公開日:2010年10月28日
最終更新日:2019年4月8日

バッテリーもおかしい

オルタネータの故障(4回目)

Alternator failure(4th)

カテゴリー:メンテナンス

Y31シーマおよびY31セドリック/グロリアに適用

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オルタネータの故障(3回目) | オルタネータの故障(5回目)

朝の通勤中にチャージランプ(充電警告灯)が点いた

目次→ 概要症状原因朝のマイカー通勤で確認したことアンチロック警告灯も点いた整備工場でオルタネーターの保証は?バッテリーの補償は?修理が終わって退院費用なんと最高19.1Vを記録!取り外したバッテリーはいわく付きの場所?

概要

2010年6月、走行距離27.5万キロの頃、走行中に充電警告灯が点きっぱなしになりました。他の警告灯も点灯し、オルタネータの故障が考えられるため整備工場に入院させました。
バッテリーとオルタネータの交換で直りました。

前回の交換から1年8ヶ月、3.2万キロ 走りました。早すぎる!!!

症状

【初期症状】

  • エンジンのかかりが悪くなった(かかることはかかるが、以前よりは弱くなった)。

【末期症状】

  • 車内でブーンというリレーが中途半端に作動しているような音がした。

  • 充電警告灯(チャージランプ)が点きっぱなしになった。

  • 球切れ警告灯(ヘッドランプ警告灯/ストップ・テールランプ警告灯)が時々点いた。

  • 車高インジケータ(車高切換表示灯)が時々点いた。

  • アンチロック警告灯(アンチロックブレーキシステム警告灯)が時々点いた。

走行中に車高インジケータと球切れ警告灯が暗く点いた

原因

バッテリーとオルタネータの故障です。

どちらが先に故障したかはわかりません。整備工場の担当者はどちらとも言えないそうです。

自分の見解は、バッテリーが先に故障し、オルタネータに負担がかかってオルタネータも故障したと考えています。 その理由は過去の症状と違うからです。

朝のマイカー通勤で

自宅を出て10km走ったところで異変がありました。信号待ちしているときに車内からブーンという音が聞こえてきたのです。初めはオーディオか、エアコンのエアミックスドアアクチュエータが引っかかった音がしているのかと思いました。しかしオーディオとエアコンをOFFにしても音がしていたのでリレーの音だとわかりました。リレーの接点がON-OFFするのを素早く繰り返す不完全動作の音です。運転席足元付近から聞こえてきますが、何のリレーかはわかりません。

ブーンというリレーの音と共に球切れ警告灯が薄く点きました。エアサスの車高インジケーターもほぼ同時に薄く点きます。

よく見たら充電警告灯も点いていました。いつからだろうか?。朝エンジンをかけたときは点いていませんでした。しかしエンジンのかかりはやや弱い気がしました。

「またオルタネータが壊れた???」と思いましたが、アンチロック警告灯は点いていないし、エンジンにおかしな振動はないので、いままでの壊れ方とは少し違うように思いました。

すぐに近くの駐車場に止めて様子を見ることに。もしも自走できなくなったら自動車保険屋さんにTELし、いつもの整備工場さんに来てもらうことにします(レッカー代を取られることがあるので、ロードサービスが適用できるように自動車保険屋さん経由で連絡を取った方が良いと整備工場さんに助言されたことがあります)。

しかし今すぐにエンストすることはなさそうなので、いろいろ確認してからどうするか決めることにしました。

確認したこと

  • 電圧は?

    TRUSTインフォメータータッチのバッテリー電圧表示は約12.0Vを示していて極端に低くはない。最低電圧アラームは11.0V以下に設定していたのでアラームは鳴っていない(設定が低すぎだった)。

  • バッテリーの寿命か?

    もうじき3年経つ。でもPanasonicのカオスバッテリーだからもう少し持つだろう。しかし最近の進化したバッテリーは急に壊れるらしいからこれはどうだろうか。

  • ヒューズ切れか?

    切れていれば他にも症状が出るはずだ。

  • エンジンの振動は?

    正常の範囲内だ。

  • 電気負荷をかけてみて変化あるか?

    ブーンというリレーの異音がする。エアコンONにしたりヘッドライト(HID)を点灯しても電圧の変化やエンジンの振動はあまり変化しない。エアサスコンプレッサーは正常に動いている。コンプレッサーはかなり電気を食うのに作動時の電圧やエンジンの振動にあまり変化はみられない。ブレーキペダルを踏んでブレーキランプを点けても、補助バッテリーをつないでも、電圧やエンジンの振動にあまり変化がない。

  • 接触不良か?

    エンジンをかけたままでバッテリーの端子の緩み、端子付近のコネクタの緩みなど手で触って確認したが異常はなく、エンジン音に変化はなかった。

  • リレーの故障か?

    エンジンルームのヒューズボックス内の大きめのヒューズとリレーを手で揺すってみたが、エンジン音に変化はなかった。

  • 発電不足か?

    アクセルを踏んでエンジン回転を上げると、ブーンという異音は止み、球切れ警告灯やエアサス車高インジケーターが消えた。ただし充電警告灯は点いたまま。オルタネータは少しは発電しているようだ。

これらの確認事項は、時間をかけていると会社に遅れてしまうので、5分程度でやりました。
総合的に判断し、「まだ走れる。会社までなら行ける」と結論を出しました。

バッテリーの電圧は少しずつ下がってきていますがオルタネータは発電しているようなので、バッテリーの充電能力が弱ってきているかオルタネータの発電能力が弱ってきているのだろうと思いました。いずれにしてもすぐにエンストするような事態ではないと判断しました。

社外メーターのバッテリー電圧表示は12Vを切った

アンチロック警告灯も点いた

会社まであと15km。また走り出してしばらくすると、暗く点灯していた車高インジケータと球切れ警告灯がこんどは明るく点灯するようになりました。
信号待ちではとうとうアンチロック警告灯も点きだしました。アンチロック警告灯が点いたらかなり危ない状態だということは経験で知っています。電圧が限界近くまで下がるとアンチロック警告灯が点くのです。
しかしアクセルペダルを踏んでエンジン回転数を1100~1500rpmくらいにするとひとまず消えるので安心しました。

どうやらバッテリーの充電能力が衰えているようです。回転数を上げて発電させても、バッテリーに充電されないので、信号待ちでまたアンチロック警告灯が点いてしまいます。そんなときはニュートラルにしてアクセルペダルを踏んでその場をしのぎました。
まあそんなこんなで無事に遅刻することなく会社にたどり着きました。ここまで充電警告灯は点いたままでした。

信号待ちでは3つ点灯し・・・
エンジン回転数を上げるとアンチロック警告灯のみ消える
回転数を1100~1500rpmにするとやや電圧が上がるのでアンチロック警告灯が消える

※注意: オルタネータがまったく発電していない状態では逆効果です。
回転数を上げるとエンストします(過去に経験あり)

Panasonicのバッテリー寿命判定ユニット ライフウインク N-LW/P1は、会社に着いたときに"充電不足"のLEDが点いていた

整備工場で

その日、仕事が終わってからいつもの整備工場に連絡しました。整備工場までなんとか走りきりました。ブーンという異音がしてから合算して25km走りました。代車を用意してもらい、愛車は即入院しました。

後日、バッテリーをつなげるとオルタネータの発電電圧が下がってしまうという連絡がありました。 バッテリーとオルタネータを両方とも交換する必要があるようでした。

整備工場に向かっているところ(夕方の6時)
あいにくの雨でワイパーを使わなければならなかった。
途中から暗くなってきてライトも点けなければならなくなった。
バッテリー電圧の表示は11.8V

オルタネーターの保証は?

オルタネータの保証期間は1年間です。前回交換時(2008年10月)から1年以上経っています。しかし最近になってリビルトメーカーの保証期間が2年に延長になったのに合わせて前回のも2年に延長されました。前回の保証書には保証期間1年と書いてありますが、メーカーの新しい保証規定が適用されて2年になったのです。ラッキーでした。
これにより今回のオルタネータは保証にて無料で入手できました(工賃はかかりました)。

保証期間は1年間または走行距離2万キロのどちらか早期到達時まで
(2010年6月の時点で2年間または走行距離4万キロの
どちらか早期到達時までに延長されている)

バッテリーの補償は?

バッテリーの補償期間(メーカーはあえて"補償"という字を使っています)は3年または10万キロです。前回交換時(2007年8月)から2年10ヶ月経ちましたが、まだ期間内です。距離も越えていません。しかし補償が利くかどうか心配なことがあります。
整備工場の担当者はバッテリーテスターで調べても異常は見つからないそうなのです。おそらくバッテリーを買ったお店に持ち込んでも異常は見つからないだろうとも言ってました。ということは、"バッテリーが故障している"という事実がわからず、補償を受けられない可能性があるということです。

問題はバッテリーとオルタネータのどちらが先に壊れたかです。先に壊れた方が原因を作ったのですから補償すべきです。しかしどちらが先かハッキリしません。それなのにオルタネータの保証が受けられることになったので、バッテリーはもうどうでもいいや!ということになりました(笑)。補償を受けてまた同じバッテリーが手に入ったとしても嬉しくないですから。

補償期間はお買い上げ時より3年または走行距離10万kmのいずれか早い時まで

修理が終わって退院

リビルトのオルタネータに交換してもいままで使っていたバッテリーをつなげると電圧が下がってしまうそうです。やはりバッテリーも交換した方が良さそうなので新品に交換してもらいました。
バッテリーくらいは退院後に自分で交換できますが、整備工場で交換しないとすぐにオルタネータが逝ってしまいそうなので、すべてお任せしました。

これで安心できる状態になり、退院しました。

新しいリビルト・オルタネータ LR180-718

費用

請求金額:37,000円(税抜き) 民間車検整備工場
費目 コード 作業内容および部品名称 記号 数量 部品代 技術料
充電警告灯点灯
故障診断 17,000円
ファンベルト 点検
オルタネーターB端子 点検
オルタネーターアース端子 点検
オルタネーター不良
LR180-718 オルタネーター(リビルト) 取替
(H20.10月 取替済 保証延長扱い)
1個 保証適用で0円
充電電圧不良 (11.2V)
バッテリー 85D26R 取替 1個 20,000円
アイドルプーリーAssy 脱着
ファンベルト 脱着
クーラーベルト 脱着
パワーステベルト 脱着
  • オルタネーターはリビルト。保証により無料。今回のオルタネーターに保証は付かない(保証書なし)。
  • バッテリーはPITWORK自動車用バッテリーGシリーズ 85D26R。新品。整備工場の取扱品。保証期間:25ヶ月(但し期間内でも走行距離4万km以内)。取付時走行距離:275,176km。5時間率容量:55Ah。普通充電電流:6.5A。

なんと最高19.1Vを記録!

社外メーターのTRUSTインフォメータータッチにバッテリー電圧の最高値、19.1Vが記録されていました。これは整備工場に預けていた時に記録されました。
よくオルタネータが壊れると電球が切れたりしますが、この電圧なら納得できます。今回はこの高電圧による2次被害はありませんでした。

TRUSTインフォメータータッチの表示画面

取り外したバッテリーは...

持ち帰りました。
無負荷解放電圧(何も接続しないでテスターで測った電圧)は12.28Vでした。
補水不要タイプのメンテナンスフリーバッテリーなので、メーカー独自の水蒸気圧コントロールシートというのが栓の上に貼ってあります。このシートのおかげでバッテリーの中に砂などの異物が入ることはあり得ません。あえてそのシートをはがして液量を確認してもOKでした。

整備工場の担当者はバッテリーをつなげるとオルタネータの発電電圧が下がってしまうと言っていたので、バッテリー自体が負荷になったに違いありません(負荷になるのは普通ですが、そのレベルが大きいようです)。

個人的にはバッテリー内部の金属が剥がれて接触したのではないかと思います。1セルだけの異常なので発見しにくいのでしょう。開けた栓から中を見ても異状はありませんでした。

寿命が短かったカオスバッテリーN-110D26R

バッテリーを直流電源装置につないで、装置の出力電圧を徐々に上げていったときのバッテリーへの充電電流を調べてみました。この電流値が高ければ高いほどオルタネータに負担を強いることになります。

充電電圧 充電電流
12.0V -0.05A
12.1V -0.05A
12.2V 0.37A
12.5V 2A
13.0V 5A
13.5V 8A
14.0V 11A

電流は電圧の高い方から低い方へ流れるので、12.1V以下は充電電流は流れていません。オルタネータの出力電圧が14Vだとすると、11Aは流れすぎかとも思いますが充電してくると電流はだんだん減ります。おそらくこのダメバッテリーは充電してきても大きな電流が流れ続けるのだと思います。実験続行はちょっと危険なのと電気代がかさむので止めました。

いわく付きの場所?

そういえば末期症状が出た場所は、約4年前に冷却水の漏れが起きた時と同じ場所でした(笑)。そして緊急待避した場所も同じパチンコ屋さんの駐車場でした(笑)。いわく付きの場所なのかもしれません。

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