定している。

充電に要する時間をタイマーとして利用。モーターの作動時間はこの容量で2〜3秒となる。

容量が大きいほど時間が長くなる。バルブが全開または全閉するのに要する時間は1秒程度なので、あまり時間を長くしても意味がない。

容量が小さいと時間が短くなりバルブが途中までしか開かなくなるが、これで任意の位置での途中停止が可能となる。
コネクタ 2 3Pと2Pを使用。カー用品店で入手できる物。
ケース 1 タカチ電機工業のプラスチックケースSW-55を使用。W40×H20×D55。100円程度。何でもよい。

 

ICの端子表

端子No.
(向かって左から)
名称 電圧 入出力 内容
1 DI1 H/L 入力 モーターコントロール入力端子1。ICの入出力表を参照のこと。
2 DI2 H/L 入力 モーターコントロール入力端子2。ICの入出力表を参照のこと。
3 M(+) H/L 出力 モーターの(+)端子。電圧が[H]のとき正回転。

純正のマフラーコントロールユニットに接続されていた[バルブ閉信号](赤字に青ラインのコード)に接続する。
4 GND L - アース
5 M(-) H/L 出力 モーターの(-)端子。電圧が[H]のとき逆回転。

純正のコントローラに接続されていた[バルブ開信号](赤字に白ラインのコード)に接続する。
6 N.C - - 未接続(未使用)
7 Vcc H 入力 電源(キースイッチを[ON]にしたときに12Vが出力されるIG電源に接続)
※[H]はバッテリー電圧、[L]はアースを示す。

 

ICの入出力表

入力 出力 動作
端子No.1 端子No.2 端子No.3 端子No.5
DI 1 DI 2 M (+) M (-)
H H L L 停止
L H L H 逆回転(マフラーバルブをオープン)
H L H L 正回転(マフラーバルブをクローズ)
L L OPEN(ハイインピーダンス) ブレーキがかからない状態
※このICは[L](アース)入力で動作する(これ重要!)。[H](12V電源)だけ入力しても出力は変わらない。
※[OPEN](ハイインピーダンス)は出力端子を開放したような状態で、モーターの回転がフリーになり惰力で回る。

 

コネクタ表

1
2 3

コネクタ色:白

4 5

コネクタ色:黒

この装置はトランクルーム右奥内張裏に設置しました。

端子No.4と5は、マフラーアクチュエーターにつなげます。

端子No.2(コントロール)に12Vを入力するとマフラーバルブが開く仕様にしていますが、端子No.4と5を入れ換えれば、逆の作用をするハズです。

「(入力)」、「(出力)」はコントロールユニットへの入力、コントロールユニットからの出力を示しています。

端子
No.
名称 コード 電圧 内容
太さ
1 IG電源(入力) - 12V/0V

キーが「ON」と「START」のときに12V。
 
マフラーコントロールユニット(改)の電源、および、マフラーバルブを動かす電源として使用。

これはノーマルのマフラーコントロールユニットの端子No.2(IG電源)のコードにつなげる。

2 コントロール(入力) - 12V/OPEN マフラーバルブを開けるか閉じるか指定する。
12Vの入力でバルブが開く。OPENにすると(12V入力を止めると)バルブが閉じる。

車速感知アダプターや燃料流量感知アダプターカーナビのアンテナコントロール線など、いろいろな電装品につなげられる。
3 アース - 0V 常に0V。

これはノーマルのマフラーコントロールユニットの端子No.5(アース)のコードにつなげる。

 

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
4 バルブクローズ信号(出力) - 12V/0V デュアルモードマフラーのマフラーバルブを全閉にする電源(マフラーアクチュエーターのモーターを回転させる電源)。

バルブクローズのとき12V。それ以外は0V。
5 バルブオープン信号(出力) - 12V/0V デュアルモードマフラーのマフラーバルブを全開にする電源(マフラーアクチュエーターのモーターを回転させる電源)

バルブオープンのとき12V。それ以外は0V。

 

応用編

この装備を使った応用例を別ページで紹介します。

応用編のページへ
応用編1 車速感知式マフラー(←2001年7月からこの仕様でした)
応用編2 リモコン式マフラー(←一時期この仕様でした)
応用編3 燃料流量感知式マフラー(←2004年4月からこの仕様でした)
応用編4 ODスイッチ連動式マフラー(←2005年8月からこの仕様です)
応用編5 その他の方式

(それぞれマフラーバルブを開閉するタイミングが異なります)


関連ページ


基本資料 〜 デュアルモードマフラー
コネクタ表 〜 マフラーアクチュエーター
コネクタ表 〜 マフラーコントロールユニット
追加装備 〜 マフラーコントロールユニット(改)応用編

 

ホーム | サイトマップ | このサイトについて | ご利用条件 | プライバシーポリシー
© 2004-2019 初代シーマに乗ろう実行委員会