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公開日:2007年3月31日
最終更新日:2008年11月4日


点灯不良が起こる


スプリットファイアHID H4切替式の故障
(メンテナンス)

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バーナーも分解

概要

スプリットファイアHIDの左側が正しく点灯できないときがあるので点検してみました。


修理費用

***円


症状

1.左のバーナーのみライトスイッチONでも点灯しないときがある。
2.点灯するときでも一瞬右よりも遅れて点灯することがある。
3.一度点灯してしまえばライトスイッチをOFFにするまで消えることはない。
4.ライトスイッチONでも点灯しなかったときは、ずーっと点灯しない。


故障探求

1.アース不良の可能性

スプリットファイアHIDは、アース線が左右のバラスト毎に独立して2本あるため、アースが不十分な方だけ点灯しない、ということが起こり得ます。説明書にも左右のアースは同じ条件にするように、と書いてあります。

実際、アース線を取り付けたバンパー裏のフレーム部分には微妙な電流が流れており、アースポイントとしては不十分であると思われました。


バッテリーマイナス端子・ライト付近のフレーム間に若干の電流が流れていた
(直流電流DC0.25mAレンジでの測定で0.45mA)

対処方法として、左右のアースを同じ条件にするため、左右のアース線同士をつなぎ、さらに、別の2カ所にもアースポイントを増やし、やや太めのスピーカーケーブルや屋内配線用のIV線でバッテリーのマイナス端子に直結してみました。


これはバッテリーマイナス端子にアース線をつないでいる様子

これで解決したかのように見えましたが、一時的でした。症状は変わりませんでした。アースが原因ではありませんでした。


2.純正コネクタの接触不良の可能性

スプリットファイアHIDは、ヘッドライトのスイッチをONにしたかどうかをヘッドライトの左右の純正コネクタから独立して得ているため、接触不良を起こしている方だけ点灯しない、ということが起こり得ます。

とりあえず、純正コネクタとHIDシステム側のコネクタを何度も抜き差ししてみましたが、改善は見られませんでした。

もしかするとライトスイッチONでも純正コネクタに電気が来ていないのかもしれないと思い、左右の純正コネクタのロービーム電源同士をつなげてみましたが、症状は変わりませんでした。

これで純正コネクタの疑いは晴れました。


3.バラストとバーナーを左右入れ替えてみる

バーナーとバラストを左右交換してみたら反対側の右側が悪くなりました(アース強化は取り外している)。

・・・ということは、これでバーナーかバラストのどちらかが異常ということがわかりました。


4.配線の取り回しの可能性

保護機能が働いている可能性もあります。
配線コードを束ねすぎたりしていると、点灯時にバチバチバチッ!という音がしたり、一瞬赤く光る可能性があることがわかりました。このため、インバーターとイグナイタ間の配線を他の配線とは分けて取り回し、さらに、イグナイタからバルブへの配線コードにはクッション剤のスポンジを巻いてコード同士やシャシーに干渉しないようにしました。これにより点灯時のバチバチ音や赤く光ることはなくなりました。
しかし、依然として不点灯や遅れて点灯する症状は治っていません。


コードにクッション剤を巻いてリークを防いだ


5.バーナーのみ左右入れ替えを元に戻してみる

バラストとバーナーを左右入れ替えていたのを、
バーナーだけ元に戻してみたら再び左側が点かなくなりました。ということは、バーナーが不点灯の原因とわかりました。発光部に原因があるとは考えにくいので、先ずはイグナイタ・バーナー間のコネクタを疑ってみました。コネクタのメス端子をよく見ると、接触不良が起きているのではないかと思われるメス穴の開きがありました。そのために接触不良が起きていたものと思われました。


6.イグナイタ・バーナー間のマイナス側のコネクタを交換してみる

マイナス側コネクタのメス端子を接触が良くなるように再生して再接続してみましたがまだ不点灯が起こるため、カー用品店で売っていた1極コネクタに交換してみました。端子はハンダ付けしました。
これでうまくいったと思われましたが、それも一時的で、また不点灯になりました。


1極コネクタに交換してみたが改善せず


7.イグナイタ・バーナー間のマイナス側を直結してみる

カー用品店で買った1極コネクタは、差し込みが浅いことが判明。それが原因の可能性もありましたので、コネクタを取り去り、ハンダで直結してみました。


マイナス側をハンダで直結したが改善せず

これで治ったかに見えましたが、また不点灯になりました。いつもそうなのですが、何か対処したときはうまく点灯できて、次の日になるとまた不点灯になることが多いです。とにかく油断できないHIDです。


8.イグナイタ・バーナー間のプラス側を直結してみる

今度はプラス側も疑い、こちらもハンダで直結してみました。
しかしまだ不点灯になります。


プラス側もハンダで直結したが改善せず


9.バラスト・イグナイタ間の3本線をバラして配線してみる

設置時にバラスト・イグナイタ間のコード3本をコルゲートチューブでまとめて配線していたので、これが原因でバラストの安全装置が働いているのかと思い、コードをバラしてみました。
しかし不点灯はまた起こりました。この時点でまたアースをバッテリーのマイナス端子に直付けしてみましたが、不点灯はまだ起こります。


コード3本をばらしてみたがまだ改善せず


10.不点灯になる方だけで点灯させてみる

電力不足による不点灯の可能性もあるので、ちゃんと点灯する右側を点灯しないようにして、左側のみ点灯させるようにしてみました。すると一応点灯はしますが、点灯時にバチバチバチッと音がしています。この音は両方同時に点灯させているときは発生していません。これはどういうことなのでしょうか。


11.不点灯になるバーナーをベロフのバーナーに変えてみる

バーナー自体の不良の可能性が強いので、違うバーナーに変えてみました。以前使っていてまだ生き残っているベロフHIDのバーナーに交換してみました。配線はハンダ付けで直結です。すると何も問題なく点灯できました。ということでバラストとイグナイタは正常だとわかりました。問題はスプリットファイアHIDのバーナーのようです。


ベロフのバーナーに交換したらちゃんと点灯した(向かって右側)


12.もう一度不点灯になるバーナーをちゃんと点灯する方へ移してみる

左側に付けていた調子の悪いバーナーを右側に移してみました。するといままで左側に付けていたときと同じ症状が右側でも見られました。ということで、不点灯や一瞬遅れての点灯は、このバーナーが原因であることが大方確定しました。

この実験中に一つ気になったのは、遅れて点灯するときに、モヤッと光りながらバチバチバチッと音を立ててからパッと点灯することです。コードは束ねてはいないので、この原因はバーナー内部にあるのではないかと疑り出しました。例えば、コードの一方がバーナー内部でケースに触れていたり、ガラス筒がシェードに近すぎていたりすることです。
しかし、バーナーまで分解しては、保証が受けられなくなる可能性があるので、慎重に調べなければなりません。


13.シェードを外して点灯させてみる。

バーナーで異常なリークをしてバラストの安全装置が働いてしまう原因とは何だろうか?。それを考えて気になったのは、シェードがガラス管に触っていることです。ガラス管なので電気は通さないことは分かっていますが、シェードがガラス管に近すぎるのではないかと疑いました。
しかし、シェードを外して点灯させてみましたが、変化ありませんでした。

それよりも、ガラス管とシェードが触れているということは、ハイ/ロー切り替え時にガラス管を傷つける可能性があるので、気分的に気持ちいいものではありません。


ガラス管とシェードの間に紙が挟んで動かないということは、隙間がないということ



14.不点灯になるバーナーをベロフのパワーユニットで点灯させてみる。

スプリットファイアHIDのバラストが安全装置の働きやすい構造になっているのではないかと疑いました。
そのため、ベロフのバラスト&イグナイタで点灯を試みましたが、スプリットファイアHIDのバラスト&イグナイタの組み合わせの時とまったく変わりはありませんでした。


15.ハイビーム側に切り替えてから点灯させてみる。

ここまで調べて考えられる原因は、左側バーナーの不良。もうこれしかありません。
しかし、もう一つ試すことを考えつきました。それは、バーナー自体が不良ならば、バーナーの中で接触不良になる原因を考えていたら、思いつきました。それは、ハイ/ロー切り替えで少なくとも電極か電線が動くはずで、それが何らかの不具合を生んでいるのではないかと。

やってみると、
初めは不点灯もありましたが、何度かやっているうちにちゃんと点灯するようになりました。これはイケル!と思って、ハイ/ロー切り替えだけを50回くらい繰り返してみました。これでちゃんと点灯する確率が高まりました。


ここまで調べて考えられる原因は、左側バーナーの不良。もうこれしかありません。


16.バーナーを分解してみる。

コネクタを切ってコードを直結しているので、保証が受けられないことは必至ですし、自分は分解好きですので、不良のバーナーを分解してみました。




中のコードが細い。このようなところでリークしている可能性がある


結論

原因はすべてバーナー内部にあると結論づけしました。その理由は、
・ バーナー内部のコードが細いこと。
・ バーナー内部でハイ/ロー切替用のコイルに覆われていること。
・ バーナー内部のコードがバーナーの金属ケースに近いこと。
・ バーナー内部で2本のコードが触れ合うこと。

です。細いコードに絶縁材を巻くと、ちゃんと点灯する確率が高くなりました。ただし、ハイ/ロー切替が上手く動かなくなります。

バーナーを分解してしまったので保証は受けられません。
いつもライトスイッチONにしたときに点灯したかどうか気になるHIDはもうごめんです。
 

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