変速がおかしいときに読んでね
ツイン スロットル
Twin Throttle (基本資料)
Y31シーマおよびY31レパード(VG30DOHC)に適用
(Y31セドリック・グロリアは、デュアルスロットル)

ツインスロットルチャンバー
(このページでは左のスロットルを「手前のスロットル」、右のスロットルを「奥のスロットル」と呼んでいます)
ツインスロットルとは
二つ連なっているスロットルのことです。
スロットルをツインにすることで、高回転、高負荷時の吸気抵抗の低減、および、アクセル少開度時のレスポンスが向上するようです。

カットモデル
スロットルの同調とは
奥のスロットルは、アクセルワイヤとASCDワイヤにつながっていて、ワイヤが引かれると同時に動きます。
これに対して手前のスロットルは、リンク部によって奥のスロットルとつながっています。通常は奥のスロットルも手前のスロットルも同じ動きがなされます。これが同調です。
同調が取れていないとどうなるか
リンク部の調節のズレで同調が取れなくなると、奥のスロットルと手前のスロットルが同時に動かなくなります。
1. 奥のスロットルを動かしたときに、手前のスロットルが遅れて動く場合の症状
適切な吸気が行われませんので、加速時の変速する回転数が高めになります。
アクセルを多めに踏んでいるときは、両方のスロットルが開くため、思いのほか正常に感じることがあります。
アイドリングは安定しています。
2. 奥のスロットルを閉じても、手前のスロットルが開き気味の場合の症状
アイドリング時にも手前のスロットルによって無駄な吸気が行われるので、アイドル回転数が高くなります。
アイドリングが不安定になったように感じます。
3. 奥のスロットルが閉じる前に、手前のスロットルが閉じてしまう場合の症状
手前のスロットルが先に閉じると(全閉ストッパーで止まると)、奥のスロットルが開いたままになります。奥のスロットルによって無駄な吸気が行われるので、アイドル回転数が高くなります。
アイドリングが不安定になったように感じます。
同調方法

緩みやすいのは@スラストガタ止めスクリューとA同調スクリューですので、この二つで同調させる方法を書きます。
1. まず、@スラストガタ止めスクリューとA同調スクリューを緩める。
2. BACCドラムを手で全閉にし、GTASレバーとH全閉ストッパー間の隙間が0.1mmとなるように、A同調スクリューを締める。
3.
隙間0.1mm以下の範囲で@スラストガタ止めスクリューを締めてスラスト方向のガタをなくす(この状態でEスロットルチャンバーが全閉でGTASレバー下面隙間が0.1mmであること)。
4. BACCドラムを手で回し、EとFのスロットルチャンバーが同時に滑らかに動くことを確認する(Cリンク部にガタがないこと)。
5. BACCドラムを手で回し、スロットルチャンバーを全開にしたとき、TASレバーの全開ストッパーの間に隙間があること。
補足
●同調の調整はエンジンはかけずに行いますが、微妙なところはエンジンをかけてアイドル回転を気にしながら行うとやりやすいです。
●0.1mmを測るゲージがない場合は、紙1枚を挟んで、紙を引っ張ったときに抵抗はあるものの、破けない程度にします。
●@スラストガタ止めスクリューとA同調スクリューを回すと、GTASレバー下面隙間が狂うので、その都度確認しながら回します。
●調整はプラスドライバー1本で出来ますが、自分で調整するのはどうも苦手という方は、日産にお願いしてください。この程度なら無料でやってくれると思います。
●@スラストガタ止めスクリューやA同調スクリューが少しずつ緩んでも気づきにくいものです。変速のタイミングが狂うとシフトショックが大きくなるので、大抵はオイル交換や内部洗浄に走ってしまう傾向があります。今一度、愛車のツインスロットルを確認してみてください。
●「変速のタイミングがおかしい」=「ツインスロットルの同調がとれていない可能性がある」という関係を、頭の片隅にでも入れておいてください。というのも、日産で診てもらうときに、ただ単に「変速のタイミングがおかしい」とだけ言うと、エンジンオイルやA/Tオイルの劣化、詰まりを疑われるだけです。そこで「ツインスロットルの同調は?」と言ってみれば、案外早く問題が解決するかもしれません。
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