レギュラーガソリンを給油するとどうなるか
レギュラー判定実験 (基本資料)
Y31シーマおよびY31セドリック/グロリアに適用
概要
2009年3月、走行距離25.0万キロの頃、レギュラーガソリンを給油してみて、車両コンピュータ(ECCSコントロールユニット)が正しく認識するかどうか実験してみました。
判定方法
レギュラーガソリンを給油したことを車両コンピュータが正しく認識しているかどうかは、過給圧制御システムの作動条件およびガソリン性状の判定を基に、過給圧制御ソレノイドの作動状態で判断することにします。過給圧制御ソレノイドは過給圧制御信号により作動するので、その信号で判定できます。
過給圧制御信号が出ていれば「ハイオク判定」とし、出ていなければ「レギュラー判定」したとします。レギュラー以外の条件でも信号が出ない場合がありますが、それは無視します。
過給圧制御信号の有無確認は信号線にLEDをつなげて行います(過給圧制御インジケータ)。走行中にLEDが点灯したら「ハイオク判定」とし、LEDが点灯しなかったら「レギュラー判定」としました。
過給圧制御インジケータ
過給圧制御ソレノイドはECCSコントロールユニットからの過給圧制御信号
によって作動しますが、この信号はただの電圧(約12V)です。
過給圧制御ソレノイドの作動状態を確認するために12Vで点灯するLEDを車両側のコネクタにつなげてみました。
過給圧制御ソレノイドの車両側のコネクタにLEDのコードをつないだ
LEDのプラス側を車両側の端子No.1(赤コード側)に、マイナス側を端子No.2(黄コード側)につなげました。
これでLEDが点灯したらECCSコントロールユニットから過給圧制御信号が出たことがわかります。つまりECCSコントロールユニットが過給圧制御ソレノイドを作動させようとしているのです(実際はコネクタを抜いているのでソレノイドは作動しません)。
簡易的な過給圧制御インジケータ
(レギュラー判定インジケーターとも呼んでいる)
インジケータ設置直後は、A/TセレクトレバーがP、R、N、D、2、1に関わらず、アクセルペダルを踏むとLEDが点灯しました(燃料はハイオク、水温は十分暖まった状態でテスト)。
エンジンの冷えている朝一でもLEDが点灯しました。
エンジンルームで手でスロットルを動かしてもLEDが点灯しました。
エンジンがかかってないとLEDは点灯しませんでした(キースイッチが「ON」の位置でも、どのポジションでも)。
実験
ハイオクが約20リットル残っているところにレギュラーを20リットル入れてみました(比率は50%)。ちょっと出だしの勢いが弱まりました(笑)。
車両コンピュータはレギュラーを入れたことにまだ気付いていません。
レギュラーを50%入れてもまだハイオクだと認識しています。
確か今までの経験からこの状態が一番燃費が悪かったような…。エンジンにも良くないような気がしています…。
次にハイオクとレギュラーのハーフが約20リットル残っているところにさらにレギュラーを20リットル入れてみました。これでレギュラーの比率が増えました(75%?)。
しかし車両コンピュータはまだハイオク判定のままです。ノッキングが起こるような運転をしないとレギュラー判定しないのでしょうか?。
その後、速いクルマの後を走っていたらレギュラー判定しました。ノッキングが起きたようです。ノックセンサーが正常に作動しているみたいで安心しました。やはりノッキングが起きるとレギュラー判定するようです。
レギュラー判定前のアイドリング時(Dドライブでブレーキを踏んでいる状態)の燃料噴射時間は2.7msでしたがレギュラー判定後は2.8msになり、ほんの少しだけ噴射時間が長くなりました(診断コネクタにつなげたスキャナーの表示より。誤差の範囲内かもしれない)。
レギュラー判定してレギュラーモードになっても、エンジンをかけ直すとハイオクモードに戻りました。つまり毎回ハイオクモードからのスタートとなり、ノッキングが起きたところでレギュラーモードになるようです。
一度レギュラーモードになると、エンジンをかけ直すまではそのモードが続くようです。
※注意: この実験中は過給圧制御ソレノイドは常に作動しない状態でした。つまり機械的にはレギュラーモードにした状態で実験しました。したがってノッキングが起こりやすくなっていたと思います。
※ハイオクガソリン100%でノッキングが起きてもレギュラー判定しにくいようです。何度か確認しました。
関連ページ
基本資料 〜 ECCSコントロールユニット
基本資料 〜 過給圧制御システム
基本資料 〜 過給圧制御カット
コネクタ表 〜 過給圧制御ソレノイド
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