公開日:2004年6月10日
最終更新日:2019年4月12日

存在感ないけど快適さはダントツ!!!

車速感知式間欠ワイパー

Auto Interval Wiper

カテゴリー : 追加装備

Y31シーマおよびY31セドリック・グロリアに適用可能

概要

無段間欠ワイパーを車速感知式化しました。

地味な装備ですが、愛車の中では最高レベルの快適装備だと思っています。

仕様と目的

停車時にワイパーの間欠時間を長くします(毎分の作動回数を少なくします)。

雨の日の信号待ちなどで、ワイパーの存在を感じさせなくするのが目的です。

解説

雨の日、走っているときは適切な間欠スピードでも、信号待ちなどで停車したときにワイパーの動作がしつこいと思ったことはありませんか?

この装備は、停車してから約3秒後に自動的に間欠スピードを約1段分遅くするので、ワイパー操作の煩わしさや、ワイパー動作のうっとうしさから解放されます。そして発進と同時に復帰します。

この装備は、ワイパースイッチが「INT」(無段間欠動作)のときのみ有効です。

※この装備は、クルマが走行中か停車中かを判断して間欠時間を自動調節しています。降雨や雨量は感知しません。

ちなみに、Y31型以降のシーマの間欠ワイパーの仕様は次の通りです。
 

Y31型シーマ 普通の間欠
Y32型シーマ 普通の間欠
Y33型シーマ
F50型シーマ 車速感知式間欠

※標準装備の車速感知式間欠ワイパーの仕様が、このページで紹介している仕様と同じかどうかは未確認。あるディーラーで聞いてみましたが、誰一人として詳しいことを知りませんでした。それだけ地味な装備なんですね。

車速を検出する方法

※この装備を実現させるには、別途、クルマが走行中か停車中かを検出する装置が必要です。具体的には、停車中に12Vが発生する装置が必要です。走行中に12Vが発生する装置がある場合には、停車中に12Vになるように回路をいじる必要があります。

愛車では追加装備の車速感知アダプターを使っていますが、標準装備の中で実現させるには以下の方法が考えられます。

  1. 車速感応ドアロック機構から車速検出信号を得る(具体的には未確認です)。

  2. アナログメーターコネクタの端子No.a1-5から10km/h信号を得る(使えるかどうか、実際にどんな電圧が出ているかは未確認です)。

  3. パーキングブレーキスイッチから得る。

地味な存在だがとても重宝する

間欠動作で一番速いスピードの場合、毎分22回動作しますが、停車すると自動的に毎分6回の間引き動作になります。

数値的にはかなり減っているように思えますが、体感的には良好です。

参考タイム
状態 速い←間欠時間→遅い 説明
走っているとき 1秒 10秒 16秒 21秒 走行中は標準の間欠タイム。
停車すると 7秒 17秒 21秒 21秒 停車すると自動的にこのタイムとなる。
パーキングブレーキ電源につなげた場合は、パーキングブレーキをかけたときにこの時間となる。
※実際の間欠時間は無段階だが、説明のため4段階にした。

間欠ワイパーのからくり

通常、ワイパーの間欠スピードはワイパーレバーの頭部を回転させて調整します。この部分には可変抵抗器が入っていて、ちょうどアナログ式のボリュームのような構造になっています。

具体的には、あらかじめ間欠スピード制御電圧が発生していて、それをボリュームによってアースに近づけてスピードをコントロールしています。

実際には、抵抗値は1kΩ~0Ω(アース)の範囲で変化し、値が大きいとスピードが遅く、小さいと速くなります。これはあくまでも拭き取り動作から次の拭き取り動作まで時間間隔であって、ワイパーが動くスピードではありません。

実現方法

この装備は、ボリュームの回転によって抵抗値を変化させているのを、車速感知によって変化させることで実現しています。車速感知とは、「走行中」、「停車中」の2パターンの状態を言います。 車速=スピードは見ていません。

構成図

愛車では「走行中」か「停車中」かを知るために車速感知アダプターを使っています。このアダプターは「走行中」、「停車中」の状態をそれぞれ12V、0Vの電圧で出力してくれます。この出力ならリレーを利用して制御できるのでインターフェイスがとても簡単です。

配線図

他車種でもこの結線ポイントが見つかれば間欠時間調整は可能と思います。
ワイパーレバーのボリュームのコードと直列に間欠時間遅延用として、200Ω~250Ωくらいの抵抗器を接続します。

回路図

図中の矢印はコントロールの流れを表しており、電流の向きではありません。
停車中ON電源とは、停車中だけ12Vが出る電源です。パーキングブレーキ電源でも利用できるようにこの回路にしています。
走行中は電源を一切使わない方法なので、走行中に電源が切れたときの心配もなく、安全性を考慮した回路といえます。
この回路は追加装備の車速感知アダプターに組み込んでいます。

「走行中」はリレー非動作によって抵抗器を通らずに通常の間欠時間を保ち、「停車中」はリレー動作で抵抗器を生かして時間を長くします。

こうすることで停車中のワイパー動作を気にすることなく快適に運転できるようになります。

万が一、作動不良を起こしても、ワイパースイッチの「INT」以外の位置なら通常どおり作動するので問題はないでしょう。