概要
2018年3月、走行距離39.9万kmの頃、エアサスのコンプレッサーが頻繁に動くようになり、センサー出力が不安定になっていたリア車高センサーの交換で直りました。
症状
いつもより車高調整の回数が増えた。エアサスのコンプレッサーが頻繁に動いたり、エア排出も頻繁に行われる。
車高調整による車高上昇(エアサスコンプレッサーの作動)や車高下降(エア排出)が頻繁に行われるようになりました。
車高が上がったと思ったらすぐに下がったり、そしてまた上がったり、絶えず車高調整を繰り返します。
信号待ちや走行中にもコンプレッサーが動いたり止まったりを繰り返すことがありました。走行中に路面の凸凹を拾って車高が変化したときにコンプレッサーは止まりますが、すぐにまた動きだします。
ちなみに、車高上昇はエアサスのコンプレッサーの音でわかりますし、車高下降はエア排出の「プシュ」「ピュー」音や、愛車に装着のエアサスのインジケーターキットでわかります。
原因
リア車高センサーの故障
センサーの出力が不安定になっていたため、車高調整を繰り返していました。
原因を探るために確認したこと
原因の候補を挙げる
車高調整は車高センサーの信号により行われるので、すぐに車高センサーが怪しいと思いました。そして原因として考えられる第1候補を車高センサーとしました。車高センサーに内蔵されている可変抵抗が滑らかに変化していないと思われます。
他にはエアサスコントロールユニットの故障も考えられるため、こちらは第2候補としました。
ありがちなエア漏れを候補に挙げなかったのは、車高下降(エア排出)も頻繁に行われているからです。
センサーを特定する
車高センサーはフロントに2つ、リアに1つありますが、まずは、どのセンサーが壊れているのか特定してみます。同時に2つ以上壊れることは希なので、どれか1つが壊れていると仮定します。
まずフロントですが、片方が壊れると左右の車高バランスが崩れやすくなります。しかしバランスはいつも良好なので、フロントではなさそうです。
残りはリアですが、リアが壊れると前後の車高バランスが崩れます。何となくリアの方が高い感じがするときもありますが、特段バランスが崩れているという印象はありません。頻繁に車高調整するのは車高バランスを保つためなので、結果的にいつ見てもバランスは程々良くなっているということなのでしょう。
次に具体的にどのセンサーが悪いのか確認していきます。
確認方法ですが、車高調整中(エアサスのコンプレッサー作動中)にエアサスキットで車高の設定を変えてみます。あきらかに「おかしな車高調整」をしているときに、車高の設定を変えると車高調整が停止することがあります。この「おかしな車高調整」とは、車高の上げ下げをくり返しているハンチング状態のことです。車高が上がったばかりなのに下がったり、下がったばかりなのにまた上げようとしていたら、あきらかに「おかしな車高調整」と言えます。ちなみに、エアサスキットで車高の設定を変えるとセンサーの主力も変わります。良い方へ変えると「ちょうど良い車高」と認識して車高調整は停止します。言い替えると、センサーの出力を、エアサスキットの車高設定で、良い方へ補正できたときに車高調整が停止します。フロントかリアのどちらの車高の設定を変えたかによってフロントなのかリアなのかが特定できます。
フロントの車高の設定を変えたときに車高調整が停止したら、フロントの車高センサーが怪しいです。
リアの車高の設定を変えたときに車高調整が停止したら、リアの車高センサーが怪しいです。
この方法で確認すると、リア車高センサーが怪しいことがわかりました。
センサーの出力を監視
愛用のエアサスキットには車高レベルメーターなどの表示がなく、車高センサーの出力がどのように変化しているかわかりません。この確認をするため、テスターで車高センサーの出力を監視することにしました。テスターの測定レンジを直流電圧の2.5Vにし、プラス側をリア車高センサーの出力に、アースはボディーアースにつなげました。リア車高センサーの出力はエアサスキットの車種別専用ハーネスから取りました。
リアの車高上昇は約2.3Vまで上がったところで停止、車高下降は約2.4Vまで下がったところで停止していました。この約2.3V~2.4Vを標準の車高としてエアサスコントロールユニットが認識しているようです。この範囲を外れると車高調整が行われます。
車高調整中に、電圧がガクガク変化しました。これは明らかに異常です。
リア車高センサーの故障と断定
リア車高センサーの出力が滑らかに変化していないことがわかり、これが原因だと断定しました。
なおリア車高センサーの取付状態も確認してみましたが、緩みなどはありませんでした。
応急処置
何とか良くならないものかと思い、サンハヤトの「接点復活王」(ニューポリコールキング PJR-S120)を試してみました。これは旧モデルPJK-145の頃から愛用しているお気に入りのスライド接点用の接点復活剤です。回転軸のところにたっぷりスプレーしたら、1~2週間後に症状の改善が見られました。車高センサーは密閉されているので、中まで浸透するのに時間がかかったのでしょうか?。しかしそれから数週間で同じ症状が出ました。そしてまたスプレーすると1~2週間後に改善しました。これを3回くらい繰り返しましたが、そこからは効かなくなりました。ただしこの方法は、本当に中まで浸みて効果があったのかどうか正直わかりません。
後日、検証のため車高センサーを分解してみました。軸のところまでは浸みていましたが、肝心のスライド接点のところは浸みていませんでした。何だったのでしょうか、この改善は(笑)
なお、症状が軽いときは、車高をわざと高くしたり低くして、車高センサーを大きく動かすことを繰り返すと改善することがあります。
同じ症状でお困りなら、車高センサーを入手・交換するまでの応急処置として、こちらの方法を試してみる価値はあるかと思います。
交換による修理
車高が極端な高さになったり低くなる症状は出ていないのでこのままでも乗り続けられますが、コンプレッサーが頻繁に動くとオルタネータに負担がかかるので修理することにしました。
しかし車高センサーは分解修理ができないので交換するしかありません。
中古部品(8,000円)を手に入れて交換しました。
交換後、センサーのところで車高を調整し、完治しました。調整は寝っ転がって手をのばしてやりました(笑)
リア車高センサーの交換