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最終更新日:2013年9月1日

常用域を快適に

過給圧制御カット
Boost Control Cut
(基本資料)

Y31シーマ(VG30DET)および
Y31セドリック/グロリア後期(VG20DET)に適用




過給圧制御カットの説明図
ECCSコントロールユニットからの過給圧制御信号をカットすると
過給圧制御ソレノイドは常に閉じた状態となり、過給圧は逃げなくなる
(ただしスイングバルブコントローラは動きやすくなる)

  
 

目次 ・・ 概要注意カットは過給圧制御の矛盾から生まれたカットするにはどうしたらよいかカットするとどうなるかスイングバルブコントローラは固着していないかカット時の燃費について純正でもカットすることがある掲示板への関連投稿記事(抜粋)ブースト圧の測定


概要

過給圧制御カットとは、過給圧制御を行わなくすることです。

過給圧制御を止めると過給圧の上限は低下しますが、常用域での過給圧は程々に上がります。これが面白いほど効きます。

過給圧制御カットした走行に慣れてしまうと元に戻したくなくなります。燃費の悪化が現れない限り続けたいと思っています。

愛車の場合です。愛車の現状は2010年10月末現在、コンピュータは純正、マフラーは純正のデュアルモードマフラーですが片方を常に閉じています。燃料はハイオクガソリンを使用しています。


注意

・過給圧制御カットすると最大過給圧は低下します。
・過給圧制御カットすると上り坂や急加速などの高負荷時にノッキングが起こりやすくなります。ノッキングが起こると、ECCSコントロールユニットはガソリン性状をレギュラーガソリンだと錯覚し、点火時期などを切り替えてしまいます。このためノッキングを起こさないような運転が必須となります。
・純正以外のコンピューターに交換している車両では効果がないようです(これはお友達の意見です)。(愛車で確認中)
デュアルモードマフラーを常時開放状態にしたときに過給圧制御カットの効果が薄いと感じたことがあります。このためデュアルモードマフラーを常に全開にしていたりマフラーを交換している車両はやらない方が無難です。
・Y31セドリック/グロリアの前期VG20DETエンジンおよび前期・後期VG30ETエンジンは過給圧制御システムを採用していません(常に過給圧制御カット状態です)。
・管理人の体感とお友達のレポートを基に載せています。すべての車種に適用できるとは限りません。



カットは過給圧制御の矛盾から生まれた

・圧力についての矛盾
過給圧制御の方法を調べているときにある矛盾点が浮かび上がりました。それは、せっかく過給してもタービンの前側に圧力を抜いてしまっているということです。ホースの途中にオリフィスが入っているので抜けにくくなっているとは思いますが、何のためにこのようなことをするのかというと、過給圧が上昇してもスイングバルブコントローラを動きにくくするためです。この方法によってVGターボエンジンは最大過給圧を高くしています(ハイオクガソリン使用時)。

最大過給圧を高くするために圧力を抜いてしまっているということは、過給圧が上がりにくくなってしまうことでもあるので矛盾しています。
通常の運転では最大過給圧になることは無いと思うので、最大過給圧を高くするためだけに圧力を抜いてしまってはもったいない気がします。
「圧力を抜かない方が実用的ではないか?」と言う考えから、過給圧制御を止めてみることにしました。これが過給圧制御カットの始まりです。


・ノッキングについての矛盾
レギュラーガソリン使用時にECCSコントロールユニットレギュラー判定すると過給圧制御ソレノイドの空気通路が閉じる制御が行われます。閉じた状態では最大過給圧は低下しますが、スイングバルブコントローラが作動しない常用域では過給しやすくなります。
レギュラーガソリンではノッキングが起こりやすいのに、わざわざノッキングが起こりやすくなる制御をするのも矛盾していると思います。点火時期などマップ変更で対応できているのかどうかも疑問です。



カットするにはどうしたらよいか

過給圧制御をカットする方法を挙げます。コネクタを抜く方法が一番簡単で確実です。


・過給圧制御ソレノイドのコネクタを抜く(推奨)

過給圧制御ECCSコントロールユニットからの命令でこのソレノイドが行っています。このソレノイドのコネクタを抜くことで制御しなくなり、空気通路は常に閉じた状態になります。これにより"圧縮空気の抜け"がなくなります。


過給圧制御ソレノイドのコネクタを抜いたところ



・過給圧制御ソレノイドにつながっているホースを潰す

このホースは、ターボチャージャーによって圧縮された空気をソレノイドを通ってタービンの前側に逃がす通路です。
過給圧制御ソレノイドが作動していても、このホースを潰すことによって空気通路は常に閉じた状態になります。これにより"圧縮空気の抜け"がなくなります。


ゴムホースをつぶしてテストしているところ(ホースがかわいそう)
(つぶすのに使ったのはダンパーストッパー
ET-5233SD



・過給圧制御ソレノイドにつながっているホースに制御弁を入れる

このホースは、ターボチャージャーによって圧縮された空気をソレノイドを通ってタービンの前側に逃がす通路です。
この通路の途中に制御弁を入れ、コックを閉じることによって空気通路は常に閉じた状態になります。
ソレノイドのコネクタをつないだままでもこの方法で"圧縮空気の抜け"がなくなります。
この方法だとコックの動かし加減で抜ける量を微調整できます。

使った物

名称 説明
制御弁 二方分岐(水槽エアー用分配器) K-09 観賞魚用品
AQUA GEAR コトブキ工芸株式会社

(269円)
ホース バキュームホース No.32511 4mm BLACK 2m
JURAN 株式会社タニダ ブースト(ターボ)計、バキューム(負圧)計対応配管

(1,021円)(ブースト圧センサーに使った余りを使用)
ゴムキャップ 14999-AK018 HKS 4mm 2個入 LOT No181209 黒

(567円)(二方分岐制御弁の使わない側用)



過給圧制御カット用の制御弁(2010年から採用)




カットするとどうなるか

原理的には過給された空気が逃げることなくエンジンに送り込まれることになります。吸入空気量が多いからには消費される燃料も多くなるかと思います。しかし、長いこと過給圧制御カットしていますが、燃費の悪化は見受けられません。これは、「適度に速い加速ができるのでアクセルペダルを緩めるタイミングが早くなる」ことによるものと思います。

以下は過給圧制御カットして、ノーマルに戻して、またカットしたときのそれぞれの感想です。なお一回の感想ではないので表現方法に似た部分があります。


まずカットして感じたこと・・・

・アクセルONですぐにトルクがある
・ターボラグが少ない
・加速に勢いがある
・エンジンの弱々しかったところが消えた
・パワフルになった
・エンジンに余裕が出来た
・アクセルペダルの踏む量が少なくてすむ
・エンジン音はやや大きいが力強く心地よい音


ノーマルに戻して感じたこと・・・

・勢いが無くなった
・カットしたときと同じ加減でアクセルペダルを踏んでいると前のクルマに追いつけない
・もたつく=重さを感じる
・カットしたときよりもアクセルを踏んでいる時間が長い
・もたついているときのエンジン音がうるさくて不快


再びカットして感じたこと・・・(2008年6月)

・身軽になった(最初のアクセルペダル一踏みからそう感じる)
・あまりアクセルペダルを踏まなくてもスイスイ進んでいく
・機敏に走れるため運転しやすい(2010年2月)


デュアルモードマフラーの制御弁は常に閉じた状態にしています(これ、検証していませんが、重要なことかもしれません)。

※カットするとエンジン音は多少は大きくなるかもしれませんが、力強く心地よい音です(タービン音に際立った変化はありません)。ノーマルに戻したときに同じような勢いで加速しようとするとそれなりにエンジン音がうるさくなるので、どちらがうるさいとは一概に言えません。

※スイングバルブコントローラはいままで通り有効なので過給圧が上がりすぎることはありません。むしろスイングバルブコントローラは動きやすい状態なので安心です。

※ブースト計を装着されているお友達は立ち上がりが良くなったそうです。ただしブースト圧は低下したそうです。



スイングバルブコントローラは固着していないか

過給圧制御カットすると加速しながらもアクセルペダルを緩める必要があるほど勢いが増します。これはもしかしてスイングバルブコントローラが固着しているのでは???と心配になりました。固着すると過給圧が上がりすぎてしまうからです。

そこでスイングバルブコントローラを点検してみることにしました。エンジンルームの上から見える範囲での確認でしたが、きちんと動いていました。

方法は、まず動いたことがわかるようにロッドに印を付けておきました。そして手でスロットルを開けてエンジン回転数を上げていき、ロッドが動くのを確認できたらスロットルを戻しました。
 


下の方にわずかに見えるスイングバルブコントローラとそのロッドの動きを確認できた


このときのエンジン回転数MAX値は6,500prmでした(トラストのインテリジェントインフォメータータッチで確認)。ロッドが動く回転数はエンジン音だけで判断すると、概ね4,000rpm以上ではないかと思います。このデータはもう一度正確に測って過給圧制御の最適化に役立てたいと思います。




カット時の燃費について

加速時は多くの燃料を消費しますが、「加速時間を短縮できれば燃費が良くなる」というのは自分の考えです(急すぎる加速はダメですけど)。一般的には「加速するときはアクセルペダルをやさしく踏む」と言われていますが、加速に要する時間が長くなればなるほど消費燃料が多くなります。

その点、過給圧制御カットすることによって、「アクセルペダルの少ない踏み込み量で比較的短い時間で加速できる」のでその後の惰性走行も含めて全体的には良くなる傾向にあります。



エンジン回転数を約2000rpmに保ったまま過給圧制御カットしてみたが、
空燃比、燃料噴射時間共に変化は無かった



純正でもカットすることがある

Y31セドリック/グロリア後期のVG20DETでは、ハイオクガソリン使用時でもA/Tのギア位置が1速の時は過給圧制御は行われません。なぜかはわかりませんが、これで発進時の勢いは増すはずです。

愛車はY31シーマ後期のVG30DETですが、愛車でもこのような"A/Tのギア位置によるカット制御"をやってみたいと思います。→最適化も参考に




掲示板への関連投稿記事(抜粋)

初代シーマに乗ろう掲示板

・コンピューターをインパルに変えている場合は過給圧制御カットよりもインパルが薦めているゴムホース配管をやった方がいいと思います。

・過給圧制御カットは過給圧制御ソレノイドバルブのコネクタを抜くだけです。
こうすると、過給された空気がエアフロ-タービン間に戻らなくなり、いつもより多くの空気がエンジンに送り込まれ、それに応じて燃料もいつもより多く消費します。またノッキングが起こりやすくなったり、水温が上がりやすくなったりすると思われます。さらにウエイストゲートバルブが働きやすくなるため、最大過給圧が低下します。うーん矛盾だらけですね(笑)
ぜんぜん良いことがないように思えますが、あとは運転術でこなします(笑)
過給圧制御カットすると2000〜2500回転でもりもりとターボが効いてくるので、アクセルを緩めざるを得なくなりますし、アクセルOFFでもふわっと走ってしまうので、結果的に燃料の消費を抑えられるんです。そこを我慢できずに吹かすと惨めな結末になるでしょう。
ちなみにデュアルモードマフラー常時全開との併用はトルクが無くなりますのでオススメできません。

・ノーマル状態では、基本的にはアクセルON/OFFで過給圧制御ソレノイドバルブもON/OFFします。ということは、過給圧制御カットしても、アクセルOFF時はノーマルと変わりないのです。ところが走っているときにアクセルOFF時してもふわーっと走る感じはノーマルとは程遠いです。
アクセルOFFではノーマルと変わらないはずなのにスイスイ走ってしまうのはCPUがMAP切り換えしてるのかなぁと考える今日この頃です。まだ調べることがいろいろあります。

・過給圧制御カットは、「せっかく過給圧を上げているのに、それを抜いちゃう制御ってどういうこと?」という疑問から実験やってます。
いつもより過給圧が高くなると、いつもより多くの燃料が使われると思いますが、「調子の良さ」と「燃料の使われ方」では「調子の良さ」の方が上回っているようです。
リッター約6.5km未満だったのが6.9〜7.0にアップしています。以前より気温が高くなって暖機時間が減ったこともあるかと思いますが、それだけではこんなに違いは出ないと思います。

・自分は過給圧制御ソレノイドのコードにLEDをつなげて走りながら確認しました。アクセルONで点灯しました。でもレギュラーは確認していません。
過給圧制御は最大過給圧を決めるために行われるものだと思うのですが、それが裏目にでて、常用域では不利な燃費になりかねないと思いました。
過給圧制御カットすると、最大過給圧が低下しますし、ノッキングが起こる可能性があるかと思います。なので、アクセルON/OFFで過給圧制御するのではなく、アクセルの踏み込み量やエンジン回転数などを使って適切な過給圧制御すれば走りも燃費も良くなるはずです。
レギュラー時とハイオク時の制御のしかたを見た場合、燃料の燃えやすさを考えると逆のような気がしてます・・・。

・IMPULオリフィスが小さいのは過給圧を抜けにくくするためだと思います。でもあまり小さくしすぎると、こんどはスイングバルブが開きやすくなって排気側が抜けちゃうんですね、きっと。
 



ブースト圧の測定

2012年10月、過給圧制御システムのノーマル時とカット時の最大過給圧を測定してみました。
測定に使った計器はトラストのGreddyインテリジェント・インフォメーター・タッチです。
デュアルモードマフラーのシングル時とツイン時も違いがあるかと思って測定してみました。

最大ブースト圧 デュアルモードマフラー
ツイン時 シングル時
過給圧制御システム ノーマル時 0.55 0.57
カット時 0.50 0.49

※単位はhkPa。
※高速道路にて時速80km/hからの加速時に測定(約3秒で100km/hを越えてしまう)。
※それぞれ3回測定したときの最大値。
※燃料はハイオクガソリン(レギュラーガソリンを入れているとレギュラー判定してしまうため)。
※計器はトラストのGreddyインテリジェント・インフォメーター・タッチ+ブーストセンサーセット。
※最大過給圧に達したかどうかはGreddyインテリジェント・インフォメーター・タッチのGRAPH表示にて確認した。
ECCSコントロールユニットは純正。


ノーマル時とカット時の最大過給圧はデータ的にも体感できるほどの差はありませんでした。
ノーマル時の方がやや高いのですが、過給圧の立ち上がりの速さはカット時の方が体感で速く感じられます。
 


関連ページ

基本資料 〜 過給圧制御システム > レギュラー判定実験
基本資料 〜 ECCSコントロールユニット
コネクタ表 〜 過給圧制御ソレノイド

 

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