公開日:2007年4月21日
最終更新日:2016年12月21日

変速パターンを切り替えます

A/Tモード スイッチ

A/T Mode Switch

カテゴリー : コネクタ表

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用

A/Tモードスイッチ

A/Tモードスイッチとは

運転状況に応じて走行モードを選ぶスイッチです。
3つのモードがあります。

モード 説明
"POWER"
パワーモード
登坂時や加速走行時に使用する。
オートモード
(スイッチの中立位置)
経済的な走行に使用する。
走行条件によりエコノミーパターンとパワーパターンが自動的に切り替わる。
通常はこの位置で使用する。
"SNOW"
スノーモード
雪道や砂利などの滑りやすい路面での発進走行に使用する。
また、A/Tセレクトレバー位置とOD(オーバードライブ)スイッチの組み合わせにより、マニュアルトランスミッション感覚のスポーティー走行ができる。

A/TモードスイッチとA/Tセレクトレバーとの関係

A/Tモードスイッチ A/Tセレクトレバー位置 変速パターンの切り替え機能
スイッチ インジケータランプ
パワー "P"が点灯する D 変速する車速が高めで登坂時や急加速時に適したパワーパターンに固定。
ギヤ位置は1速から4速(ODスイッチOFF時は3速)まで自動的に変速する。
2 1速と2速の間で自動的に変速する。
1 1速に固定。
オート 通常は消灯。
走行状態により"P"が点灯する
D アクセルペダルの踏み込み量や踏み込み速度に応じて自動的にエコノミーパターンとパワーパターンが切り替わる。パワーパターン時に"P"が点灯する。
ギヤ位置は1速から4速(ODスイッチOFF時は3速)まで自動的に変速する。
2 1速と2速の間で自動的に変速する。
1 1速に固定。
スノー "S"が点灯する D 2速から発進し4速(ODスイッチOFF時は3速)まで自動的に変速する。
2 1速と2速の間で自動的に変速する。
1 1速に固定。

パワーインジケータランプの表示

キーONのとき、"P"(パワーインジケータランプ)が約2秒間点灯するので、ランプの球切れ点検ができます。
A/T(オートマチックトランスミッション)の電子制御システムに異常があるときは、球切れ点検後、約8秒間点滅します。このようなときはA/Tの自己診断機能を実行してみてください。

配線図

下図は前期型/後期型共通ですが、後期型の端子No.は( )内を参照してください。

前期型と後期型とではA/Tコントロールユニットへの接続端子No.が異なる

コネクタ表

A/Tモードスイッチの裏側には大小2つのコネクタがあります。大きい方はスイッチとイルミネーションランプ用、小さい方はインジケータランプ用です。
コネクタの端子配置は前期型も後期型も同じですが、A/Tコントロールユニットへの接続先が異なります。

A/Tモードスイッチのコネクタ

■スイッチ&イルミネーションランプ用コネクタ

これは後期型のスイッチ&イルミネーションランプ用コネクタ
前期型
5 1
4 2 3
後期型
5 1
4 2 3

コネクタ色:白/黄(コード側から見た図)

■インジケータランプ用コネクタ

これは後期型のインジケータランプ用コネクタ
前期型
6
9 8 7
後期型
6
9 8 7

コネクタ色:黒(コード側から見た図)


●Y31シーマ(前期)
●Y31セドリック・グロリア(前期)

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
1 SNOWスイッチ 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.27につながっている。
端子No.9とハーネスでつながっている(スイッチ単体ではつながっていない)。

スイッチが"SNOW"のときは端子No.2とつながり、電圧は12V。同時に端子No.9も12Vとなり、SNOWインジケータランプが点灯する。
スイッチが"AUTO"や"POWER"のときはOPEN。
2 IG電源 12V/0V 車室内のヒューズ#6(メータ)を通って供給される電源。

スイッチが"AUTO"のときはどこにもつながらない。
スイッチが"SNOW"のときは端子No.1につながる。
スイッチが"POWER"のときは端子No.3につながる。
3 POWERスイッチ - 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.3につながっている。

スイッチが"POWER"のときは端子No.2とつながり、電圧は12V。
スイッチが"AUTO"や"SNOW"のときはOPEN。
4 イルミネーションランプ(+) 12V/0V ライトスイッチONで12V。
12Vでイルミネーションランプが点灯する。
5 イルミネーションプラス(-) - 0V 常に0V。
6 POWER インジケータランプ(+) 12V/0V 車室内のヒューズ#15(エンジン&トランスミッション)を通ってくるIG電源。

スイッチ内部でPOWERインジケータランプのプラス側につながっている。
7 POWERインジケータランプ(-) OPEN/0V A/Tコントロールユニットの端子No.23につながっている。
スイッチ内部でPOWERインジケータランプのマイナス側につながっている(POWERインジケータランプはマイナスコントロール)。

スイッチを"POWER"にしたときや、"POWER"以外で走行中に自動的にパワーパターンになったときに、A/Tコントロールユニットの端子No.23がアース電位になり、この端子もアース電位となる。これによりPOWERインジケータランプが点灯する。
8 SNOWインジケータランプ(-) - 0V アースにつながっている。常に0V。
スイッチ内部ではSNOWインジケータランプのマイナス側につながっている。
9 SNOWインジケータランプ(+) 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.27につながっている。
端子No.1とハーネスでつながっている(スイッチ単体ではつながっていない)。
スイッチ内部でSNOWインジケータランプのプラス側につながっている(SNOWインジケータランプはプラスコントロール)。

スイッチが"SNOW"のときは端子No.2→端子No.1→ハーネスを通ってこの端子とつながり、電圧は12V。
スイッチが"AUTO"や"POWER"のときはOPEN。

●Y31シーマ(後期)
●Y31セドリック・グロリア 4速・5速(後期)

端子No. 名称 コード 電圧 内容
太さ
1 SNOWスイッチ 黒2/- 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.42につながっている。
端子No.9とハーネスでつながっている(スイッチ単体ではつながっていない)。

スイッチが"SNOW"のときは端子No.2とつながり、電圧は12V。同時に端子No.9も12Vとなり、SNOWインジケータランプが点灯する。
スイッチが"AUTO"や"POWER"のときはOPEN。
2 IG電源 赤2/- 12V/0V 車室内のヒューズ#15(エンジン&トランスミッション)を通って供給される電源。

スイッチが"AUTO"のときはどこにもつながらない。
スイッチが"SNOW"のときは端子No.1につながる。
スイッチが"POWER"のときは端子No.3につながる。
3 POWERスイッチ -/- 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.36につながっている。

スイッチが"POWER"のときは端子No.2とつながり、電圧は12V。
スイッチが"AUTO"や"SNOW"のときはOPEN。
4 イルミネーションランプ(+) 黄2/- 12V/0V ライトスイッチONで12V。
12Vでイルミネーションランプが点灯する。
5 イルミネーションプラス(-) -/- 0V 常に0V。
6 POWER インジケータランプ(+) 緑2/- 12V/0V 車室内のヒューズ#6(メータ)を通ってくるIG電源。

スイッチ内部でPOWERインジケータランプのプラス側につながっている。
7 POWERインジケータランプ(-) 赤2/- OPEN/0V A/Tコントロールユニットの端子No.103につながっている。
スイッチ内部でPOWERインジケータランプのマイナス側につながっている(POWERインジケータランプはマイナスコントロール)。

スイッチを"POWER"にしたときや、"POWER"以外で走行中に自動的にパワーパターンになったときに、A/Tコントロールユニットの端子No.103がアース電位になり、この端子もアース電位となる。これによりPOWERインジケータランプが点灯する。
8 SNOWインジケータランプ(-) -/- 0V アースにつながっている。常に0V。
スイッチ内部ではSNOWインジケータランプのマイナス側につながっている。
9 SNOWインジケータランプ(+) 黒2/- 12V/OPEN A/Tコントロールユニットの端子No.42につながっている。
端子No.1とハーネスでつながっている(スイッチ単体ではつながっていない)。
スイッチ内部でSNOWインジケータランプのプラス側につながっている(SNOWインジケータランプはプラスコントロール)。

スイッチが"SNOW"のときは端子No.2→端子No.1→ハーネスを通ってこの端子とつながり、電圧は12V。
スイッチが"AUTO"や"POWER"のときはOPEN。

ちょっと変わった使い方

例えば、2速へなかなか変速してくれず、しかも変速ショックが大きい症状が出ている場合、次の使い方をすると任意のタイミングで2速に変速できます。

変わった使い方 その1

加速時、1速で引っぱっている最中は、A/Tセレクトレバーを“1”から“2”に入れてもすぐには2速にシフトしませんが、あらかじめSNOWモードにしておくと、割とすぐに2速にシフトしてくれます。
この使い方は、A/Tセレクトレバーの位置によってSNOWモードが有効になったり無効になったりすることを利用しています(“2”で無効になる車種では“2”から“D”に入れたときに2速にシフトします)。
ただこの使い方は、操作がわずらわしいのが難点です。

変わった使い方 その2

もう一つの使い方は、走り出したらタイミングを計らってSNOWモードのスイッチを入れることです。これで2速にシフトします。この後すぐにSNOWモード以外にしても大丈夫です。
これを利用した追加装備がステアリングシフトです。