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公開日:2006年8月16日
最終更新日:2009年11月29日

変速点が異常に高い

変速の異常
(メンテナンス)

Y31シーマおよび
Y31セドリック・グロリアのA/T(4速、5速)装着車に適用(できるか?)


この写真は日産で撮ったものですが、記事とは無関係です

概要

走行距離19万キロの頃、変速ポイントが高く、高回転を保ったままなかなか変速しない、変速ショックが大きい、という症状が現れました。


費用

約22万円(ミッション+トルコン+工賃)


詳細

1速から2速への変速時と、2速から3速への変速時に、回転数が異常に高くなるまで引っぱる症状が現れました。

なかなか変速しないときにアクセルペダルを戻すと変速します。

定速走行中(約45km/h、約2500rpm)にA/TモードスイッチのPOWERインジケータ"P"がときどき点灯します。インジケータ点灯中にODスイッチを「OFF」にするか、回転数が下がると消灯します。


A/Tの自己診断は正常

キースイッチを「ON」にしたときのA/TモードスイッチのPOWERインジケータ"P"の表示は正常で、A/Tの自己診断機能を実行しても結果は正常でした。

日産で聞いてみたところ「自己診断機能の結果が正常ならば、センサーやソレノイドなどの電気系統は異常が無く、もしかするとA/T本体がダメなのかもしれません」とのこと。


ATFを交換してみる

日産にて、ATFを交換すれば直るかどうかについては「何とも言えない」そうです。「何万キロも無交換でいるクルマの場合は、交換すると”滑る”ようになってしまう」とか。カー用品店では洗浄もやってくれるところもあることを話すと、「洗浄をどうゆうふうにやるのかわからないが、日産では洗浄というのはやっていない」という。ATFの場合は、トルコンなどオイルが抜ききれない部分があるので、日産では古いオイルを抜いて新しいオイルを入れて回してからまた抜いて新しいオイルを入れる方法をとっているらしい。

日産の人の話では、「他のお客さんで『ATFを交換してほしい』と言ってきたので『どうしたんですか』と尋ねたら、『ABやAW(カー用品店)で断られたから』という人もいる」という。

ATFを交換してもダメな場合は本体を交換することになります。リビルト品への交換となる場合が多いそうですが、在庫がない場合にはオーバーホールもあるといいます。リビルト品への交換の場合は、2〜3日でそこの日産で載せ替え出来るそうです。オーバーホールの場合は外注で2〜3週間くらいかかり、リビルト品よりも費用がかかるそうです。

A/T本体を交換するしないに関わらず、ATFを交換してみる価値はあるようでした。

カー用品店(SAB)では圧送式、同(AW)ではフラッシングオイル+圧送式。AWで話を聞いてみると「前回の交換から10万キロ以上経過している場合でも、リスクを伴うが、お受けできる」という。その代わりオイルはしっかりしたもの(純正9,000円の約3倍の25,000円)を、洗浄もしっかりとする必要があるそうです。交換後に調子が悪くなったというお客さんは年に1回くらいだそうです。ただお客さんから言ってこない例もあると思うので、本当かどうかはわかりません。

結局心配なのでATF交換は日産でやってもらいました。

請求金額:10,035円(税込み)

レッドステージ 日産サティオ K店

費目 コード 作業内容および部品名称 記号 数量 技術料 部品代
  A/Tミッションオイル交換     4,500円  
ATM01 マチックフルードD   7   5,400円
AY740-NS002 ドレーンワッシャー   1   135円

※技術料、部品代ともに何故か10%引き


A/T本体を交換することに

ATFを交換してもこれといって変化はありませんでしたので、A/T本体の交換を日産にお願いしました。

ちょうど新品の在庫はあるものの、トルクコンバーター付きで32万、それに工賃が5万として合計37万かかるそうですので、リビルト品をお願いすることに。しかし在庫がメーカー(相模)にはないそうで、全国に確認するまで時間がかかると言われました。

「グリーンパーツは無いんですか?」と訪ねたら、日産の人たちは、"グリーンパーツは中古品のみで、オーバーホールしたリビルト品は扱っていない"、という認識を持っていて、初めは「そんなのダメダメ」口調でした。そこの日産は、ドアの交換でグリーンパーツを利用したことがあるそうで、そのときはキズなどが直っていなかったそうです。だからそのような認識になってしまったのでしょう。

「グリーンパーツのホームページを見たらちゃんとオーバーホールして保証書も付いているみたいですよ」と言ったら、グリーンパーツの資料を調べていました。
FAST端末で"リネン"(?)ボタンが表示されたときは、グリーンパーツ対応部品があることを示していることがわかりました。ちなみに流体クラッチは自動的にグリーンパーツ扱いになるそうです。
それでも在庫は見つからず、連絡を待つことにしました。


いよいよA/T交換

2週間後に日産から連絡があり、ミッションが見つかったので注文してよいかの確認だったので、お願いしました。
それから4日後に入荷の連絡があり、合い鍵を預けました。日産の人に言わせれば「こんなに早く部品が見つかるとは思っていなかった」そうです。しかし、代車の都合でさらに5日後に作業開始。次の日に「2日間の予定だったがもう1日かかる」という連絡がありました。
そして次に日に作業完了。お願いしてから実に26日目にしてようやく終了しました。リビルト品はジャトコ(A/Tのメーカー)から入荷したそうです。

それはそうと、なんと明日は宮城オフの出発日!!。洗車と、タペット音がひどいのでオイル交換もしなくては!。


納車時に外したA/Tを見せてもらった

外したA/Tは梱包して台車に乗せてありました。どのくらい重いのかと思って持ち上げてみたらビクともしませんでした。よく見たら台車にくくりつけてあったのです。
確認したかったのはタービンセンサー。後期型だけにしかないタービンセンサーの位置をチェックしました。残念ながら写真はありません。


交換後もまだおかしい

作業終了後、日産を出て最初のアクセルペダルの一踏みで「まだ直ってない!!!」と感じました。変速ショックは大分良くなりましたが、変速ポイントは依然として高め。「走行テストはやった」と言ってましたが、「取りあえず走ればいいや」という程度なのでしょうか。

交換後、ゾボゾボという音が聞こえるので吸排気系がおかしいのかと思い、デュアルモードマフラーのバルブをノーマル位置(全閉)にしてみたらトルクがやや復活しました。慣らし運転を続けると走りやすくなっては来ています。
しかし、エンジン(ECON)をONにすると、それまでのトルク感が薄れてしまいます。ちなみにエンジンオイルは納車直後にカー用品店(AW)で日産純正エンデュランス10W-50を入れました。


まだパワーインジケータ"P"が点灯する

時速40〜60kmで定速走行中にA/TモードスイッチのPOWERインジケータ"P"が時々点灯します。
普段はワイパーレバーに隠れて見えませんが、アクセルペダルを離して、いつもより大きなエンジンブレーキを感じてからインジケータを見ると間違いなく"P"が点灯しています。その状態で徐々にエンジン回転数が約1500rpm以下になると消灯して低いギアに変速したようなショックが軽く感じられ、エンジンブレーキは正常に戻ります。これはA/T交換前も交換後も同じ。エアコンを使っていると"P"が点灯しやすいように思います。

ふつう走行中に"P"が点灯するのはアクセルペダルの踏み込み量に応じて自動的にパワーモードになったときですが、それほど踏んではいないし、足を離しても回転数が低くなるまで点灯が続くことから、パワーモードになって点灯しているとは言い難いです。


もしかしてスロットルセンサーの異常か?

実際のスロットルの開度とECUでの認識の違いということも考えられます。アクセルペダルを大して踏んでいないのに"踏んでいる"とECU(またはA/T)が認識していれば変速点が高めになることも有り得ます。しかし実際はスロットルが十分開いていないのでスピードが上がらず、変速点に到達するまでに時間がかかる。これで高回転まで引っぱっているように感じるのではないかと思われます。
トルク不足はトルクコンバーターか?それとも燃料漏れが酷くなってきているのかもしれません。


支払い

納車時に支払うつもりでしたが、まだ伝票(請求書)を作っていないということでしたので、納車だけ済ませました。伝票ができたら連絡するとのことでしたが、1週間経っても来ませんでした。ようやく納車から13日目に、連絡なしで、なんと郵送で届きました。よほど交換後の出来に自信がないと見えます。

請求金額:223,556円(税込み)

レッドステージ 日産サティオ K店

費目 コード 作業内容および部品名称 記号 数量 技術料 部品代
  オートマチック トランス(ミッション、アクスル)ASSY 交換   49,700円  
C1025-51X06 オートマチックトランスミッション アッセンブリー   1   105,500円
GR312-51X00 トルクコンバーター アッセンブリー   1   51,000円
31084-20300 シール、Oリング   1   80円
21626-64U00 ワッシャー、シール   4   640円
ATM01 マチックフルードD   7   6,000円
*   代車 レンタカー       0円

※オートマチックトランスミッション アッセンブリーC1025-51X06はリビルト品の部番。リビルト品の場合はトルクコンバーターは付いていない。グリーンパーツ。
※オートマチックトランスミッション アッセンブリー新品の部番は31020-51X06。2006年5月末の時点で新品の在庫があった。新品は327,000円(トルクコンバーター付き)。
※トルクコンバーター アッセンブリーGR312-51X00はリビルト品の部番。グリーンパーツ。
※トルクコンバーター アッセンブリー新品の部番は31100-51X00。新品は80,000円。
※シール31084-20300はオイルレベルゲージを差し込むパイプの奥の方の部品。
※代車が無くてレンタカーを手配したようだが、その費用は請求されていない。


支払い時に聞いてみた

「定速走行中にアクセルを離してエンジンブレーキが強いな感じたときに"P"を見ると必ずと言っていいほど点灯しています。そのままの状態で回転数が約1500以下になると消灯します」と話しましたが、「わからない」としか返ってきませんでした。
整備要領書(追補版T)を持ってきて探していたがそんなことは書いてはいない。本家の日産自動車に聞けばいいものの、ただわからないだけのわからず仕舞い。「後で調べておきます」くらいは言って欲しかったが、そんな気配さえ感じられなかった。


コンピュータ診断してみる

このままでは進展がないので「コンピューター診断でわかりませんか?」と提案してみた。しかし、どうやら日産の人は診断コネクタのないクルマだと思っていたらしく、「後期型だから診断コネクタはありますよ」と言ったら、また整備要領書(こんどは後期型用)を持ってきて確認しだした。確認できたところでさっそくやってくれました。

診断テスタはコンサルトU。診断しているところを見せていただきました。
A/T内部の故障記録にはA/T交換時にハーネスを抜いたとされる記録しか残っていませんでした。コンサルトUからA/Tやエンジンの自己診断をかけてもすべてOKでした。
異常はまったく発見されず、会話はプッツリ途絶えてしまいました。それでいつものパターンで「じゃあ、しばらく様子見てみます」となってしまった。

コンサルトUでモニターしながら走行させてチェックすることもできるらしいが、係の応対ぶりからしてあまりやりたくない様子だったし、それなら自分で調べることも不可能ではないので断りました(コンピュータ診断は5000円くらいかかりますが今回はもちろん無料でした)。

「一番怪しいのはスロットルなんですけどね」(自分)。「掃除したり外したことあるんですか?」(日産)。「いえいえ、そんなことできませんよ」(自分)。コンサルトUの画面にはスロットルも正常と出ていた。


この回転数は正常ですか?

それから「加速時に約25km/hで変速するときの回転数が3000〜3500なのですが、これは正常ですか?」と聞いてみました。一般的に正常の範囲なのかどうかを聞きたかっただけなので、すぐに返事が返ってくると思っていましたがそうではありませんでした。また整備要領書(こんどは追補版V)を持ってきて、その値で正しいのか調べ始めました。しかし載っているのはスロットル開度と車速による変速ポイントのグラフだけで、回転数と車速の関係は載っていません。だから回答はありませんでした。

後日、しいぼーさんのY31シーマ後期で変速時のエンジン回転数を確認してもらったところ、ゆっくりした加速では約20〜25km/hで約2000〜2500rpmでした。このことから、愛車は約1000rpmも高いことがわかりました。


疑いはエンジンに

A/T交換後、変速ショックは大幅に低減したものの、加速の仕方がまったく変わらないので、エンジンが怪しいと思うようになりました。
依然としてエンジン回転数が異常に高いのにスピードはゆっくり上がるという、ちぐはぐな関係が続いていたのです。

症状を再び見直すと次のようになります。

1.エンジン回転は上がるもののスピードは上がらない。
2.なかなか変速しないときは、アクセルペダルを戻すと変速する。
3.前項とは裏腹に、比較的強めにアクセルペダルを踏んだときはスピードが上がる。このときの変速はやや正常。
4.時々パワーインジケータの"P"が点灯する。

以上のことから、アクセルペダルかスロットルバルブスイッチスロットルセンサーを点検してみることにしました。
テスターを使ってスロットルバルブスイッチを点検しようとしたらエンジンが熱くて触れる状態ではなかったので、触れるところをいじっていたらおかしなところを発見しました。


スロットルの同期がとれていない

ツインスロットルを手で動かしてみると、2つあるスロットルのうち手前のスロットルの動きが遅れていました。アクセルペダルを少し踏んだだけでは片方のスロットルしか動いていないのです。

ツインスロットルの同調スクリューとスラストガタ止めスクリューを締め、2つのスロットルが同調するように調整しました。走らせてみると、いままでの不快感が吹っ飛ぶくらい爽快な加速をしました。これだ!。スロットルだったのだ。

写真中央のネジが同調スクリュー。これが緩んでいたのだ
写真中央のネジが同調スクリュー。これが緩んでいたのだ

A/Tのパワーインジケータ"P"が時々点灯していたのは、エンジン側の不調をA/T側が察知して知らせてくれていたのでしょう。

それにしてもいつスクリューが緩んだのだろうか。緩むのは少しずつだから全然わかりませんでした。車検点検時の項目にはないようだし、これからは自分で時々点検することにしよう。


その後、日産にて

後日、日産に用事があったので行ってみました。A/T交換後も直っていないことについて、もし「その後の調子はどうですか」と聞かれたら、スロットルのことを話そうと思っていたのに、聞かれるどころか忘れている様子。不調の話がなぜか「エンジンのタペット音」の話にすり替わっていた。前回担当の上司から不意に「エンジンの音はしょうがないですよ」と言ってきたのでそう感じた。

ここの日産は、ユーザーが重要な故障症状を言っているにもかかわらず、重要だとは思わなかったり聞き逃したりする。人間だから完璧では無いのはよくわかるが、だからこそメモくらいは残して欲しいと思った。


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