公開日:2004年7月20日
最終更新日:2019年4月10日

基板が腐食していた

パワーウィンドウ メイン スイッチの故障

(カテゴリー : メンテナンス

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用

パワーウィンドウメインスイッチの基板

症状

次々に症状が悪化していきました。

  1. パワーウィンドウメインスイッチから時々カチカチ音がするようになる(雨降った次の朝に多い)。

  2. ワンタッチウィンドウ操作が作動しなくなる。

  3. 車速感応ドアロックが作動しなくなる。

  4. ドアロックノブ連動およびキー連動集中ドアロック/アンロックが作動しなくなる。

  5. キーを回すと「ON」や「START」の位置でウィンドウが勝手に下りる。

修理費用

8,360円(交換部品代)

解説

症状悪化の連続

走行距離13.7万kmの頃、症状1が出始め、15.4万kmの頃に最悪の症状5まで悪化していきました。

症状1

運転席のドア付近からカチカチっと連続音がするようになってしまい、雨が降った翌朝にはかなり鳴っています。ドアの中にキツツキがいるのではないかと思えるような音です。これは ウィンドウが閉まっているのにさらに閉めようとリレーが勝手に作動するけどリミッターが働いて停止、でもまた閉めようとして・・・の繰り返しが起きているようです。そうです、カチカチっというのはリレーと 、ウィンドウを上げようとするモーターとリミッターの作動音だったのです。ドア内部に雨水が浸入したりして湿気が何かに影響しているのでは?と思い、ドア内部を点検してみましたが異常は見つかりませんでした。一応、ドアハーネスのコネクタにテーピングを施しましたが症状は改善しませんでした。

症状2

ワンタッチウィンドウ操作が作動しなくなりました。
指で押し続けないと上げ下げできなくなってしまっため、とっても不便です。

症状3

車速感応ドアロックが作動しなくなりました。
走り出しても集中ドアロックしないのでちょっと不安です。

症状4

ドアロックノブとキーに連動するはずの集中ドアロック/アンロックが作動しなくなりました。
せっかくリモコンドアロックを付けたのに、これではすべてのドアロックを確認しなくてはならず、とても不便です。

症状5

エンジンを始動させようとしてキーを回すと、「ON」の位置や「START」の位置でウィンドウが勝手に下りるようになりました。しばらくすると止まるのですが、走行中に起こったら危険ですし、何よりも雨の日に困ります。

スイッチを分解してみて

ここまでくると、もう我慢の限界を超えてしまい、自分でどうにかならないものかと思い、パワーウィンドウメインスイッチを分解することに。症状1の時に分解しても異常は見つかりませんでしたが、今回は内部の基板のパターンが腐食しているのを発見しました。

基板の腐食(表面が荒れている部分)

雨水がスイッチ内部に入り込んでこうなったとも考えられますが、しかし、実際の装着状態では、腐食していた面は下側なので、もし雨水が原因なら上側も腐食するはずです。電解コンデンサーから液漏れが起き、それが原因で腐食が進行したとも考えられますが、ハッキリしたことは分かりません。

もしも、この腐食がECCSコントロールユニット内で起きていたら?と考えただけで怖くなります。

応急処置

これらの症状がでる原因としは、明らかに基板の腐食が原因と思えたので、基板表面のボロボロになってるフラックスみたいなのもをマイナスドライバーで削り取りました。ハンダも腐食していたのでハンダ盛りを試みましたが、配線パターンが細かくて手に負えないことと、いまいちハンダのノリが悪いという理由でやめました。この時点で最悪の症状5だけは直りました。

フラックスを塗ったところ(ちょっと塗りすぎた)

※基板を保護するにはプリント基板用コーティング剤(サンハヤトSunhayatoのハヤコートHayacoat、太洋電機産業のBS-C20Bなど)が適しています。

基板を交換することに

このままでは不便ですし、もっと症状が悪化するかもしれないので、スイッチを交換することにしました。

日産サティオ店にて、ボタンも一緒に買うと1万円を超えてしまうので、基板部分だけ注文。部品屋に行く用事ができたとかですぐに入荷、注文からたったの5時間で手に入れることができました。

請求金額:8,360円(税抜き) 日産サティオKAN店
費目 コード 作業内容および部品名称 記号 数量 技術料 部品代
25404-14V00 AMPLIFIER ASSY 1 8,360円
※これは運転席側にあるパワーウィンドウメインスイッチの基板部分のみの費用。
※スイッチボタンごと交換するには12,800円かかる。
新しい基板(アンプと呼ばれる部品)、この3点で1セット(NILES製)
配線パターンが変更されていた
上が新品、下が今までのもの

※もともと省配線・省スペースを図るために多重通信システムが採用されていていますが、その分、回路が複雑になっています。
購入したスイッチ基板は、いままでのものと比べるとかなり回路の見直しをしたようで、配線パターンがかなり変わっています。初期のは何らかの設計ミスがあったのでしょうか?。リレーは2個から1個になりましたし、電解コンデンサーの数も減っています。

交換して

交換作業はほんの数分で終了。これでパワー ウィンドウとドアロックにまつわるすべての症状が一気に直りました。

補足(2007年7月)

コンデンサーNo.C63、22μF 25Vの液漏れが原因で基板が腐食して壊れることがわかりました。

基板が腐食しているところの近くにあるコンデンサーを輪切りにしてみたら、中身が乾燥していました。ちなみに腐食から離れているコンデンサーも輪切りにしてみたらちゃんと湿っていました。これでコンデンサーからの液漏れが原因で基板が腐食し、誤作動や作動しなくなることがわかりました。

基板が腐食してしまった以上、液漏れしたコンデンサーだけ交換しても元通りになる確率は低いです。

注意:コンデンサーの中の液体は人体にとってあまり好ましくない物です。

C63のコンデンサーを輪切りにしてみた
(基板はhirodentさん提供)