コードが千切れていた
つなげたDVDの音が出ない
(メンテナンス)
Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアの
マルチAVシステム装着車に適用
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DVDプレーヤーを専用接続コードでビデオ・音声入力端子につないだが…
概要
2009年7月のオフ会の時、Y31シーマ乗りの参加者から、マルチAVシステムにつなげたDVDプレーヤーの音声だけ出ないのでみて欲しいと頼まれました。
調べると意外な事実がありました。
症状
マルチAVシステムのビデオ・音声入力端子専用の接続ケーブルを使ってつなげたDVDプレーヤーの音声だけが出ない(映像は正常)。
他のTVやラジオなどのモードでは音声は正常に出る。
故障探求
1.
どこが壊れているのか探るときは一番簡単に試せるところから調べ、その次に元の方から調べます。この事例の場合は接続コードの接触を確かめることから始めます。マルチAVシステムをビデオモードにするとDVDの映像は表示しましたが、音声は出ませんでした。この状態で接続プラグを回したり抜き差ししたりして音を確認しましたが、まったく出ませんでした。普通ならジリジリとかプツプツとノイズくらいは出るのですが、それもありませんでした。

専用接続コード
2. 次に元の方から調べます。この事例の場合はDVDが元になります。もしもDVDから音が出ていなければ、マルチAVシステムから音が出るはずがないからです。ヘッドホンなどがあれば確認できるのですがないので、音声の出力をテスターの電圧計で確認してみました。しかし出力が弱いのか針は振れませんでした。持ち主を信じてDVDは疑わないことにしました。
3. 次に接続コードを疑いました。万が一断線していれば音声が出なくなります。これもテスターの抵抗計で確認し、すべてOKでした。
4. 次にビデオ・音声入力端子の破損を疑いました。端子の内部が破損していると音声がつながらなくなるからです。テスターのコードにDVDの音声信号をつなげ、棒の先をビデオ・音声入力端子に差し込んでみました。仮に端子が破損していたとしても、端子に触れさえすれば音が出るはずです。音が出れば破損していることが確定するのですが、まったく音は出ませんでした。
…ということは破損程度ではなく崩壊している可能性もあるということです。こんどはテスターのコードにDVDの映像信号をつなげて同じことをやってみました。これで音声入力につながればビーとかブーとかノイズが発すると思ったからです。しかしこれでも音は出ませんでした。
5. 原因はビデオ・音声入力端子から奥の方(マルチAVシステムの本体)のどこかににあると確信しました。しかし他人のクルマなのでバラバラにするのは気が引けます。そこでビデオ・音声入力端子とマルチAVシステム(実際はAVコントロールユニット)が正しくつながっているか調べてみることにしました。確認方法はビデオ・音声入力端子に接続ケーブルをつなげて各信号端子間の導通をテスターの抵抗計で調べます。その結果、すべて∞Ω、つまり接続していないことがわかりました。
6. 原因はどうやらマルチAVシステム側のようですが、AVコントロールユニットを外してまで調べることはできません(オフ会中で配線図も無いし)。持ち主に聞くとAVスイッチ(CRTディスプレイ前面の操作パネル部分)のみ交換したことがあり、外したAVスイッチはトランクにあるという。そのAVスイッチを見せてもらいました。そのAVスイッチから細長いコードが伸びていて先端に小さい茶色いコネクタがついていました。このコネクタとビデオ・音声入力端子の導通を調べたらつながっていることがわかりました。つまり、ビデオ・音声入力端子につなげた信号はこの細いコードを通ってAVコントロールユニットに送られるということです。原因はこの茶色いコネクタがつながっていない可能性が大きくなりました。
7. もはやコネクタの接続を確認しなければならないところまできました。しかしコネクタを確認するにはコンソールフィニッシャやクラスターリッドC、そしてCRTディスプレイも外さなければなりません。持ち主は他の人と話し中だし…。
運良く?コンソールフィニッシャーが浮いていたので手で外し、プラスドライバーでクラスターリッドCとCRTディスプレイを外しました。
早速コードをたどっていくと…つながっていない!!!。しかも車両側(AVコントロールユニット側)のコードはコネクタがありませんでした(ブツ切り状態)。

原因: このハーネスの車両側のコネクタ(茶色)がなかったので音声だけ出なかった
(映像信号のコードは別)
修理
原因はビデオ・音声入力端子につながっているハーネスの中間コネクタ(茶色)がつながっていなかったからでした。しかも引き千切ったような切れ方をしてました。
持ち主がAVスイッチを交換した時はコネクタがなかったのでつながなかったそうです(交換する前もつながってなかった)。
ちなみにこのクルマは、別のお友達が昔乗っていたクルマですが、そのときはこんなことにはなっていなかったそうです。
どうやら中古車屋さんがCRTディスプレイを交換する時、コードがつながっていることに気付かずに引っぱって切ってしまったようです。
仕方ないのでコネクタを使わずに直結することにしました。コードが細いのでキボシも使いません。コードの被覆を剥いて手でねじるだけです。後は絶縁テープを巻きました。

直結するためコードの被覆を剥いたところ
これで無事にDVDの音声がクルマのスピーカーから出るようになりました。
ちなみに今回修理したハーネスに映像信号コードはないので、切れても映像には影響がなかったのです。
ところでこのクルマ、スピーカーはJBLスピーカーでして、低走行車(2009年7月現在で走行距離3.7万キロ)なのでスピーカーは健在でした。純正のJBLスピーカーでこれほどまでに良い音を聴いたのは初めてでした。
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