Y31シーマおよび
Y31セドリック/グロリアのオートエアコン・ITエアコン搭載車に適用



オートアンプ 28525-45V01 9Z20 891222C
(奥は点検に使った電源)

概要

2009年11月、お友達から部品取り用としてもらったオートアンプ（2個目）を直しました。しかしこれもイルミ球がすべて取られていて使い物になりません（笑）。

このオートアンプの型番は28525-45V01 9Z20 891222C。セド/グロ用、後席エアコンなしタイプです。


※2010年7月18日、このオートアンプはROCKY-STRIKEさんの壊れているオートアンプと交換しました。


症状

・ エアコンが表示しない。ボタン操作は受け付ける。

お友達からは「停電する」と伺っていましたが、「表示だけ停電する」症状のようです。



故障探求

今回もオートアンプに電源（DC13.5V）をつなげて調べました。電源はオートアンプコネクタAの端子No.1、2、3に+13.5V、端子No.8にアースをつなげました。


１.症状の確認

電源をつなぐと電流は0.21Aになりました。これは経験により異常時の値だとすぐにわかりました。
　

電圧13.50Vの電源をつないだら最初、電流は0.21Aになった（異常値）
（これは電源装置の画像）

2.「エアコン」ボタンを押してみる

薄暗く表示され、両端はもっと薄暗いので点灯していないように見えます。
ボタン操作には反応します。ということは、別のオートアンプの症状と同じなので、トランジスタTR11の辺りを点検すれば直りそうです。
ちなみに、温度調節ボタンを押しても操作音は鳴りませんでした（セド/グロ用だから）。

全体的に薄暗く、両端は見えない

3.フタを開ける

このオートアンプにもフタを開けた形跡はありませんでした。
開けやすくするため、ロックされている部分をニッパーで切り落としました。
フタはビスでも留まっているので、ロックを切っても大丈夫です。

やはりフタの内部にはススが付いていました。まんべんなく付いているので、内部の自然な発熱によるススとケース外から入ってきたススのようです。
　

フタの内側にはススがまんべんなく付いていた

4.再び電源をつないでみる

電流は0.21Aになり、再び同じような表示の症状になりました。
トランジスタTR11のハンダ面から「B（ベース）」端子に触ってみると表示が正常になりました。やはりここのようです。
　

トランジスタTR11のB端子にハンダ面から触ってみると一時的に正常になった

5.基板を点検してみる

トランジスタTR9（2SD789E）のハンダ面に少しススが付いていました。ハンダを見るとかなりひどい状態になっていました。

トランジスタTR9付近が黒くなっていた



トランジスタTR9のハンダ面。これはひどい!!

6.ハンダを補修する

いままでの経験から、トランジスタTR5（2SD789E）、TR9（2SD789E）、TR11（2SC945）、モータードライバーICのハンダを補修しました。
しかし、まだ症状が出ます。


7.蛍光表示管側の基板を点検してみる

基板の接続部のコネクタがグラグラしていました。ハンダ割れが起きているようでした。ここのハンダも補修しました。
　

蛍光表示管側の基板（接続部）



蛍光表示管側の基板の接続部のハンダが割れていた
（ハンダはツヤがあるので熱疲労ではなさそうだ）

8.全面的にハンダを補修する

ここまでやってもまだ症状が出るので、メイン基板のハンダをすべて補修することにしました。これで完治しました。




原因

・メイン基板のありとあらゆるところのハンダ割れ。
・蛍光表示管側の基板の接続部のハンダ割れ。
　

修理

・メイン基板のハンダ面のハンダをすべて補修。
・蛍光表示管側の基板の接続部のハンダを補修。


チップ部品とスルーホールのハンダは溶かし直しのみで、それ以外の部品は、トランジスタTR5、TR9、TR11は古いハンダを吸い取り線で吸い取ってから新しいハンダを盛りました。それほどひどくないものは古いハンダを溶かして新しいハンダ（無鉛ハンダではないもの）を溶かし込みました。
　

オートアンプ28525-45V01の基板



直った

使った工具類

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