公開日:2015年2月1日
最終更新日:2019年4月8日

コンプレッサーを動かします

エアコン リレー

Air-Con Relay

カテゴリー : 基本資料

Y31シーマおよびY31セドリック/グロリアに適用

エアコンリレーはエンジンルーム向かって右奥にある

解説

エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチを動かすためのリレーです。
リレーが作動するとコンプレッサーが作動し、リレーが停止するとコンプレッサーも停止します。
リレーの制御はオートアンプではなくECCSコントロールユニットが行っています(VG系)。

ECCSコントロールユニットによるエアコンリレーの制御】

  • エアコン作動遅延・・・エアコンON時にコンプレッサー負荷による一時的なエンジン回転数の落ち込みを防ぐ(約0.5秒間)。

  • 加速時エアコンカット・・・エアコン使用時の効率向上とフィーリング改善(約10秒間)。

エアコンリレーはA/Cリレーと書くこともあります。
エンジンルーム左後ろ(向かって右奥)に取り付けられています。

リレー型式は1M、識別色:青色
(部品番号:25230-C9970、25230-C9980、25230-C9985互換性あり)

回路図

車種によりヒューズNo.や端子No.、電動ファンの有無、エアコンカット信号の有無、ECCSコントロールユニットを経由するかどうかが異なります。

エアコンリレー系統の配線図
(マグネットクラッチが動くことによりエアコンコンプレッサーが作動する)

【信号の流れ】

  1. エアコンONでオートアンプからエアコンスイッチ信号がECCSコントロールユニットに送られる。

  2. ECCSコントロールユニットでエアコン作動遅延をしてからエアコンリレー信号をエアコンリレーに送る。

  3. エアコンリレーが作動するとマグネットクラッチが働きエアコンコンプレッサーが作動する。

  4. 急加速時はECCSコントロールユニットがエアコンリレー信号を一旦止める。

ECCSコントロールユニットからエアコンカット信号がオートアンプへ送られるが、オートアンプは何も処理していない(後期型の愛車で確認)。
※Y31セドリック/グロリアのRD28はオートアンプからのエアコンスイッチ信号はロープレッシャースイッチ→エアコンリレーへ送られる。
※Y31セドリック/グロリアのマニュアルエアコンや後付けオートエアコンはオートアンプの代わりにサーモアンプが担う。

壊れるとどうなるか

エアコンリレーが壊れたりコードが断線したりコネクタを抜いたままにしておくと、エアコンのコンプレッサーが作動しなくなります。これにより冷房が効かなくなります。
とは言えリレーが壊れることは希なので、コンプレッサーが動かない場合はまずはヒューズを疑ってみましょう。
補助電動ファン搭載車はファンが正常に動いているかどうかでマグネットクラッチが壊れたのかそれより前のリレー回路なのか推測できます。

エアコンリレーもマグネットクラッチも補助電動ファンも作動時に音がするので、音で簡単に確認できます。

コネクタ表

Y31シーマ前期/後期

Y31セドリック/グロリア後期


コネクタをコード側から見たところ(Y31シーマ後期)
端子No. 名称 コード 電圧 内容
No. 太さ
1 IG電源 832 薄緑 12V/0V ヒューズ#23を通ってくるIG電源。

キー「ON」で約12V。
5 830 薄緑
2 エアコンリレー信号 871 薄緑 12V/0V ECCSコントロールユニットからの入力。
ECCSコントロールユニットとの中間にロープレッシャースイッチがつながっている。

ダイオードを介してラジエターファンリレーにもつながっていて、エアコンON時に補助電動ファンを回す仕組みになっている(VG30DET)。

エアコンOFF時:約12V
エアコンON時(冷房時):0V

0Vのときに当リレーが作動する。

※エアコンON時でも加速時エアコンカット機能が働いているときは約12V
※エアコンON時でもロープレッシャースイッチがOFFのときは約12V

Y31セドリック/グロリアVG20DETのコードの色は薄緑/白。
Y31セドリック/グロリアVG20E、VG30E、VG30ETのコードの色は紫/白。
Y31セドリック/グロリアのRD28はロープレッシャースイッチを介してオートアンプからの入力となる。
Y31セドリック/グロリアのマニュアルエアコンはロープレッシャースイッチを介してサーモアンプからの入力となる。

3 マグネットクラッチ 831

843
12V/0V エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチへの出力。

端子No.2が0Vのとき当リレーが作動する。

リレー作動時は約12V。作動していないときは0V。

端子No.5のIG電源をこの端子に出力する。
これによりマグネットクラッチが作動しコンプレッサーが動き出す。

Y31セドリック/グロリアのRD28は エンジンコントロールユニットの端子No.28にもつながっている。

Y31セドリック/グロリア前期


端子No. 名称 コード 電圧 内容
No. 太さ
2 ACC電源 832 薄緑 12V/0V ヒューズ#9を通ってくるACC電源。

キー「ON」で約12V。
4 830 薄緑
1 エアコンリレー信号 2

833
12V/0V ECCSコントロールユニットからの入力。
ECCSコントロールユニットとの中間にロープレッシャースイッチがつながっている。

エアコンOFF時:約12V
エアコンON時(冷房時):0V

0Vのときに当リレーが作動する。

※エアコンON時でも加速時エアコンカット機能が働いているときは約12V
※エアコンON時でもロープレッシャースイッチがOFFのときは約12V

Y31セドリック/グロリアのRD28はロープレッシャースイッチを介してオートアンプからの入力となる。
Y31セドリック/グロリアのマニュアルエアコンはロープレッシャースイッチを介してサーモアンプからの入力となる。
3 マグネットクラッチ 831

843
12V/0V エアコンコンプレッサーのマグネットクラッチへの出力。

端子No.2が0Vのとき当リレーが作動する。

リレー作動時は約12V。作動していないときは0V。

端子No.5のIG電源(ACC電源)をこの端子に出力する。
これによりマグネットクラッチが作動しコンプレッサーが動き出す。

Y31セドリック/グロリアのRD28はエンジンコントロールユニットの端子No.28にもつながっている。

Y31セドリック/グロリアVG20DET、VG20E、VG30E、VG30ETのコードの色は青/黒。
Y31セドリック/グロリアのディーゼルエンジン搭載車のコードの色は紫/白。
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