走行中は危険!
パワーシートの故障〜
動かしたら止まらない (メンテナンス)
Y31シーマ、Y31セドリック・グロリアに適用
上のページへ
概要
2011年5月、走行距離29.0万キロの頃、運転席のパワーシートを動かすと止まらなくなる症状を直しました。
症状
・ ときどき運転席足元から「ガチャガチャ」とリレーの素早く動く音がする(実際は運転席下から音がしていた)。
・ 上記の音が出ているときに運転席のパワーシートを動かすと止まらなくなる。行き着くところまで動く。
・ 上記の状態で運転席のパワーシートを逆方向に動かすと逆になるがまた止まらなくなる。これも行く着くところまで動く。
・ 上記の「動かない状態」や「止まらない状態」のときに運転席のドアアームレスト付近を叩くと直ることがある。
・ ときどき運転席のパワーシートスイッチを操作しても動かないときがある。
・ ときどき運転席のパワーシートスイッチを操作しても反応が悪く、動くまでコンマ数秒遅れることがある。
原因
運転席のパワーシートスイッチコネクタの接触不良。
故障探求
この事例は原因がわかるまで時間がかかりました。症状がときどきにしか現れないからです。しかし放っておいては走行中にパワーシートが止まらなくなるのでとても危険です。命に関わることなので、「これってリコールにならないのかな?」と何度も思ったほどです。
まずは運転席足元から聞こえてくるリレーの「ガチャガチャ」という異音から調べました。この音もやはりときどきにしか発生しないため、どこのリレーが誤作動しているのかなかなか特定できませんでした。
異音が発生するのは走行中か信号待ちなどで止まっているときです。つまりエンジンがかかっている状態です。エンジンをかけているか、エンジンはかけなくても
キースイッチを「ON」の位置にしていないと症状は現れないのです。
自分は無駄なアイドリングはしないので、これも原因の特定が遅れた理由でもあります。
ある日、駐車場に入ったときにタイミング良くリレーの異音が発生したため、エンジンをかけたままリレーの特定に努めました。そして運転席下から音がしていることがわかりました。いままではブレーキペダルやアクセルペダルの辺りだとと思っていたのですが、どうやら足先のペダルの辺りで反射して聞こえていたようです。
異音が発生しているリレーはパワーシートのコントロールユニットの中に入っているリレーだと断定しました。そういえばパワーシートスイッチを操作したときにも同じようなところからリレーの音がしています。パワーシートスイッチを素早く操作したときの音に似ています(異音はもっと高速ですが)。
しかしなぜリレーが誤作動するのかはまだわかっていません。
以前に起きたパワーウインドウが動かなくなったときの原因から推測すると、エンジンルーム内のヒューズが原因である可能性が高いと思いました。
それはヒューズ切れ(クラック)。完全には切れていなくて、つながったり離れたりすることで誤作動するのではないかと考えました。しかし、ヒューズを調べても、どれも正常でした。
次に考えられるのは運転席下の配線類の接触不良です。以前、シート下を通っている配線の整理をしたときに千切ってしまって応急処置したような記憶があります(汗)。しかし、シート下の配線やコネクタをいじってもリレーの異音は変化しませんでした。ここではないようです。こまったこまった。
ある日、パワーシートが動かなくなったときに、運転席ドアを叩いてみたら直りました。もしかして?と思ってリレーの異音がしているときにドアを叩いてみたら鳴り止みました。どうやら原因はドアの中のようです。
とうとう、ここではないか?という部分を突き止めました。それはパワーシートスイッチ近くのコードです。このコードを触ると異音が出たり止まったりします。コネクタからコードを軽く引っ張るとパワーシートは動かなくなります。反対にコードをコネクタの方へ押し込むと動くようになりました。このコードが断線していて接触不良状態になっているに違いないと思いました。

黄緑色のコードの矢印部分が断線していると思ったが…
さてその疑わしいコードを調べてみたら切れていませんでした(汗)。この付近に間違いないのでとりあえずコネクタから端子を抜いて確認してみることにしました。

コードの被服をめくってみたら切れてなかった
すると端子のオス・メス同士の噛み合いが緩いことに気付きました。原因はこれでした。
6Pコネクタの4端子とも緩くなっていました。これはもうコネクタを変えるしかありません。

オス端子に差し込んでみたら緩かった

4本とも緩かった
修理
パワーシートスイッチのコネクタの接触不良だとわかったので、コネクタを交換することにしました。純正品でなくてもいいので、ホームセンターで買うことにしました。カー用品売場で売っていたエーモンの細線用の4Pコネクタを買ってきて交換しました。

エーモン ITEM No.2811 カプラー4極 細線シリーズ
適合コードサイズ:0.08〜0.3sq相当(AWG28〜22)
しかし買ったコネクタはちょっと小さすぎたかもしれません。圧着工具は持って来るのを忘れたので仕方なくラジオペンチで圧着しました。コードの部分がうまく圧着できず不安なので、銅線のところをハンダ付けして補強しました。

パワーシートスイッチ側のコードは4本とも同じ色なので区別が付くように書いておいた

コネクタから全端子を抜いた
(この端子は再利用できないので、端子は抜かずにコードを切ってもよい)

新しいコネクタに交換した
コネクタ交換後は、パワーシートが正常に動くようになりました。もたつきがありません。パワーシートスイッチを操作したら遅れることなくしっかり動作してくれますし、しっかり止まります。リレーの異音も出なくなりました。
良かった良かった。これでホッとしました。
修理費用
248円(コネクタ代)
再交換しました
2012年5月、ごくまれに同じ症状が出ていましたので、再びコネクタを交換しました。
いままではエーモン ITEM No.2811の細線用カプラーを使っていましたが、今回は大きめのITEM
No.1124の4極カプラーを使いました。
でもまだカチャカチャ鳴ってるし・・・。通勤途中のある特定の場所を通ったときに鳴り出すのが不思議です。
上のページへ
関連ページ
メンテナンス 〜 パワーシートの故障 >
前リフターが動かない
コネクタ表 〜 パワーシートスイッチ
|