運転席側もバックル格納できるようになる
シートベルト移植
Transplantation of the Seatbelt
(追加装備)
Y31シーマ、Y31セドリック・グロリアに適用

運転席側もバックルが格納できるようになった
概要
運転席に助手席用のシートベルトを移植します。
これはすでにPOP SHIMAZAKIさん、かずぼうさんがやっているので、管理人もマネしてみることにしました。
移植後は運転席シートベルトが助手席用のようにワンタッチで取り外しができ、アダプター(ルーフ側バックル)はルーフサイドに格納できるので、オフ会で披露するときなど、開放感あふれる空間を演出できます。

左は助手席用シートベルト、右は運転席用シートベルト。
巻き取り収納部の形状は同じだが、内部の車両減速度センサーが異なる
運転席シートベルトには前後に動かないように振れ止めがありますが、助手席用にはありません(格納目的で)。安全上の問題はないと思います。
用意するもの
助手席用シートベルト、センターピラー上部のカバー、ブラスドライバー、マイナスドライバー(小さいもの)、ソケットレンチ(14mm)、クリップリムーバー(内張外し)
その他、場合により電動ドリル、ドリルの刃(4.8mm、5.0mm、8.0mm)、トルクスねじ用ドライバー(T10H、いじり止め付き用、5角星形で真ん中に穴があるタイプ)、キリや千枚通しなどの先の尖ったもの、カッター、ハンダコテ、ワッシャー(M5)、グリース
費用
0円 (もちろん用意するものを新規に買えば費用としてかかります)
助手席用シートベルトおよびピラー上部のカバーはしいぼーさんに提供していただきましたので費用はかかっていません。ありがとうございました。
移植手順
クリックするとそれぞれの手順にジャンプします。手順1と5は省略可能。
手順1は、バックル格納時に定位置で止まるようにする加工です。
手順2で運転席シートベルトを外します。
手順3で車両減速度センサーを交換します。
手順4で助手席用のシートベルトを運転席側に取り付けます。
手順5は、タングを引っかけるフックの移植加工です。
手順1.ルーフ側バックル格納時に定位置でピタッと止まるように、穴開け加工します。これが難しいと感じたり必要なければ手順1を飛ばします。
まず、移植しようとしている助手席用シートベルトのルーフ側バックルのアンカー部分をバラします。キャップは小さいマイナスドライバーで外します。アンカー部分をバラすにはトルクスねじ用ドライバーが必要です。そして画像のように穴を開けます。開けた穴にグリースを塗っておきます。
こうすることで、スプリングプレートの突起と穴がかみ合ってピタッと止まります。なお突起が変な山型をしているため、後方へ格納するときにカチッと気持ちよく止まらないこともあります。なるべく気持ちよく止まるようにするにはスプリングプレートを広げるか、ワッシャーを薄いものに交換すると良いでしょう。

トルクスねじは専用のドライバーで外す

こちらは普通のプラスドライバーで

5.0mmドリルで穴を開け、8.0mmドリルで座堀りする

こんなにワッシャーが挟まっているので、順番を間違えないように
手順2.運転席のシートベルトを外します。上部、下部とも14mmのソケットレンチを使います。

キャップは小さいマイナスドライバーで外し、アンカーボルトは14mmのソケットレンチで外す

ピラーカバーを止めているビスを外す

赤い矢印で示したビスやクリップを外し、カバーを上にスライドさせて外す
 この黒いのはクリップリムーバーで外す

アンカーボルトは14mmのソケットレンチで外す。巻き取り装置につながっているコネクターも外す
手順3.車両減速度センサーを交換します。このセンサーは、車両の前後左右の傾きをボール(パチンコの玉のようなもの)の転がりによって検出し、ベルトをロックする役目をしますが、減速度感知を考慮して特に車両前方への傾きに敏感にできています。このため助手席用を運転席側に持ってくると、敏感な方向が逆になってしまいます。したがってセンサーだけは元の運転席用のものを使用しなければなりません。
減速度センサーを交換しないと減速度感知が鈍感になってしまい、安全上問題がありますので、必ず交換しなければなりません。
まず、運転席シートベルトのグレーのセンサーカバーを外し、ボールが入っているセンサーケースを取り外します(手で後ろから押せば簡単に外れます)。助手席シートベルトもセンサーケースを取り外し、先に取り外した運転席用のセンサーケースを取り付けます。このとき、噛み合わない突起をニッパーでカットします。
なお、車種によってはボールではなくウェートが使われている場合がありますので、よく観察して交換します。

グレーのセンサーカバーを外すと、車両減速度センサーが現れる(矢印の先)

車両減速度センサーは、矢印の方向に指で押せば簡単に外れる

助手席側と運転席側とではボールが乗っている部分の傾斜角が僅かに違う。
助手席側は青い方向へ、運転席側は赤い方向へ敏感にできている

点線で示したのように傾斜角が異なる

突起の位置が異なるので、そのままでは取り付けできない。赤丸の方の突起をニッパーで切り取り、心配なら両面テープを併用して取り付けるとよい
手順4.助手席用のシートベルトを運転席側に取り付けます。説明は省略します。

手順5.フックを移植します。
運転席側センターピラー上部のカバーに、助手席用にしかないフックを移植します。このフックは、ルーフ側バックルからシートベルトのタングを外したときに引っかけるためのものです。必要なければやらなくても構いません。

ピラーカバーに付いているフックを運転席側に移植する (左は助手席側、右は運転席側)
まず、助手席側からフックを取り外します。フックの裏側にカッターで切り込みを入れていき、後ろから押したり、前からテコの応用で引っぱると外れます。ハンダコテで溶かす方法もありますが、後で固定するときに必要な部分まで溶けてしまうので避けます。

これはフックのみ移植
次に、キリなどの先の尖ったもので運転席側カバーの裏側から助手席側カバーのフックと同じ位置に穴を開けます。裏側からなら位置がわかりやすく、ずれる心配がありません。そしてその穴を頼りに4.8mmのドリルで穴を開けます。この状態でフックを差し込み(このままでもしっかり止まる)、カッターなどで切り取るしるしを付けてからカッターで四角く穴を開けていきます。

先の尖ったもので裏側から貫通させる

4.8mmのドリルで穴を開け、フックを差し込む。 このままでも十分だが、助手席側と同じように埋め込むため、カッターで周りにしるしを付ける

カッターで切り込みを入れてフックの大きさの穴を開ける

穴が開いたところ
四角く穴を開けたら、カバー裏側からワッシャー(M5)を押し込み(ワッシャーはしっかり止まる)、表からフックを差し込みます。そしてフックの裏側をハンダコテで溶かして固定します。

裏側からM5のワッシャーを押し込む。ピッタリなので押し込めば外れない

フックを差し込み、ハンダゴテで溶かして固定する

これでフックの移植完了(左は助手席側、右は運転席側)

タングを引っかけたところ
これでもう見た目も完璧です。
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