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公開日:2010年5月5日

改造などのヒントに

オート リフレックス ルーム ミラーの
液晶ミラー

(基本資料)

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用


測定中の様子

※数値データは特定条件下で得られた測定値の代表例ですので、参考程度にしてください。



 

液晶ミラーの原理


液晶の特性を活かし、図@のようにスイッチがOFFのとき,電極間に電気が流れないと液晶は乱雑となり、鏡面からの反射する光通路が少なくなってNIGHT(防眩)状態になります。

図AのようにスイッチをONにすると、電極間に電気が流れると液晶は鏡面に対して垂直に整列し、鏡面からの反射する光通路が多くなってDAY(高反射)状態になります。

液晶ミラーの性質上、反射率を無段階に変化させることはできません。
 



基板の出力電圧と周波数

オートリフレックスルームミラーの基板から液晶ミラーにつながっている2本のコードの電圧および周波数は以下のとおりです(電源電圧:13.50V、デジタルテスターの交流電圧計および周波数計で測定。電圧はピーク値)。

・DAYスイッチON時: AC11.57V、61.40Hz
・NIGHTスイッチON時: AC0.0V、0.00Hz
※電圧は交流電圧です。

電源電圧が多少変化しても基板の出力はほとんどかわりません。
基板の出力に直列に整流ダイオードをいれて半波整流するとDAY状態になりません。



次に基板と液晶ミラーにつながっている2本のコードを切り離して無負荷にし、基板の出力を測ってみました(電源電圧:13.50V、デジタルテスターの交流電圧計および周波数計で測定。電圧はピーク値)。

・DAYスイッチON時: AC12.33V、61,49Hz
・NIGHTスイッチON時: AC0.01V、123.0Hz →無負荷では異常発振する
 


DAYスイッチON時の出力波形
 

61.4Hzは1秒間(1s=1000ms)に61.4回変化します。61.4Hzが1周期に要する時間は1000ms/61.4Hz=16.3ms


・発振周波数の変更方法

発振周波数は基板上のコンデンサC46の容量を変更すれば変わります。
ちなみに0.1μF(104)を並列につなげたら、25.7Hzになりました。これでもDAY状態になります。



液晶ミラーの周波数特性

適正な周波数はおよそ 20Hz〜300Hz。

測定方法: 電圧をAC約10V(ピーク値)に保ち、周波数を変化させて、液晶ミラーの明暗を観測。明るい状態を保てる周波数を適正値とする。

10Hz〜20Hzでも明るくなりますが、目で見てわかるくらいちらつきます。
300Hz〜1000Hzでも明るくなりますが、適正値よりはやや暗くなります。
1000Hz(1kHz)以上になると明るいところと暗いところが出てきてムラになります。
液晶ミラーの明暗濃度を3段階にしたいときは、1000Hz(1kHz)付近を2段目にすると良いでしょう。



液晶ミラーの電圧特性

適正な電圧はおよそ AC5.0V〜22.5V(実験装置が最大でここまでしか出なかった)。

測定方法: 周波数を61.4Hzに保ち、交流電圧を変化させて、ミラーの明暗を観測。明るい状態を保てる電圧を適正値とする。


適正値の範囲でもほんのわずかに明るさが変化します。電圧が低いとやや暗くなります。




直流や半波整流で明るくなるか?

直流やプラス側にしか変化しない交流に似た直流でもミラーが明るくなるか試してみました。もしこれで明るくできたら簡単な回路で制御できる可能性があります。

・直流→ 直流電圧を加えてもまったく変化しませんでした。直流電圧の印加を止めても電圧計はすぐには0になりませんでした。どうやら液晶ミラーにはコンデンサーに似た特性があるようです。このため、電荷を消す工夫をするか、マイナス側にも変化する電圧(つまり交流)でなければ反応しないようです。
容量の測定: デジタルテスターの容量計で測ったら 2.7μFでした。

・半波整流→ 交流電圧に整流ダイオードを直列につなげてみましたがまったく変化しませんでした。液晶ミラーにはコンデンサーに似た特性があるため電荷が残ってしまうようです。次に並列に抵抗(2.2kΩ3W)を接続したら高反射状態になりました。抵抗は発熱しませんでした。
このときの周波数特性は、100Hz〜900Hzでした(電圧はDC13.0V一定)。電圧特性は、DC5.0V〜DC13.0Vでした(周波数は100Hz一定)。これ以上の電圧は測定器の限界で出ませんでした。DC13.0V時に交流電圧計で測るとAC9.5V(ピーク値)でした。オシロスコープで観測したらマイナス側にも電圧が振れていました。




◆使った測定器:
デジタルテスター: 三和 PC510
直流電源: 菊水 PAN16-18A
低周波発振器: 自作 CR-940
低周波発振器: KENWOOD AG-204
パワーアンプ: 自作 MA-870
オシロスコープ: KENWOOD CS-1022



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