ハンドルが重くなった
パワステが重い (メンテナンス)
Y31シーマ、Y31セドリック・グロリアに適用
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走行中にハンドルが重くなった
概要
2005年5月、走行距離15万kmの頃、走行中に舵取りが重くなりました。一応走行はできますが、カーブでは曲がりきれない可能性があり、とても危険な状態でした。
症状
走行中に舵取りが重くなる。
原因
誤配線により車速信号が途切れ、フェイルセーフ機能が作動した。
修理費用
0円 (自分の誤配線だった)
誤配線をしていた
この症状が起きた直前にデュアルモードマフラーコントロールユニット(改)の配線を変更したため、この変更が原因だとすぐにわかりました。
デュアルモードマフラーコントロールユニット(改)の入力側に車速感知アダプターからのコードをつなげるはずが、直接車速信号をつなげてしまっていたのです。
車速信号はトランクのAVコントロールユニットのCRT,TEL(L)コネクタから取得することができ、カーナビ用にキボシ加工してあって簡単に分岐できたのが配線ミスの一因でもあります。
デュアルモードマフラーコントロールユニット(改)に直接車速信号をつなげたことにより、入力側のリレーが負荷となって車両コンピューターに影響を及ぼしたようです。
車速信号に負荷をかけても停車状態では変化はありませんでしたが、3分以上走行していると徐々に重くなってきて、停車しても重い状態のままでした。
なお、車速信号は車速に応じてON/OFFを繰り返すものなので、停車中の信号はONの時もあればOFFの時もあります。このように停車中の信号によっては負荷が変わるので、必ずしも常に同じ症状になるとは限りません。
パワステのフェイルセーフ機能
電子制御パワーステアリング(EPS)・電子制御オイルポンプシステムは、車速信号が異常と判断された場合に、フェイルセーフ機能を作動させます。
なお、電子制御エアサスペンション付車の場合、パワステの制御機能がエアサスコントロールユニット内に組み込まれているため、エアサス側のシステムに異常があった場合でも、フェイルセーフ機能が作動します。
例えば「エアサスのシステムからコンプレッサーを動かす命令を出しているのに一向に車高が上がらない」といった場合には「システムの異常」と認識してフェイルセーフ機能(それでも安全に走れるようにする機能)が働きます(経験済み)。と同時にパワステのシステムもフェイルセーフ機能が働くと重ステになることがあります(中高速での安全走行を考慮して?)。エンジンをかけてから重ステになるまでに数分かかることがありますが、これは先の例では、コンプレッサーに命令を出すまでの時間差と言えます。
また、エアサスからバネサス(車高調)に変更した場合に重ステになる場合があります。これを対処するには、バネサス車用のパワステコントローラ(EPSコントロールユニット(パワステコントロールユニット))を入手し、現在のエアサスコントロールユニットと交換すればいけると思いますが、確信はありません。
車種 |
フェイルセーフ機能の制御 |
Y31シーマ(前期)
Y31セドリック・グロリア(前期・後期)(車速感応型) |
通常走行中(※)に車速信号が約10秒以上入らない場合、車速30km/h〜60km/hでの操舵力を確保するように制御される。
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Y31シーマ(後期) |
通常走行中(※)に車速信号が約10秒以上入らない場合には、高速時での操舵力を確保するように制御される。
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※:通常走行中とは、フットブレーキOFF、パーキングブレーキOFF、A/Tセレクトレバーは「N」・「P」レンジ以外、M/T車はニュートラル以外およびクラッチを踏んでいない状態での走行をいう。したがって停車時でもこのような状態ならば、フェイルセーフ機能が作動し、据え切り時にステアリングが重くなる場合がある。 |
勉強させられた
今回の事例で、「車速信号に負荷をかけると走行中にステアリングが重くなる」ことがわかり、また勉強させられました。
ちなみにカーナビを付けてからハンドルが重くなったという場合は、カーナビにつなげた車速信号に負荷がかかっているか車速信号線を誤配線した可能性があります。このような症状が現れた場合には、一度カーナビから車速信号線を外して走行テストしてください。
また、デジタルメーターが停電した場合には、車速信号が送り出されなくなるため、操舵力が重くなることがあります。
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関連ページ
基本資料 〜 電子制御エアサスペンション
基本資料 〜 車速信号
メンテナンス 〜 トーの調整
メンテナンス 〜 パワステの故障
コネクタ表 〜 EPSコントロールユニット(パワステコントロールユニット)
コネクタ表 〜 エアサスコントロールユニット |