ドアロックASSYの摩耗と断定

集中ドアロックしない
（メンテナンス）

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Y31シーマ、Y31セドリック・グロリアに適用




ドアロックアクチュエータのロッドに遊びがあったため、
取り付け位置を少し下げ、さらにロッドを曲げて対処した
　

概要

2011年2月、走行距離28.7万キロの頃、ときどき集中ドアロックしない症状を直しました。
原因は簡単なことでしたが、調べる過程も載せていますので長文になっています。


症状

・運転席のドアロックノブを下げても他のドアが集中ドアロックしないときがある。
（助手席のパワーウインドウスイッチからリレーの音はするが各ドアのアクチュエータは作動しない）

・リモコンドアロックでロック操作した時も上記と同じ症状。

・この症状はドアロックスイッチをドアロックアクチュエータに交換する前から起きていたが、交換後から酷くなった。


原因
　

故障探求

先ずは分解などはせず、症状の全体像を把握することから始めました。
運転席のドアロックロブを何度も手で上げ下げしてみました。集中ドアロックが効かない時でもリレーの音は聞こえます。この音は助手席側のパワーウインドウスイッチ内のリレーの音です。何度も聞いているとロック時とアンロック時の音が違うことがわかりました。
ロック時は「カッ チッ」でやや高めの音です。アンロック時は「コッ チッ」というやや低め音です。その音を聞き分けながらドアロックノブを操作すると、ノブとは逆の方向にリレーが作動していることがわかりました。だから各ドアのアクチュエーターが動かなかったのです。でもなぜだ？！

逆方向に動いていた原因として考えられるのは、

・ドアロックスイッチの故障 →ドアロックアクチュエーターに交換する前の単体のドアロックスイッチでもこの症状は起きていたため、これはあり得ない
・パワーウインドウメインスイッチの故障 →パワーウインドウスイッチに間違った情報（ロックなのにアンロック信号）を送信している可能性はある
・パワーウインドウスイッチの故障 →受信したデータを間違って解釈している可能性がある（ロック信号なのにアンロックと解釈？）
・ドアロックスイッチの誤配線 →正常に作動する時もあるので、これはあり得ない
・ドアロックアクチュエーターの誤配線 →アクチュエーター作動時も逆方向に作動することがあるが、正常に作動する時もあるので、これはあり得ない


調査開始

手始めに原因として可能性のあるところから調べてみました。原因の大元というか、簡単に調べられて確実に探れるところはパワーウインドウメインスイッチのコネクタです。ここでドアロックスイッチの入力電圧をテスターで測ってみました。

パワーウインドウメインスイッチのところで電圧と抵抗を点検中

ドアロック/アンロックの点検

パワーウインドウメインスイッチのコネクタでドアロックスイッチ（端子No.9）の入力電圧をテスターで測りました。エンジン停止状態で12V。ドアロックノブを下げていくと途中で10Vになります（本当はアースされるので0Vのはず）。こんな状態では当然、集中ドアロックはされません。ドアロックノブを上げていった時も10Vになりました（本当は変化しないはず）。

端子No.9はパワーウインドウメインスイッチの「DOOR LOCK」を押している時は11Vになりました。端子No.14も「UNLOCK」を押している時は11Vでした（すべてエンジン停止状態で測定。

ちなみに、端子No.9も端子No.14もそこにアースをつなげると正常に作動しました。このことからドアロックスイッチのアース端子にアースが正常につながっていないのだろうと思いました。

端子No.14は、エンジン停止時は12V。ドアロックノブを上げている途中は0Vになりますが、集中ドアロックは作動せず（助手席側もパワーウインドウスイッチからはリレーの音は聞こえる）、ノブを押し下げている途中も0Vになるものの集中ドアロックは作動しません（この時もリレーの音だけ聞こえます）。

どれも同じことですが、集中ドアロックが作動しなくても助手席側のパワーウインドウスイッチからはリレーの音が聞こえます。ドアロックスイッチON時のアース間抵抗は0Ωでした（正常）。

今後の調べ方の方針
　

修理

ドアロックスイッチの真ん中のアースを疑いましたが違いました。ドア内張を剥がすとまったく症状が出なくなりました！！。ドア内張を戻した途端に症状が出ました！！。関係ありそうなところはドアロックノブしかない！。

アンロック時にドアロックノブが上がりきらないとロック時に集中ドアロックがかからないことがわかりました。上がりきっているようでもノブのエスカッションに当たって止まってしまう時があります。こんなときに症状が出ていたようです。

原因はわかったので、ドアロックノブを右回転させて下げて対処しました。これは故障とは言えないかもしれません。これで直ったかに思われましたが、手でインサイドドアハンドル（レバー）を動かした後でもドアロックしないことがわかりました。これはどうしよう・・・。

インサイドドアハンドル（レバー）をいっぱいに引いてもドアロックノブが上がりきっていませんでした（正常な時よりも1〜1.5mmノブが低い）。この状態でノブを下げても集中ドアロックは働きません。
インサイドドアハンドルにつながっているロッドをベルクランクのところで調整してみましたが変わらず。ロッドを引っ張るとドアロックASSY側でストッパーがかかってそれ以上引っ張れません。

ベルクランクでロッドの遊びを調整してみたが、ここでは解消できなかった
　

ドアロックアクチュエータ（または単体のドアロックスイッチ）のロッド に遊びがあるかどうかの見方は、ドアロックノブをいったん下げてレバーをいっぱいまで引きます。そしてアクチュエータのところでロッドを手で上げてみて少しでも上がったら遊びがあります（上がりきっていないということ）。

ドアロックノブが上がっているのに、まだ手でロッドを上げることができる場合は、
ロッドに遊びがあり、ドアロックスイッチが中途半端な位置で止まっている可能性がある

テスターで調べると、ノブが上がりきらない状態でノブを下げてもロックスイッチがONにならないことがわかりました。そればかりか、逆にアンロックスイッチがONになってしまうことがわかりました。
これは、ノブを上げていくとアンロックスイッチはOFF→ON→OFFと変化しますが、最後のOFFになるときにギリギリOFFになっている状態だと、その後にノブを下げてもアンロックスイッチがONになってしまうのです（この時のロックスイッチはOFFのまま保持されています）。

ドアロックスイッチの点検中

この対処法として一つ考えられるのは、アクチュエーターの取り付け位置を下げることです。下げるには取付穴をリーマーなどで広げるしかなさそうです。

ドアロックアクチュエーター固定用の穴をリーマーで拡大し、取り付け位置を下げてみた
（画像はリーマーで穴を広げているところ）

アクチュエーターを固定するところの穴に遊びがないので、穴をリーマーで広げて取り付け位置を1〜1.5mmくらい下げてみましたが改善しませんでした。

次にもう一つの対処法として、アクチュエータにつながっているロッドを折り曲げて長さを短くしてみましたが同じく改善しませんでした。

しかし、取り付け位置を下げる対処法と両方合わせるとOKでした！！。

ただ何度もボルトを締め直していたらアクチュエーター側がぶっ欠けてしまいました（汗）。タイラップ2本で応急処置しました。
もう少し多めにロッドを折り曲げていればアクチュエータを下げなくて済んだかもしれません。

最後に運転席のドアロックノブを1回転させて上げました（下げていたのを元に戻しただけです）

ドアロックアクチュエータのロッドを曲げて遊びをなくした。
取り付け位置を下げる方法と合わせると直った！！！

修理費用

0円

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