概要
2005年1月、走行距離17.4万kmの頃、リア左のショックアブソーバーの減衰力切替モーターが故障し、車両すべてのショックアブソーバーの堅さがおかしくなりました。
故障したショックアブソーバーコネクタを切り離し、正常なショックアブソーバーのセンサー出力と直結 (ごまかし配線)して対処しました。
症状
乗り心地がおかしい(柔らかいと感じるときもあれば、堅いと感じるときもある)。
停車時にクルマを揺すってみると、同型車と堅さが違う。
エアサスキットの減衰力モニターがミディアムから変化しない。
原因
左リアショックアブソーバーの減衰力切替装置の故障。
ショックアブソーバー内部のモーターが回らなくなっていた。
修理費用
0円(自分で応急処置した)
どうやって減衰力切替しているのか
通常、路面の状態などを判断してエアサスコントロールユニットが減衰力切替モーターを回転させます。モーターが回転すると3段階ある減衰力が順繰りに切り替わります。その時々の状態が減衰力センサーとしてエアサスコントロールユニットにフィードバックされます。フィードバックされた情報をもとに、任意の位置でモーターを停止させ、希望の減衰力に合わせています。
なぜクルマ全体の堅さが変わるのか
減衰力切替モーターが壊れて回転しなくなると、減衰力センサーの出力が変化しなくなります。すると、エアサスコントロールユニットは減衰力の切替ができなくなったことを察知し、フェイルセーフに突入します。フェイルセーフになると、すべての車輪の減衰力が中間の堅さ(ミディアム)に固定されます。そうなると、発進時には柔らかく、柔らかくていいような場面でもやや堅い乗り心地になります。
とりあえずやってみるべきこと
モーターが回りにくくなっているだけかもしれないので、モーターを逆回転させると回り出す可能性があります。ショックアブソーバーのメインハーネスとサブハーネスがつながっているコネクタを外し、サブハーネス側のコネクタの端子にバッテリーを逆向きに直接接続して行います。
これはお友達のシーマでも愛車でも試したことがあります。愛車の場合は逆接続でも回りませんでしたので応急処置することにしました。
対処方法(応急処置)
減衰力切替装置の故障だけで高価なショックアブソーバーは交換したくありません。そこで応急処置することにしました。
エアサスコントロールユニットからショックアブソーバーに減衰力の切替命令が行っても、ショックアブソーバーから減衰力センサーのフィードバックがないと、故障していると判断されフェイルセーフになってしまいます。よってエアサスコントロールユニットに故障していることを悟られないようにすれば、フェイルセーフになることはありません。
ではどうやって故障していないように見せかけるのでしょうか?
本来ならダミーの装置を作ってエアサスコントロールユニットからの要求に対して適切に応答すれば良いのですが、そう簡単にはできません。
考えたあげく、一番簡単な方法を見つけました。
リアショックアブソーバーの減衰力は左右とも同じタイミングで切り替わるはずなので、正常な方の減衰力センサーの出力と共有する方法です。具体的には、壊れたショックアブソーバーのコネクタを抜き、正常なショックアブソーバーの減衰力センサーの出力を壊れた方と直結するだけです。
そう、応急処置といってもごまかしです(笑)。壊れていないようにごまかしているだけです。これだけでフェイルセーフになることはなく、故障したショックアブソーバーを除くすべてのショックアブソーバーは通常どおり減衰力が切り替わるようになりました。
この応急処置はショックアブソーバーのエア漏れ(2回目)で左右同時交換するまで使い続けました。